スズキ イーコ(EECO)は、インドのマルチ・スズキが2010年から販売している超コンパクトミニバンです。かつて日本で販売されていた「エブリイプラス」をベースに設計されており、エブリイプラスの販売終了後に生産拠点をインドに移して展開されています。
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ボディサイズは全長3675mm×全幅1475mm×全高1825mm(一部仕様は1930mm)で、ほぼ軽自動車サイズながら、2人乗り商用モデル、5人乗り乗用モデル、そして3列シートを備える7人乗りまでラインナップしています。2024年3月末時点で累計販売台数は119万台を突破しており、インド市場で絶大な支持を得ているモデルです。
参考)https://news.livedoor.com/article/detail/27816222
イーコには新世代Kシリーズの1.2リッター直列4気筒エンジンが搭載されており、ガソリン仕様では最高出力80ps、最大トルク104Nmを発揮します。トランスミッションは5速MTのみの設定で、駆動方式はFRとなっています。
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特筆すべきは圧縮天然ガス(CNG)仕様も選択可能な点です。CNG仕様では最高出力70ps、最大トルク108Nmとなり、インドで普及しているバイオガスインフラを活用できます。装備は非常にシンプルで、一部グレードではエアコンすら未設定という徹底したコストカット設計です。
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価格は53万2000ルピーから、日本円で約95万円からとなっており、7人乗りミニバンとしては驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。2025年1月時点での改良型の価格は51万ルピー(約87万円)からとさらに低価格化されています。
イーコのベースとなっているのは、日本で1999年から2005年に販売されていた4代目エブリイです。4代目エブリイのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1810mm(ワゴン仕様)でしたが、イーコは全長が約28cm延長され3675mmとなっています。
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この延長により、3列シート7人乗りという独特なパッケージングが可能になりました。7人乗り仕様では2列目シートの助手席側(インドは右ハンドルなので乗員から見て左側)が空いており、そのスペースから後席へアクセスできる「2+2+3」という独特のシート配置を採用しています。
また、インドの道路事情に合わせて最低地上高を高めに設定したため、車高も12cm高くなっています。エクステリアデザインは4代目エブリイの影響を色濃く残しており、シンプルで飾り気のない素朴なデザインが特徴です。
参考)https://news.livedoor.com/article/detail/28101244
現在、イーコは日本では販売されていませんが、SNS上では「日本でも販売してほしい」という声が多数見られます。「こういうので良いんだよ」「車体価格87万〜138万のミニバン、頼むから日本でも出してくれ」といったコメントが投稿されており、シンプルで実用的な設計と低価格が一部ユーザーのニーズに合っているようです。
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しかし、日本への導入には現在の安全基準や排ガス規制をクリアする必要があり、実現は簡単ではありません。先進運転支援システムやエアバッグなど、日本の保安基準を満たすための追加装備が必要となり、価格上昇は避けられないでしょう。
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スズキは過去にインド産の「バレーノ」を逆輸入した実績があります。2016年に発売されたバレーノはインドで生産し日本に逆輸入する同社初のモデルで、鈴木修会長(当時)は「インド産の品質は国産に追いついた」と自信を示していました。この成功事例があることから、イーコの逆輸入も技術的には不可能ではないと考えられます。
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仮にイーコを個人で逆輸入する場合、いくつかの方法があります。最も一般的なのは専門の輸入ディーラーや輸入代行業者を利用する方法です。専門ディーラーなら新車でも中古車でも探してもらうことができ、注文・輸出入の手続き・検査・保安基準に適合させるための整備などを一括して請け負ってくれます。
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個人輸入という選択肢もありますが、現地での買付、輸出手続き、輸送手配、日本での輸入通関、関税納付、保安基準適合作業、排出ガス検査、新規登録手続きなど、非常に煩雑な手続きが必要となります。特に現地言語能力が必須となり、相当な手間とコストがかかります。
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ただし、イーコはインド産のため輸入可能な車両の条件を満たさない可能性があります。基本的に北米、欧州で販売されている車両以外は、日本の国交省に許可された安全技術基準をクリアしていない項目が多く、それらをクリアするには莫大な費用がかかります。インドで販売されているイーコを登録しようとすると、最低でも数百万円以上の費用が必要になる可能性が高いでしょう。
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イーコが日本で正式に販売された場合、軽自動車とコンパクトミニバンの中間に位置する独自のポジションを確立できる可能性があります。現在、日本のコンパクトミニバン市場はトヨタ「シエンタ」(199万円〜)やホンダ「フリード」(250万円〜)が人気ですが、これらと比較してイーコははるかに低価格です。
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特に商用利用やアウトドア用途、車中泊ユーザーからの期待が高く、「FRで5速MTって運転楽しそう」「自分好みにデコレーションしたら楽しそう」といったカスタムベースとしての魅力も指摘されています。シンプルな設計は故障リスクの低減やメンテナンスコストの削減にもつながります。
また、スズキは2025年10月にホンダがインド産EVを逆輸入する方針を発表するなど、日本の自動車メーカーが製造コストの安いインドからの逆輸入を検討する動きが活発化しています。イーコについても、適切な改良を加えて日本市場に投入される可能性は完全には否定できません。
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ただし現実的には、現行のイーコをそのまま逆輸入するのは困難です。日本の安全基準と排ガス規制をクリアし、ユーザーが求める最低限の快適装備を追加すると、価格は大幅に上昇するでしょう。それでも200万円以下で7人乗りミニバンを実現できれば、一定の需要は見込めるかもしれません。スズキの今後の戦略に注目が集まります。

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