ハイビーム ロービーム違いと正しい使い分け方法について

夜間運転で重要なハイビームとロービームの使い分け方法を詳しく解説。車検基準や交通事故統計から見る安全性の違い、そして2024年8月から変更された新基準についても紹介します。あなたは正しく使い分けできていますか?

ハイビーム ロービーム違いと使い分け

ヘッドライトの基本知識と安全運転
💡
ハイビーム(走行用前照灯)

前方約100m先まで照らし、夜間走行の基本とされる

🔻
ロービーム(すれ違い用前照灯)

前方約40m先まで照らし、対向車とのすれ違い時に使用

⚠️
車検基準の変更

2024年8月からロービームのみでの検査に移行

ハイビーム ロービームの基本的な仕組み

ハイビームとロービームは、車の前照灯(ヘッドライト)の2つの異なるモードです 。道路運送車両法では、ハイビームは「走行用前照灯」、ロービームは「すれ違い用前照灯」と正式に定められています 。
参考)Document Moved

 

ハイビームは前方約100m先まで照らすことができ、より広範囲で強い光を放ちます 。一方、ロービームは前方約40m先までの範囲を照らし、対向車や歩行者への眩惑を防ぐために光軸が下向きに調整されています 。
参考)見慣れた「カタカナ自動車用語」、日本語ではなんという?

 

実は道路交通法により、夜間走行時はハイビームが基本とされているのをご存じでしょうか 。つまり、対向車や先行車、歩行者などを眩惑させないように、すれ違い用としてロービームが設けられているのが正しい理解なのです 。
参考)夜間走行時のヘッドライトはハイビームが基本?

 

ハイビーム ロービームの正しい使い分けタイミング

道路交通法第52条により、夜間走行時は原則ハイビームでの走行が義務とされています 。しかし、実際の運転では状況に応じた適切な切り替えが必要です 。
参考)ハイビームの上手な活用で夜間の歩行者事故防止|警察庁Webサ…

 

ハイビームを使用すべき場面:

  • 郊外や山道など見通しの悪い道路
  • 街灯が少ない暗い道路
  • 周囲に車両や歩行者がいない場合

ロービームに切り替えるべき場面:

  • 対向車とすれ違う時
  • 前走車がいる時
  • 歩行者や自転車利用者がいる時
  • 交通量の多い市街地
  • 雨や霧など悪天候の時(光が拡散するため)

特に注意が必要なのは、対向車が自転車の場合も確実にロービームに切り替える必要があることです 。ハイビームのまま走行すると、相手の視界を奪い重大な事故につながる危険性があります 。
参考)知らないと危ない!ハイビームとロービームの正しい使い分け方と…

 

ハイビーム使用による安全性向上効果

警察庁のデータによると、ハイビームとロービームでは交通事故発生件数に驚くべき差があります 。夜間のロービーム走行時における交通事故発生件数は年間15万2156件であるのに対し、ハイビーム走行時はわずか2671件と、約57倍もの差があることが判明しています 。
参考)事故件数の差 実に約57倍!!! 「夜間は基本ハイビーム!」…

 

さらに注目すべきは、夜間の四輪対歩行者死亡事故において、ハイビームで走行していれば衝突回避できた可能性が高い事故が56%もあったという事実です 。ところが、過去10年間の四輪対歩行者死亡事故の約95%で、前照灯は下向き(ロービーム)であったという現状があります 。
参考)https://www.itarda.or.jp/presentation/26/show_lecture_file.pdf?lecture_id=151amp;type=file_jp

 

茨城県警のデータでも、ロービーム走行時に起こした事故のうち、ハイビームに切り替えていれば事故を回避または軽減できた可能性があるケースが実に69%にも達しています 。これらの統計は、ハイビームの積極的活用がいかに重要かを物語っています。

ロービーム車検基準の重要な変更点

2024年8月から、車検におけるヘッドライト検査方法に重要な変更が実施されました 。これまでは、ロービーム計測で基準不適合の場合、ハイビームでの計測により車検に合格できましたが、新基準ではロービームのみでの測定となります 。
参考)車検時のヘッドライトの検査項目とは?新基準の変更内容や対処法

 

この変更は1998年(平成10年)9月1日以降に製造された車両が対象で、地域により適用時期に差があり、完全移行は2026年8月を予定しています 。従来は車検に通っていた車両でも、新基準では不合格となる可能性があるため注意が必要です 。
参考)ヘッドライトの光軸調整は自分でできる?車検基準や調整方法を解…

 

ロービームはハイビームに比べて照射範囲が狭く、光軸調整がより厳密になります 。車検前の整備では、ロービーム計測に対応した調整が行われていない場合、追加の調整作業が必要になる可能性があります 。
参考)【令和6年6月更新】令和6年8月以降の車検から見直される「ロ…

 

ハイビーム ロービームの光軸調整と寿命管理

ヘッドライトの性能を維持するには、適切な光軸調整と定期的な交換が重要です 。光軸のズレは車検不合格の原因となるだけでなく、安全性にも大きく影響します 。
参考)光軸がズレてる!? 車検に通らない前に確認すべき調整ポイント…

 

光軸調整のチェックポイント:

  • ヘッドライトレベライザーの適正設定
  • 車高変化による照射角の狂いがないか
  • 光軸調整ネジによる左右・上下方向の適正範囲確認

ヘッドライトの寿命は種類により大きく異なります 。ハロゲンタイプは2~3年程度、HIDタイプは約5年、LEDタイプは12~15年程度とされています 。交換費用の目安は、バルブのみの交換で約3,000円~15,000円、ヘッドライト本体全体の交換では50,000円以上かかる場合もあります 。
参考)車のヘッドライト、交換はどうする?タイプや費用の違いなどまと…

 

LEDヘッドライトは消費電力が28Wと最も低く、寿命も30,000時間と長いため、長期的にはコストパフォーマンスに優れています 。一方、ハロゲンライトは消費電力60W、寿命600時間と短いものの、対向車にとって眩しく感じにくいという特徴があります 。
参考)https://www.unite-carlife.com/10672/