新型シエンタの外観は、欧州車を思わせる実用的なデザインへと進化しました。四角くて丸いシルエットは親しみやすく、家族を幸せな気持ちにしてくれるような温かみを持っています。サイドプロテクションモールがアクティブなイメージを表現し、毎日気兼ねなく使える車というコンセプトが随所に表れています。
ボディカラーは全9色から選択でき、ナチュラルなアースカラーを中心としたワントーンカラーが7色、ダークグレーのルーフと組み合わせたツートンカラーが2色の設定です。グレードXに関しては、ホワイト・ブラック・ベージュ・カーキの限定的な5色の設定となっています。サイドウインドウの上下幅は先代比80mm広がり、フロントガラスの面積も増加して視認性が向上しました。
スライドドアの開口高さも先代の1140mmから1200mmへと高くなり、大人が乗降する際のスムーズさが大幅に改善されています。フロントデザインは丸型ヘッドライトを採用し、初代モデルへのオマージュを表現しながらも最新のLED技術を使用した機能的なデザインになっています。
内装もコンセプトが大きく変わり、「使う楽しさと心地よい空間」をテーマに一新されました。ドアポケットやサイドレジスター、メーター、シフトなどが四角くて丸いフォルムに統一され、遊びゴコロが感じられる親しみやすい雰囲気になっています。
最上位グレードのZには、ファブリック素材が採用されたダッシュボードで上質な空間を実現。メランジファブリックのシート素材はリビングのソファのようなくつろげる空間を演出し、消臭機能も搭載されています。インテリアカラーはブラック・カーキ・フロマージュの3色から選択可能で、質感の高い室内空間が確保されています。
室内高は1300mmと、小さなお子様なら立ったまま着替えることが可能な広さを確保。カップホルダーやドアポケットなど至るところに実用的な収納スペースが増加し、スマートフォン充電設備も複数箇所に装備されています。グレードGやXのダッシュボードは樹脂製ですが、上質な質感を保ちながらコスト効率化を実現しています。
新型シエンタは5人乗り2列シートと7人乗り3列シートの二つのシート設定が用意され、ライフスタイルに合わせた選択が可能です。7人乗りモデルでは、ノーマルモード・フロントシートフラットモード・サードシートアレンジモード・ハーフラゲージモード・フラットラゲージモードの5つのシートアレンジが可能です。
5人乗りモデルでは、後席スペースを最大限に活用した設計で、フラットラゲージモード時の荷室最大長は2045mmに達します。これは7人乗り仕様の1525mmよりも520mm長く、車中泊に適した広さを確保しています。セカンドシートには6対4分割機構とチルトダウン機能があり、荷物の大きさに応じた柔軟な対応が可能です。
7人乗りモデルのセカンドシートは5対5分割で、ランブル機構により跳ね上げ式の収納ができます。3列目シートはダイブイン方式で、2列目シート下に格納されるため荷室空間がすっきり広くなります。全シートの座り心地は大幅に改善され、特にセカンドシートの快適性が向上しています。
新型シエンタには、トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全グレード標準装備されています。2種類のセンサーによる高い認識性能と信頼性で、多くの状況でドライバーをサポートします。夜間でも歩行者や自転車を検知できるように進化し、旧型の限定的なセーフティシステムから大幅にアップグレードされました。
標準装備される安全機能は、プリクラッシュセーフティー・レーントレーシングアシスト・レーダークルーズコントロール・レーンディパーチャーアラート・ロードサインアシスト・アダプティブハイビームシステム・ドライバー異常時対応システム・プロアクティブドライビングアシストの8つです。
さらに2025年8月のマイナーチェンジでは、電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が追加されました。メモリー式オートブレーキホールドはトヨタブランド初採用で、ドライバーの疲労軽減に貢献します。プリクラッシュセーフティの検知対象が右左折時の歩行者や右折時の対向車、昼間の自動二輪にまで拡大されています。
オプションのアドバンストパークではステアリング・アクセル・ブレーキ・シフトの全操作をサポートし、トヨタチームメイトの先進駐車支援機能により、苦手な並列駐車やバック駐車もサポートされます。ドライバー異常時対応システムは走行中にドライバーが急病になった場合に自動的に車線内で減速・停止させるシステムで、生命救助をサポートします。
新型シエンタはTNGAプラットフォーム（GA-B）をベースに新設計され、「走る・曲がる・止まる」という車の基本性能が飛躍的に向上しました。結合部の剛性が向上し、軽量・高剛性ボディが上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現しています。
パワートレインは1.5Lガソリンエンジンと、それにモーターを加えたハイブリッドの2種の組み合わせが用意されています。ガソリン車は1.5Lダイナミックフォースエンジン+Direct-CVTで、力強い走りを実現し、WLTCモード18.4km/L（2WD・5人乗り）を達成しています。
ハイブリッド車は1.5Lハイブリッドシステムで、走りの良さと優れた燃費性能を両立させており、WLTCモード28.8km/L（2WD・5人乗り・Xグレード）を実現しています。先代シエンタで搭載されていた4気筒エンジンから、ヤリスから採用された3気筒ハイブリッドシステムへと変更され、エンジン音は3気筒独特のものに変わっています。
E-Four（電気式4WDシステム）は降雪時や降雨時など滑りやすい路面でスムーズに4WD状態へ切り替わり、無駄なく、賢く、発進性と走行安定性を実現しています。ハイブリッド車を選択すればモーターがサポートしてくれるため、ガソリンモデルよりも静粛性が高く、走りに余裕が生まれます。
新型シエンタには「X」「G」「Z」の3つのグレードが用意されており、各グレードに7人乗り3列シートと5人乗り2列シート、ガソリン2WD・ハイブリッド2WD・ハイブリッド4WD（E-Four）の設定を選べます。全18種類もの豊富なラインアップとなっており、ユーザーのライフスタイルや予算に合わせた選択が可能です。
最上位モデルのグレード「Z」は充実した装備が魅力で、足先を出し入れするだけでスライドドアが開閉する「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」や、後席用サンシェードが標準装備されます。インパネ部分はオプティトロンメーター+7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイで上質な室内空間を実現し、内装色はブラック・カーキ・フロマージュの3色から選択できます。
スタンダードモデルのグレード「G」は価格を抑えながらも装備にこだわった構成で、指先ひとつでスライドドアを開閉できる「ワンタッチスイッチ付パワースライドドア」が両側に標準装備されます。インパネ部分はアナログメーター+4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイで、シンプルな内装にまとめられており、内装色はブラックとカーキの2色から選択可能です。
エントリーモデルのグレード「X」はシンプルな構成で、「ワンタッチスイッチ付パワースライドドア」は助手席側のみに標準装備となります。インパネ部分は「G」グレードと共通で、内装色はブラックのみです。ボディカラーは「Z」「G」グレードの9色設定とはうって変わってモノトーンカラー4色のみとなっています。
最新価格情報は2025年8月のマイナーチェンジ後に更新され、新たに2人乗り4ナンバー登録車「JUNO（ジュノ）」が新モデルとして登場しました。価格帯は207万7900円から385万2200円に広がり、グレードによっては5万円～9万円程度の値上げが行われています。
2022年発売当初の価格体系では、ガソリン車2WD7人乗りのエントリーモデルXが2,035,200円から、ハイブリッド4WD（E-Four）7人乗りの最上位モデルZが3,234,600円までの設定となっていました。5人乗りのハイブリッド2WDモデルでは、Xグレードが2,390,000円、Gグレードが2,687,500円、Zグレードが2,996,600円となっています。
2025年8月のマイナーチェンジにより、全体的に価格が上昇しています。新型2人乗り「JUNO」の導入と電動パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能の追加により、機能面が大幅に充実した反面、購入時の負担がやや増加しました。ガソリン車とハイブリッド車の価格差は約35万円で、購入時の環境税優遇により実質25万円程度となります。
グレード選択のポイントとしては、快適性と安全機能を最大限に求める方にはZグレードがおすすめです。日常的なロングドライブを予定している場合は、ハンズフリーデュアルパワースライドドアやレーダークルーズコントロール、アダプティブハイビームなどの装備が役立ちます。
コストパフォーマンスを重視する方にはGグレードがおすすめで、便利な装備は欲しいが費用はなるべく抑えたい方に最適です。ハンズフリーデュアルパワースライドドアやパノラミックビューモニター、シートヒーター、天井サーキュレーターなどの人気装備をオプションとして追加できます。
最低限の装備で充分な方にはXグレードがおすすめで、買い物や子どもの送迎メインの利用に適しています。トヨタの安全性能へのこだわりから予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」も搭載されており、装備が格段に劣るわけではありません。
国産の5ナンバーサイズのコンパクトミニバンは、現在シエンタとホンダのフリードの2車種で独占しています。新型シエンタのライバル車であるフリードは2024年に3代目モデルが登場し、複数の乗車人数オプションが用意されています。
ボディサイズではシエンタの全長4260mm・全幅1695mm・全高1695mmに対して、フリードは全長4310mm・全幅1695mm・全高1755mmとなっており、ほぼ同等のサイズ感です。室内長ではフリードが2645mmに対してシエンタが2545mmと、数字だけ見るとフリードが50mm長くなっています。
シートの設定ではシエンタが5人乗りと7人乗りに対して、フリードは6人乗りのキャプテンシート設定が存在するのが特徴です。このキャプテンシートは左右独立しており、座った時にプライベート感があり、中央がウォークスルーになっているため1列目から3列目へスムーズに移動できるというメリットがあります。
荷室容量ではシエンタが最大1818Lに対してフリードが最大1241Lとなり、シエンタが勝ります。フリードの3列目シートはサイド跳ね上げ方式でデッドスペースが発生しやすい一方、シエンタのダイブイン方式は2列目シート下に格納されるため荷室空間がすっきり広くなります。
安全装備ではシエンタの方がフリードに大差をつけており、自動ブレーキ機能は昼間だけでなく夜の歩行者や自転車にも対応しています。レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール、ロードサインアシストなど、最新の機能は世界トップレベルの実力を誇ります。フリードはやや物足りなさがあり、自動ブレーキ機能は歩行者と車両のみで左右折時の歩行者には非対応です。
新型シエンタの詳細スペック情報が掲載されているサイト
シエンタと競合車の詳細比較に参考になるサイト
新型シエンタのカタログ燃費はガソリン車でWLTCモード18.3～18.4km/L、ハイブリッド車でWLTCモード25.3～28.5km/Lとなっており、ミニバンの中ではトップレベルの性能を誇ります。同じコンパクトミニバンであるフリードのガソリン車14.4～16.4km/L、ハイブリッド車21.1～25.6km/Lと比較すると、シエンタが優れた燃費性能を実現しています。
ハイブリッド車での燃費差は顕著で、シエンタの最新ハイブリッドエンジンとフリードの旧型ハイブリッドエンジンとの世代差が要因です。ガソリン車の燃費差は許容範囲といえるでしょう。実際の運用では、運転方法・路面状況・季節など多くの要因に左右されますが、カタログ値からの実燃費は70～80%程度が目安となります。
ランニングコスト面ではハイブリッド車の選択により、毎月のガソリン代を大幅に抑えられます。購入時のハイブリッド車35万円の価格上乗せも、環境税優遇で約10万円の税優遇を受けられるため、実質25万円の差となります。年間走行距離が10000km程度であれば、燃費差により約2年半で価格差を回収できる試算が成り立ちます。
さらにハイブリッド車の運転フィーリングは、モーターのアシストにより静粛性が高く、ガソリン車よりも上質な乗り心地が実現されています。特に坂道や高速道路の合流など、パワーが必要なシーンでもゆとりがあり、運転のストレスが軽減されます。
新型シエンタの最上位グレードZに標準装備される「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」は、足先を出し入れするだけでスライドドアが自動開閉するため、買い物袋を抱えた状態でも両手がふさがることなく利用できます。グレードGではメーカーオプション（33,000円）での設定となり、グレードXではメーカーオプション対象外となっています。
これまでのワンタッチスイッチ式と異なり、赤外線センサーにより足の動きを検知して反応するため、特に小さなお子様を抱っこしながらの乗降や、高齢者の利用で大きな効果を発揮します。両側のスライドドアに装備することで、ファミリーカーとしての実用性が大幅に向上しています。
オプション設定されるドライブレコーダーも便利で、前後方の走行中の映像を内蔵メモリに録画し、ディスプレイオーディオの画面で即座に再生可能です。録画地点を地図上に表示できるため、地図から簡単に再生したい映像を見つけられる機能性が実装されています。
新型シエンタには高級車に装備されているような快適装備が多数追加されています。天井サーキュレーターが車内の空気を効率的に循環させ、寒い日にはステアリングヒーターとシートヒーターが手のひらと足元から温めてくれます。
後席用サンシェードが日射しを気にせず快適にドライブできる環境を整え、室内を快適な空気環境にしてくれるナノイーXと、日射しからお肌を守るUVカット機能付ガラスがグレードによって標準装備またはオプションで装備可能となっています。
2025年8月のマイナーチェンジでは、オートエアコンが全グレードに標準装備となり、快適性がさらに向上しました。撥水撥油機能付のシート素材がメーカーオプションで設定され、アクティブに使った場合でも汚れにくい設計になっています。内装のスマートフォン充電設備も複数箇所に装備され、ドライブ中のスマートフォン利用も安心です。
新型シエンタは2022年8月23日の発売から約3年経過し、2025年8月に一部改良が実施されました。この改良では電動パーキングブレーキとメモリー式オートブレーキホールドがトヨタブランド初採用され、さらに安全性能が進化しています。新モデルとしての2人乗り4ナンバー登録車「JUNO（ジュノ）」も登場し、軽商用車ユースへの対応が広がりました。
過去のフルモデルチェンジサイクルから見ると、次回のフルモデルチェンジは2027～2029年頃になると予測されています。初代は2003年発売、2015年にフルモデルチェンジ（約12年、途中に販売休止・復活あり）、2代目は2015年発売、2022年にフルモデルチェンジ（約7年）という周期です。トヨタ車が近年モデルライフを長めに設定する傾向から、3代目の次のフルモデルチェンジは2027～2029年が有力とされています。
現在のシエンタユーザーの関心は、さらなる電動化技術やコネクテッド機能の充実、そしてデザインの進化にあります。2025年のマイナーチェンジでは安全装備が大幅に強化されましたが、次の大型アップデートではプラグインハイブリッドシステムの導入や、より洗練されたデザインの採用が期待されています。納期については半導体供給状況に左右されますが、2024年現在ではガソリン車で3～4ヶ月、ハイブリッド車で3ヶ月程度が目安となっています。
単語リスト分析： ホンダ、BR-V、3列シート、7人乗り、SUV、ヴェゼル、CR-V、コンパクト、新型、インドネシア、東南アジア、スペック、安全基準、価格、i-VTECエンジン、パワートレイン、走破性、デザイン
茨城ダッシュ 危険性 交差点 右折
茨城県で多く見られる「茨城ダッシュ」という強引な右折行為。青信号で直進車より先に右折するこの違反行為は、交差点での事故を招く主な原因となっています。違反となる理由や実際の危険性、県警の取り組みについて理解することで、より安全な運転について考えてみませんか？
茨城ダッシュは、交差点で赤信号待ちをしている際に、信号が青に変わった瞬間、対向直進車よりも先に右折する運転行動を指します。単なる「せっかち」な運転ではなく、交差点手前で赤信号停止中、青信号に変わったその直前または直後に「猛ダッシュ」で右折するという特徴があります。この行為は交差点の中心のすぐ内側を徐行して通行するという正規の右折方法を無視した違反行為です。
茨城県警察が公式に注意喚起する程度に、茨城県内での頻度が高いことが知られています。実際の統計では、交差点で起こる歩行者と車の衝突事故のうち、約8割が右折時に発生しており、茨城ダッシュがこうした事故の主要な原因になっていると見られています。単なる交通マナーの問題ではなく、実際に複数の事故が確認されている深刻な問題なのです。
茨城ダッシュが極めて危険な理由は、物理的な死角の増加にあります。通常の正規な右折方法では、運転手は交差点の中心より内側を徐行しながら進行し、進行先の横断歩道と対向車線の安全を段階的に確認します。しかし茨城ダッシュでは、交差点をショートカットして急速に右折するため、フロントガラス右側の車両のピラー（柱）による死角が急激に増えるのです。
ピラーの陰には複数の歩行者が隠れることもあり、なかでも子どもや低い位置にいる人物は発見が遅れる傾向があります。運転手の注意力が対向車に集中しているため、右折先の横断歩道を渡る歩行者の接近に気づくのが遅れやすくなります。さらに、ショートカット右折により横断歩道に対して斜めに進入することで、死角がより増幅され、予測不可能な衝突が発生する可能性が高まるのです。
茨城ダッシュを行うと、複数の交通違反が同時に成立します。茨城県警によると、この行為は「横断歩行者等妨害」「信号無視」「交差点右左折方法違反」「交差点優先車妨害」の4つの違反に該当する可能性があります。
特に「交差点優先車妨害違反」では、交差点を右折する場合に直進または左折しようとする対向車がある時、その車両の進行を妨害してはならないという道路交通法37条に違反します。この場合、違反点数は1点、反則金は普通自動車で6,000円です。また「交差点右左折方法違反」では、交差点の中心のすぐ内側を徐行して通行しない場合に該当し、違反点数1点、反則金は4,000円となります。
茨城県の道路環境が茨城ダッシュを助長している側面があります。茨城県は道路の総延長が北海道の次に長いにもかかわらず、面積は北海道の12分の1程度に過ぎません。つまり、限られた面積に膨大な道路が集中しているのです。この状況が道路整備の遅れを招き、右折レーンのない交差点が多く存在することになりました。
しかし茨城県警の見解では、信号設置や切り替え時間は全体の交通量のバランスを見て決められており、安易に右折信号を増やせば解決する問題ではないとのことです。主要道路では右折信号や右折レーンの整備が進み、周辺の交通量に応じて数年ごとに見直されています。右折信号がなかったり青信号の時間が短く感じられたりする道路も、一方を優先すると他の車線が渋滞してしまうといった「やむを得ない事情」があるというのが県警の説明です。
茨城ダッシュは全国に存在する「ご当地走り」の一種です。愛知県の「名古屋走り」は複合的で、ウインカーを出さない車線変更、制限速度プラス20km程度の速度超過、異常に短い車間距離など、複数の違反が組み合わさっています。大阪府の「大阪走り」、長野県の「松本走り」も茨城ダッシュと同様に青信号での右折優先を特徴とします。
岡山県の「岡山ルール」はウインカーを出さないまま強引に割り込む車線変更が特徴で、県内の一部の道路には「ウインカーを促す」という特別な道路標示まで存在するほどです。愛媛県の「伊予の早曲がり」は非常に多発するため、「伊予の早曲がり禁止」と書かれた札を掲げる交通安全運動が展開されています。自動車評論家の国沢光宏氏によれば、こうした全国のご当地走りは、大きく3つの類型（ウインカーなし車線変更、無理な割り込み、赤信号無視や右折優先）に集約されるとのことです。
茨城県警は茨城ダッシュの根絶に本格的に取り組んでいます。信号交差点において白バイや覆面パトカーでの取締りを強化し、通常の交通違反と同様に対応するだけでなく、2023年6月には茨城ダッシュに特化した集中取り締まりを実施しました。県警のホームページには「茨城ダッシュは交通違反です！」という大きな見出しの特設ページが設けられ、正規の右折方法の啓発に注力しています。
正規の右折方法は、第一に道路の中央に寄ること、第二に対向車線と進行先の横断歩道の安全を確認すること、第三に交差点中心の内側を徐行進行すること、第四に横断歩道の手前で再度安全を確認することとされています。県警は「ドライバー一人一人が正しい右折方法を習慣化することが、茨城ダッシュを根絶することに繫がる」と強調し、時間に余裕を持った安全運転の重要性を呼びかけています。
参考リンク：茨城県警察による茨城ダッシュ解説（県警交通部による公式情報）
「茨城ダッシュ」は交通違反です！／茨城県警察
参考リンク：交差点右折時の死角に関する安全確認方法（JAF提供の実例に基づいた情報）
交差点で対向車より先に右折しようとするとき、どんなことに注意すべき？
