マツダスピリットレーシング(MSR)ロードスターは、2025年10月4日に正式発表されたロードスターの高性能限定モデルです。マツダがスーパー耐久シリーズで培った技術を市販車に落とし込んだ、まさに「走る歓び」を追求した特別仕様車となっています。
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最大の特徴は、国内向けND型ロードスターのソフトトップモデルとして初めて2.0リッターガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」を搭載した点です。これまで2リッターエンジンはハードトップのRFモデルのみの設定でしたが、多くのオーナーからの要望に応える形で、ついにソフトトップにも搭載されることになりました。
参考)https://news.yahoo.co.jp/articles/9a97c98d0082f39fe2f045c28d014068834f9d2e
MSRロードスターには2つのグレードが用意されており、スタンダードモデルは最高出力184ps/7000rpm、最大トルク205Nm/4000rpmを発生します。一方、200台限定の「MSRロードスター12R」は、匠エンジニアによる手作業での組み込みが施され、最高出力200ps/7200rpm、最大トルク215Nm/4700rpmまでパワーアップしています。
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このモデルは、マツダのレース活動で得た知見を公道で楽しめる車として開発されており、サーキット走行も視野に入れた専用パーツが多数採用されています。スーパー耐久レース活動で鍛えた技術、パワートレインや車体の進化を反映し、内外装のアピアランス向上と合わせて「速さ」と「質感」に拘ったモデルとなっています。
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MSRロードスターに搭載される2.0リッター直列4気筒エンジンは、レース活動で培った技術が惜しみなく投入されています。スタンダードモデルの184馬力仕様でも、従来の1.5リッターモデルと比較して大幅なパワーアップを実現していますが、真の注目株は200台限定の12Rモデルです。
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12Rのエンジンは、スーパー耐久シリーズのST-Qクラスに参戦しているMSRのマシン「12号車」のチューニングをベースにしています。吸気ポートの形状変更と、匠エンジニアの手作業による吸気ポート内側研磨により、高回転域での伸びやかな加速を実現しています。
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エンジンヘッドカバーには手塗りの結晶塗装が施され、シリアルナンバープレートが与えられるなど、特別感も演出されています。さらに、フレッシュエアダクトの大型化やカム形状の変更、藤壺技研工業と共同開発したエキゾーストマニホールドを採用しており、4-2-1排気から4-1排気を実現しています。
酷暑下でのサーキット走行のようなハードユースを想定し、ラジエター容量の大型化や、トランスミッションのメインドライブギアへの固体被膜潤滑剤の塗布も実施されています。これにより、過酷な走行条件下でも安定したパフォーマンスを発揮できる耐久性を確保しています。
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また、12Rモデルではフライホイールをデュアルマスタイプからシングルマスタイプへと変更し、ダイレクトなトルク伝達と高負荷使用での耐久性を重視しています。スーパー耐久参戦マシンと同じ低抵抗のピストン&ピストンリングを採用し、ピストンリングにはDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)被膜を採用することで、低摩擦係数と高い硬度を両立しています。
車両重量は、スタンダードモデルが1070kg、12Rが1050kgと軽量に抑えられており、パワーウェイトレシオの優れた走りを実現しています。これは、アメリカ仕様のソフトトップ2リッターモデル(MX-5)の1073kgとほぼ同等の水準です。
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MSRロードスターの走行性能を支えるのは、専用設計された数々のパーツです。フロントブレーキには、ブレンボ製の対向4ピストンキャリパー(レッド塗装)とベンチレーテッドディスクを採用しており、制動力と耐フェード性が向上しています。高速域からのブレーキングでも安定した性能を発揮し、サーキット走行でも信頼性の高い制動力を提供します。
ホイールは、RAYS社と共同開発した17インチ専用鍛造アルミホイールを装備しています。鍛造ホイールの採用により、バネ下重量の軽減に成功し、サスペンションの追従性向上と燃費改善にも貢献しています。12Rモデルではさらに切削加工を施した専用ホイールが装着され、視覚的な特別感も演出されています。
参考)マツダ「href="https://kuruma-news.jp/post/930875" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/930875quot;新href="https://kuruma-news.jp/post/930875" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/930875quot;2ドアスポーツカー」まもなく登場! 初の「2リ…
サスペンションには、ビルシュタイン製の専用車高調が採用されており、減衰特性やバネレートがサーキット走行を考慮してセッティングされています。この結果、日常の快適な走行とサーキットでの高い走行性能が両立されています。高速域でも意のままに操れる気持ちよさを提供すべく、専用チューニングが施されています。
ストラットタワーバーも標準装備され、ボディ剛性が大幅に向上しています。12Rモデルではアルミ製タワーバーが採用され、さらなる剛性アップとともに軽量化も実現しています。この剛性向上により、コーナリング時の安定性が向上し、ドライバーの操作に対する応答性も向上しています。
外装には、新開発のエアロパーツとして、フロントスプリッター、リアリップスポイラー、リアバランスが装着され、空力性能の向上と視覚的なスポーティさを演出しています。12Rモデルでは専用ボディデカールも施され、ボディカラーは「エアログレー」で統一され、エアロパーツにも専用色のグレーが組み合わされています。
タイヤには、ヨコハマ「アドバン ネオバAD09」などのスポーツタイヤが推奨されており、グリップ性能の高さでサーキット走行をより楽しめる設定となっています。
参考)https://news.kakaku.com/prdnews/cd=kuruma/ctcd=7010/id=151966/
マツダ公式サイトでは、MSRロードスターの詳細な装備や技術情報が公開されています。
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER公式ページ
MSRロードスターの内装は、レーシングスピリットを感じさせる専用仕立てとなっています。インテリアは黒基調で統一され、シートベルト、ステアリングホイールのトップマーク、ステッチ、シートパイピングに赤いアクセントが施されています。
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ステアリングホイール、シフトノブ、パーキングブレーキレバーには、高級感と機能性を兼ね備えたアルカンターラ素材が採用されています。アルカンターラは、その優れたグリップ性と高級感から、多くのスーパーカーやレーシングカーに採用されている高機能素材です。手に吸い付くようなステアリングホイールの感触は、激しいコーナリング時でもしっかりとしたグリップを提供し、ドライバーに安心感を与えます。
さらにインパネやドアトリムなどにもアルカンターラが採用され、レース車両のようなスパルタンなムードと上質さを表現しています。こうした細部へのこだわりが、MSRロードスターを単なる「速いクルマ」ではなく、「所有する喜びを味わえる特別なクルマ」へと昇華させています。
シートはレカロ社との共同開発仕様となっており、スタンダードモデルではセミバケットタイプを採用しています。アルカンターラを張り、機能と質感を両立しており、ヘッドレスト部にはブランドロゴがエンボス加工されています。
一方、12Rモデルにはフルバケットシートが採用され、専用シート形状として快適性と操作性を両立しています。表皮素材はレカロ純正で使用されるカムイ素材が用いられ、質感・耐久性を確保しています。このフルバケットシートは、サーキット走行時に身体をしっかりとホールドし、正確なドライビング操作をサポートします。
12Rモデルのタコメーターには、200psを発揮する回転数に「▲」表示が追加されており、最高出力を引き出すポイントが一目で分かるようになっています。こうした細かな配慮も、レースで培った知見を活かした設計と言えるでしょう。
MSRロードスターは、見た目の美しさだけでなく、走る楽しさと信頼性を兼ね備えたモデルとなっています。内装の質感と機能性の両立により、日常使いからサーキット走行まで、あらゆるシーンで満足度の高いドライビング体験を提供します。
MSRロードスターの価格は、スタンダードモデルが526万5700円、200台限定の12Rモデルが761万2000円となっています。スタンダードモデルは2200台の限定販売で、先着順での販売となります。
参考)MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER|ス…
12Rモデルについては、より厳格な販売方法が採用されました。商談予約抽選の応募受け付けが、公式アプリ「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」内で2025年10月5日14時から10月20日23時59分までの期間で実施され、抽選結果は10月23日に申込者に伝えられました。
参考)【応募9500件超】マツダ「MSRロードスター12R」抽選結…
応募総数は9500件を超える大反響となり、200台の販売枠に対して約47.5倍の競争率となりました。これは、MSRロードスター12Rへの期待の高さと、マツダのスポーツカーへの熱い支持を示すものと言えるでしょう。
発売時期については、当初から2025年内とアナウンスされており、2026年1月上旬の発売が予定されています。マツダスカイプランも利用可能で、スタンダードモデルであれば残価設定型ローンを活用することができます。ただし、12Rモデルはマツダスカイプランの対象外となっています。
参考)2リッターエンジンを搭載したhref="https://kuruma-news.jp/ex/mazda/post/20626" target="_blank">https://kuruma-news.jp/ex/mazda/post/20626quot;特別なロードスターhref="https://kuruma-news.jp/ex/mazda/post/20626" target="_blank">https://kuruma-news.jp/ex/mazda/post/20626quot;「MSRロ…
購入後のカスタマイズにも注目です。マツダの販売店では、フジツボ製のチタンマフラー、ヨコハマ「アドバン ネオバAD09」スポーツタイヤ、ブレンボ製のブレーキセット(スリットローター&スポーツパッド)、レカロ製のフルバケットシート&サイドアダプター、「Sabelt」×「MAZDA SPIRIT RACING」のダブルブランドハーネス(4点式/6点式)など、さらなる性能向上を目指すアフターパーツが用意されています。
スタンダードモデルの526万円という価格設定は、2リッターエンジンや専用装備の内容を考えると、非常にお買い得な設定と評価されています。従来の1.5リッターモデルと比較しても、大幅なパフォーマンス向上が手に入ることを考えれば、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
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MSRロードスターの最大のライバルとして挙げられるのは、トヨタGR86とスバルBRZです。これらは水平対向エンジンを搭載したFRスポーツカーとして、ロードスターと同じく「走る歓び」を追求したモデルです。
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GR86/BRZは2.4リッター水平対向4気筒エンジンを搭載し、最高出力235ps、最大トルク250Nmを発生します。MSRロードスター12Rの200psと比較すると、カタログスペック上は上回っていますが、車両重量はGR86/BRZが約1270kgに対し、MSRロードスター12Rは1050kgと大幅に軽量です。このため、パワーウェイトレシオではMSRロードスター12Rが優位に立ちます。
最も大きな違いは、MSRロードスターがオープンカーである点です。GR86/BRZはクローズドボディのクーペであり、オープンエアでのドライビングを楽しめるのはロードスターだけの特権となります。この点は、スポーツカーとしての楽しみ方の方向性が大きく異なる要素です。
価格面では、GR86が279万9000円から、BRZが308万円からとなっており、MSRロードスターの526万5700円と比較すると、約200万円以上の価格差があります。ただし、MSRロードスターはレース由来の専用パーツや限定仕様であることを考慮すれば、この価格差にも納得できる内容となっています。
国産オープンスポーツカーとしては、ダイハツコペンやホンダS660も比較対象となりますが、これらは軽自動車規格であり、エンジン排気量や車格が大きく異なります。より本格的なスポーツ走行を楽しむのであれば、MSRロードスターの2リッターエンジンと専用チューニングされたシャシーが有利です。
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海外メーカーでは、アバルト124スパイダーがロードスターと同じプラットフォームを共有する直接的なライバルとなります。アバルト124スパイダーは1.4リッターターボエンジンを搭載し、異なる味付けのスポーツカーとして選択肢に入りますが、MSRロードスターの自然吸気2リッターエンジンのフィーリングとは異なる特性を持っています。
維持費の面では、ロードスターは比較的抑えられています。エンジンオイル交換は2000〜3000円程度、オイルフィルター交換も2000〜3000円程度と、DIYでのメンテナンスも容易です。点検費用もおおよそ8000円〜10000円ほどで、スポーツカーとしては経済的に維持できる部類に入ります。
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ロードスターの最大の強みは、現在の衝突安全基準をクリアしながらも、ライバル車よりも軽量な車体を実現している点です。この軽量性が、俊敏なハンドリングと優れた燃費性能を両立させており、唯一無二のライトウェイトスポーツカーとしての地位を確立しています。
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MSRロードスターは、こうした基本性能の高さに加えて、レース活動で培った技術を投入した特別仕様車として、より高いレベルのスポーツ走行を楽しめるモデルとなっています。サーキット走行を本格的に楽しみたいユーザーにとって、この上ない選択肢と言えるでしょう。

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