ホンダは2025年9月5日に新型プレリュードを正式発売しました。メーカー希望小売価格は617万9800円(消費税込)となっており、月間販売計画台数は300台と限定的な生産体制を採っています。この価格設定は、シビックTYPE Rの499万7300円を上回り、より上級のスペシャリティスポーツカーとして位置づけられています。
参考)新型「PRELUDE」を発売
新型プレリュードは24年ぶりの復活を遂げる2ドアスポーツクーペで、「UNLIMITED GLIDE」をグランドコンセプトとして開発されました。大空を自由に飛べるグライダーを発想の起点とし、優雅に滑空するような高揚感と非日常のときめきを感じさせる設計が特徴です。
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Honda ONでは、新色ムーンリットホワイト・パールにブラック塗装のルーフ&ドアミラーを組み合わせた数量限定車「Honda ON Limited Edition」もラインアップされています。
参考)タイプ・価格|プレリュード|Honda公式サイト
新型プレリュードには、ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」がさらに進化した形で搭載されています。パワートレインは2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジン(最高出力141ps/最大トルク182Nm)と2モーターハイブリッド(最高出力184ps/最大トルク315Nm)の組み合わせで構成されています。
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このシステムは3つの走行モードをシームレスに使い分け、軽快な加速フィールを実現します。EVモードではバッテリーからの電気のみでモーター走行し、ハイブリッドモードではエンジンの力で発電した電力で走行用モーターを駆動します。加速時にはバッテリーからの電力を合わせることで、よりパワフルな加速が楽しめる設計になっています。
参考)性能・安全|プレリュード|Honda公式サイト
WLTCモード燃費は23.6km/Lを達成し、市街地モードで20.6km/L、郊外モードで26.1km/L、高速道路モードで23.5km/Lという優れた環境性能を誇ります。駆動方式はFFで、車両重量は1460kg、最小回転半径は5.7mとなっています。
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新型プレリュードの最大の特徴の一つが、新開発の「Honda S+ Shift(エスプラスシフト)」です。この技術により、モーター駆動でありながら仮想8段変速を実現し、有段トランスミッションのような変速フィールを提供します。
参考)新型プレリュード搭載 Honda S+ Shift 技術解説…
Honda S+ Shiftは「ステップシフト制御」と「スポーツアダプティブ制御」の2つのコア技術で構成されています。ステップシフト制御では、加速時のみならず減速時を含む全領域で、エンジン回転数と駆動力を段階的に変化させ、有段トランスミッションの持つ小気味よい変速フィールを提供します。
アップシフト制御では、発電用モーターを積極的に回生発電させることでエンジンにとってのフリクションを増大させ、エンジン回転数を素早く下降させます。ダウンシフト制御では、発電用モーターの回生発電量を調整し、エンジン回転数を鋭く上昇させることでブリッピングを演出します。
運転席にはパドルシフターが装備され、+パドルを引くとギア段数を1段上げ、-パドルを引くとギア段数を1段下げることができます。システムがONのときには、メーター表示がタコメーターに切り替わり、仮想ギア段数が表示されるなど、本格的なスポーツドライビングの雰囲気を味わえます。
参考)https://www.honda.co.jp/ownersmanual/webom/jpn/prelude/2026/details/6785da535687e3-37090416.html?from=faq_digest
ホンダ公式サイト - Honda S+ Shift技術解説
Honda S+ Shiftの詳細な技術解説と作動原理について、アニメーションとともに分かりやすく説明されています。
新型プレリュードのボディサイズは、全長4520mm×全幅1880mm×全高1355mm、ホイールベース2605mmとなっています。シビックと比較すると、ロー&ワイドのショートホイールベース仕様となっており、よりスポーティなプロポーションを実現しています。
デザインは大空を滑空するグライダーをモチーフとし、優雅で流麗なラインが特徴です。標準装備のアルミホイールは19インチで、東京オートサロンで披露されたカスタム仕様の20インチとは異なります。
参考)スポーティな新内装を大公開!! 新型プレリュードは超カッコい…
ボディカラーには複数の選択肢が用意されており、特にムーンリットホワイト・パールにブラック塗装のルーフ&ドアミラーを組み合わせた限定仕様は、Honda ONだけで購入できる特別なモデルとなっています。低く構えたスタンスと伸びやかなルーフライン、精悍なフロントマスクが、このクルマのスペシャリティスポーツとしての存在感を際立たせています。
新型プレリュードの内装はドライバーを中心に設計された、未来的で上質な室内空間が特徴です。内装色にはメインとなる「ブルー×ホワイト」と、ムーンリットホワイト・パール限定の「ブルー×ブラック」が設定されています。
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インパネのデザインは最新ホンダ車に共通する水平基調を採用しながら、スポーティさや上質さを表現しています。フルグラフィックメーターとセンターディスプレイが見やすく配置され、運転中の安全な操作にも配慮し、重要な機能には物理スイッチが残されています。
フロントシートにはホールド性の高いバケットタイプのシートを採用し、シート表皮には本革とアルカンターラが使用され、高級感と快適性を両立しています。ハイバックデザインのフロントシートは、運転席ではホールド性を高め、助手席ではリラックスできる座り心地としており、それぞれ異なる仕様が採用されています。
リアシートは大人が座れる実用性を確保した2名乗車仕様(プラス2)となっており、ラゲッジスペースも2人分の荷物には充分な広さを確保しています。開口部が広いハッチバックにより優れた利便性も実現し、スペシャリティクーペらしい美しいスタイルと日常での使いやすさを両立したパッケージとなっています。
新型プレリュードを所有する際の年間維持費は、走行距離や使用環境によって変動しますが、年間走行距離10,000kmと仮定した場合のシミュレーションが参考になります。
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自動車税は排気量1.5L超~2.0L以下のカテゴリーに該当し、年間36,000円となります。注目すべきは、エコカー減税により自動車重量税が初回車検時まで免税となる点で、これはe:HEVシステムの高い環境性能が評価されている証です。
燃料代については、WLTCモード燃費23.6km/Lという優れた燃費性能により、ガソリン代を175円/Lと仮定した場合でも年間約125,000円程度に抑えられます。これは同クラスのガソリンスポーツカーと比較して大幅に経済的です。
参考)https://www.goo-net.com/catalog/HONDA/PRELUDE/nenpi.html
その他、自賠責保険料が年間約10,000円、任意保険料が約120,000円(30歳以上、20等級、車両保険ありの場合)、メンテナンス代が約50,000円となり、駐車場代を除いた年間維持費の合計は約341,000円と試算されます。駐車場代を月額15,000円として加えると、年間維持費は約521,000円となります。
新型プレリュードは発売直後から非常に高い人気を集めており、初期生産分は完売状態となっています。月間販売計画台数が300台と限定的であることから、納車までには相当な待ち時間が発生する見込みです。
参考)ホンダ・プレリュードの新型モデルの納期はいつ?最新情報から納…
現時点ではホンダから公式な納期発表はありませんが、受注状況を考えると納車までに数か月から半年以上かかる可能性が高いとされています。少しでも早く手に入れたい場合は、正規ディーラーとの関係を早めに構築し、予約や受注開始の情報を逃さないようにすることが重要です。
Honda ONでの購入の場合、契約時に申込金10万円を決済し、納車時期確定のご案内後に残りの金額を支払う形式となります。頭金が30万円以下の場合は契約後すぐに入金が必要となり、キャンセル防止の意味合いもあります。
参考)『ホンダの新車を購入しようとしているのですが、車の頭金は..…
生産枠の確保に強いディーラーを見つけることや、シビックTYPE Rを早期に多く生産枠を確保できた実績のあるディーラーで話を聞くことも、早期納車を実現するための有効な戦略です。人気仕様にこだわらず柔軟に選択することで、比較的早い納車が期待できる場合もあります。
参考)新型プレリュードは買いか!? 気になるスペック・価格は?
新型プレリュードの価格帯617万9800円で競合するスポーツカーとしては、まず日産フェアレディZが挙げられます。フェアレディZは546万7000円からという価格設定でプレリュードにかなり近く、同じ購入層が比較検討するケースが多いと予想されます。
参考)ホンダ『プレリュード』新型、気になるライバルたち
トヨタ スープラの2.0L「SZ-R」仕様も約601万円という価格帯で本格派スポーツクーペの代表格として競合します。ただし、生産終了が近づいており、新車での入手は限られたチャンスとなっています。
より手頃な価格帯では、トヨタ GR86やスバル BRZも2ドアクーペとして競合関係にあります。これらはプレリュードと同様にスポーティな走りを重視したモデルですが、プレリュードがハイブリッドシステムを採用しているのに対し、GR86/BRZは自然吸気エンジンを搭載している点が大きく異なります。
参考)『新型プレリュードのライバル車、競合車はなんですか?...』…
プレリュードの最大の差別化要素は、ハイブリッドを採用した環境性能と走りの両立を目指している点です。競合車がガソリンエンジンのみで構成されているのに対し、プレリュードは次世代のe:HEVシステムとHonda S+ Shiftにより、環境性能と操る喜びを高次元で融合させています。
参考)2025年9月発売! ホンダ「新型プレリュード」24年ぶり復…
輸入車では、BMW 2シリーズクーペやアウディ TT、ポルシェ ケイマンなども広い意味での競合になりますが、価格帯や位置づけが異なるため直接的な比較対象とはなりにくいでしょう。
新型プレリュードは、「電動化時代の新しいスペシャリティスポーツの先駆け・前奏曲(プレリュード)」として開発されました。この車は、環境規制が厳しくなる現代において、スポーツカーの未来を示す重要なモデルと位置づけられています。
従来のスポーツカーは大排気量エンジンやターボチャージャーによる高出力が魅力でしたが、新型プレリュードはハイブリッドシステムの特性を活かした新しいアプローチを採用しています。モーターの瞬発力とエンジンの伸びやかな加速感を組み合わせることで、これまでにない走行感覚を実現しています。
Honda S+ Shiftによる仮想8段変速は、従来のスポーツカーファンが求める「シフトチェンジの楽しさ」をハイブリッドシステムで再現する画期的な試みです。発電用モーターを巧みに制御することで、エンジンブレーキやブリッピングといった本物の有段トランスミッションのような感覚を味わえます。
あまり知られていない興味深い点として、新型プレリュードのベースアーキテクチャはシビックと共通ですが、ホイールベースを短縮しロー&ワイドにすることで、全く異なる運動性能とスタイリングを実現している点が挙げられます。この開発手法は、効率的なプラットフォーム戦略とスポーツカーとしての個性を両立させる、ホンダの技術力を示すものです。
また、ハイバックデザインのフロントシートが運転席と助手席で異なる仕様になっているという細かな配慮も、スペシャリティカーとしてのこだわりを感じさせます。運転席はホールド性を高め、助手席はリラックスできる座り心地とすることで、ドライバーと同乗者それぞれに最適な空間を提供しています。
新型プレリュードは単なる懐かしいネームプレートの復活ではなく、電動化とスポーツドライビングの融合という新しい価値観を提示するモデルとして、自動車産業全体に大きな影響を与える可能性を秘めています。

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