新型ルーミー最大の目玉は、シリーズ式ハイブリッド「e-SMART HYBRID」の初搭載です。このシステムでは1.2L直列3気筒エンジン（発電専用）が最高出力60kW（82ps）を発揮する一方、駆動用モーターは最高出力78kW（106ps）、最大トルク170Nm（17.4kgm）を担当。従来のガソリン車では実現しにくい低速域からの力強いトルク特性により、発進・加速が電気自動車のようにスムーズかつ迅速に行われます。
ダイハツが設計・開発し、ライズやロッキーで実績を持つこの方式は、街中走行を想定した「小さなクルマに適したハイブリッド」として設計されています。信号待ちが多い市街地での走行や、子どもの送迎で頻繁な加減速が必要な日常使用シーンで真価を発揮。燃費性能はWLTCモード27.0km/L（2WD）と、現行ガソリン車の約16.8km/Lから大幅に向上し、年間走行距離が多いユーザーであれば年3～5万円の燃料費削減が期待できます。
さらに特筆すべきは静粛性です。エンジンが発電専用として動作するため、加速時にもエンジン音がほぼ気にならず、上質で快適な室内環境が実現。これまでコンパクトトールワゴンとしては実現しがたかった「高級ミニバンのような乗り心地」が、ルーミーで手に入る可能性があります。
エクステリアでは、フロントバンパーがより強調されたデザインとなり、大型ラジエーターグリルとDRL（デイタイムランニングライト）の「シグネチャーランプ」を採用することで、トヨタの最新デザイン言語が表現されます。アルファード風の上質感を備えつつ、ボディサイズは全長3,730mm（+30mm）、全幅1,670mm（+25mm）の微増にとどまるため、駐車場での扱いやすさは損なわれません。
インテリアについては、ノーマルモデルとカスタムモデルの2グレード構成を継続。カスタムモデルでは専用バンパー、メッキ加飾、高級感のあるシート設定により差別化が図られます。インパネデザインが刷新され、10.5インチスマホ連動ディスプレイオーディオが全車標準化される見込みで、SmartDeviceLink・Apple CarPlay・Android Auto対応により、スマートフォンとシームレスに連携。カーナビゲーションとスマートフォンを接続する「ダイハツコネクト」サービスも採用されることで、最新のコネクティッド機能が実装されます。
加えて、電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能の搭載により、停止時の利便性が向上。長時間の渋滞走行や坂道停車で運転手の疲労を軽減します。内装素材も質感を高めつつ、USB Type-Cポート追加により充電利便性が向上。静粛性向上素材の採用で、ロードノイズやエンジン音を低減し、快適で上質な室内環境が実現される予定です。
ダイハツの予防安全機能「次世代スマートアシスト」では、従来のレーザーレーダー+単眼カメラから、ステレオカメラへと進化します。この世界最小レベルのステレオカメラは、ドライバーの視界や頭上空間を妨げず、歩行者・先行車・障害物を的確に検知。衝突警報機能では対車両・対歩行者双方に対応し、時速50km/h以下での歩行者自動ブレーキ、時速80km/h以下での被害軽減ブレーキが機能します。
车线逸脱抑制制御では、ウインカーなしで車線からはみ出しそうになった際、ブザー音とメーター表示で警告するとともにステアリング操作をアシスト。先行車発進お知らせ機能により、信号待ちで先行車が発進したのに気づかないシーンでのドライバーの負担が軽減されます。前方・後方誤発進抑制制御機能は、前方4m・後方2～3m以内の障害物を検知した時のアクセル踏み込み時に出力を制限し、急発進を抑制。さらにオプションのスマートアシストプラスでは、全車速追従機能付ACCやレーンキープコントロール、スマートパノラマパーキングアシストが加わり、高速走行から駐車までの全領域でドライバーのストレスを軽減します。
新型ルーミーの価格は、装備充実と燃費向上により現行モデルより上昇する見込みで、ガソリンモデルが約175～205万円、ハイブリッドモデルが約205～235万円と予想されています。ハイブリッド仕様は約30万円のプレミアムが設定される可能性がありますが、WLTCモード27.0km/Lの燃費により年間約3～5万円の燃料費削減が可能で、6～8年程度の使用期間でコスト回収が十分見込めます。
エコカー減税・環境性能割の軽減対象となる可能性も高く、税負担面でのメリットも期待できます。一方、現行モデルはモデル末期に入り、在庫限りで10～20万円の値引き余地がある点、納期が早い点、装備と価格のバランスが優れている点がメリット。すぐに車が必要な場合や、年間走行距離が少ない使用パターンであれば、割安な現行モデルは検討価値があります。
コンパクトトールワゴン市場での主要なライバルはスズキ・ソリオとホンダ・フリードです。ソリオはマイルドハイブリッド搭載で燃費22.3km/L、価格帯180～220万円と経済的な選択肢として定評があり、後席の広さで定評があります。一方、フリードは3列シート対応で燃費20.8km/L、価格230～300万円と、より多くの乗車人数を想定した設計になっています。
新型ルーミーは、燃費性能でソリオを上回る27.0km/Lを達成し、安全装備の充実度ではフリードと同等以上を目指す配置となります。5ナンバーサイズを維持しながらも室内の広さに優れ、ハイブリッドシステムによる静粛性と加速感を備えた新型ルーミーは、「燃費・走行性・安全性・価格」の総合バランスでライバルを圧倒する可能性が高いと評価されています。特に、日常の通勤・送迎用途で「ちょうどいいクルマ」を求めるファミリー層には、新型ルーミーこそが最適な選択肢となり得るでしょう。
<参考リンク>
新型ルーミーのハイブリッド化やe-SMART HYBRIDシステムの詳細スペック、ステレオカメラを用いた予防安全機能の仕様が詳しく解説されています。
トヨタ 新型 ルーミー フルモデルチェンジ 初のハイブリッド「e-SMART HYBRID」
ダイハツの不正問題による開発遅延、2027年夏以降の発売予定、現行型との比較選択ポイントについて最新情報が網羅されています。
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