トヨタ自動車は2023年3月、コンパクトSUV「C-HR」の国内生産および販売を2023年7月下旬をもって終了すると公式サイトで発表しました。2016年末の発売から約7年という比較的短いモデルライフでの生産終了は、多くのファンに衝撃を与えました。C-HRはプリウスに続くTNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームを採用した第2弾モデルとして、トヨタの新時代を象徴する車種でした。
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発表のタイミングは年度末商戦の直前であり、在庫車の販売促進という側面も持ち合わせていました。生産終了の発表により、在庫車への問い合わせが急増し、最終モデルを求める顧客が販売店に殺到する事態となりました。この発表は単なる車種整理ではなく、トヨタのSUV戦略全体の大幅な見直しを示すものでした。
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C-HR生産終了の最大の理由は、国内需要の低迷です。2022年の国内販売台数はわずか1万4,977台に留まり、かつての勢いは完全に失われていました。これは、トヨタが近年力を入れている「ライズ」「ヤリスクロス」「カローラクロス」といった小型・中型SUVの販売が好調だったことが大きく影響しています。
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C-HRはスポーツ性能を重視した設計で、ニュルブルクリンクでの走行テストなどを通じて運動性能を磨き上げてきました。しかし、視界の狭さ、居住性の制約、積載量の少なさ、最低地上高の低さといった実用面での妥協が、日本市場では受け入れられませんでした。日本の消費者は、よりファミリーユース向けで実用性の高いSUVを求めていたのです。
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さらに、2023年の厳格な排ガス規制への対応も生産終了の背景にあります。環境規制の強化と電気自動車(EV)へのシフトが急速に進む中、従来型パワートレインのC-HRを継続生産するよりも、次世代モデルの開発に注力する判断が下されました。
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国内では生産終了となったC-HRですが、海外市場では依然として高い人気を誇っています。自動車産業情報プラットフォームのマークラインズによれば、2022年までにC-HRは世界40カ国以上で160万台以上を販売し、そのうち約8割が海外での売上でした。この数字は、C-HRが国際的には成功モデルであったことを明確に示しています。
2022年12月、トヨタモーターヨーロッパは2代目コンセプトモデル「C-HR prologue」を公開しました。この新型モデルは欧州ユーザーを念頭に置いて欧州で考案され、高電圧バッテリーユニットの組み立てを含めて欧州のみで生産されるとされています。2023年6月には正式に新型C-HRが欧州で世界初公開され、1.8リッターおよび2.0リッターハイブリッド、さらに2.0リッターPHEVをラインアップしています。
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米国市場でも、C-HRはEVモデルとして復活を遂げました。新型C-HR EVは、トヨタの電動化戦略における重要なマイルストーンとして位置づけられており、bZシリーズとともにBEV戦略を牽引する役割を担っています。欧州では2025年10月に完全電動SUV「C-HR+」も発表され、次世代EV戦略の象徴として注目を集めています。
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C-HR生産終了後、その役割を実質的に引き継いだのが「ヤリスクロス」と「カローラクロス」です。両車種はC-HRが目指したコンパクトSUVというカテゴリーで、より実用性と経済性を重視した設計となっています。
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ヤリスクロスは、C-HRよりもコンパクトなボディサイズ(全長4,180~4,200mm、全幅1,765mm、全高1,580~1,590mm)を持ち、軽量なTNGA GA-Bプラットフォームを採用しています。燃費性能に優れており、ガソリン車で最大19.8km/Lを達成しています。価格設定もライズとカローラクロスの中間に位置し、コストパフォーマンスに優れた選択肢となっています。
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一方、カローラクロスは全長4,490mm、全幅1,825mm、全高1,620mmとひと回り大きなボディを持ち、安定感重視のTNGA GA-Cプラットフォームを採用しています。2.0リッターエンジンを搭載し、燃費は16.6km/Lとなっています。後席足元空間や荷室容量がより広く、ファミリー層にとってはヤリスクロスよりも快適な選択肢です。
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C-HRが個性とスペシャリティ感を重視したのに対し、これら後継車種は実用性と汎用性を優先した設計となっており、日本市場のニーズにより適合しています。
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生産終了により新車の入手が困難となったC-HRですが、中古車市場では依然として一定の流通があります。中古車購入を検討する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
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まず、ハイブリッド車の場合、バッテリーの状態確認が最重要です。走行距離が10万kmを超えている車両は、メインバッテリーの交換が必要になる可能性があり、交換費用は10~20万円と高額になります。購入前にバッテリーの電圧を確認してもらい、長期間展示されていた車両は特に注意が必要です。
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グレード選びも重要な要素です。C-HRのグレード構成は比較的シンプルで、ベースグレードの「S」、装備充実の「G」、スポーティな「GR SPORT」の3系統に分かれています。ハイブリッド車とガソリンターボ車の両方が用意されており、ターボ車にはグレード名に「-T」が付きます。2022年追加の特別仕様車「G"Mode-Nero Safety Plus III"」は安全装備が強化されており、中古車としても人気が高いモデルです。
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リセールバリューについては、生産終了により希少価値が上昇しており、3年落ちの平均残価率は66.9%と良好な水準を維持しています。特に「G-T モード ネロ セーフティプラスⅢ」グレードは平均残価率80.75%と非常に高い数値を記録しています。在庫車を購入する場合、車種・グレード・カラーは選べず、オプション追加も不可能ですが、登録手続きを含めて2~3週間程度で納車されるメリットがあります。
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整備点検記録簿の有無も必ず確認しましょう。定期的なメンテナンス履歴が残っている車両は、コンディションが良好である可能性が高く、購入後のトラブルを避けることができます。タイヤの劣化状況もチェックポイントで、製造年月日を確認し、4年以上経過しているタイヤは交換を検討する必要があります。
参考:トヨタ公式 C-HR生産終了アーカイブ情報
トヨタC-HR生産終了って本当?特徴と中古車購入の注意点を徹底解説
参考:C-HRのリセールバリュー詳細データ
C-HRのリセールバリューが悪い?生産終了の影響や5年落ち中古車相場
参考:欧州新型C-HR公式情報
トヨタ、新型「C-HR」を欧州で世界初公開

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