ビルシュタインのオーバーホールは、高品質なショックアブソーバーの性能を長期間維持するための重要なメンテナンス作業です。ドイツの高級ブランドとして知られるビルシュタインは、分解してパーツ交換が可能な構造になっており、適切なオーバーホールを実施することで新品時の性能を取り戻すことができます。
参考)ビルシュタインダンパーのオーバーホール
オーバーホールでは内部の摺動部品やオイル、損傷部品などを交換し、性能を回復させる作業を行います。一般的なショックアブソーバーは消耗品として交換するしかありませんが、ビルシュタインは何度でも再生可能な点が大きな特徴です。費用面でも新品を購入するより経済的で、長期的に見れば非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
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ビルシュタインのオーバーホール費用は、ダンパーのタイプや作業内容によって大きく異なります。減衰力固定式のB6、B8、B12、B14シリーズの基本オーバーホール工賃は1本あたり13,200円(税込)からとなっており、これにはストローク変更も含まれています。減衰力の変更やセッティング変更を含む場合は、1本あたり18,700円(税込)からとなります。
参考)BLSTEIN ビルシュタイン オーバーホール
より高度な調整式ダンパーの場合、費用は上昇します。EB9やPSS10(B16)などの減衰力調整式タイプでは、基本オーバーホールが1本18,700円から、セッティング変更を含むと26,400円からとなっています。フェラーリなどの純正採用調整式ビルシュタインの場合、24,300円からとさらに高額になります。
参考)メンテナンス
追加作業が必要な場合は別途費用が発生します。ピストンロッドに傷がある場合の交換費用は固定式で7,700円、調整式では23,540円となります。再塗装はストラットタイプで4,950円から、その他のタイプで3,850円からです。下側目玉ブッシュ交換やバンプラバー交換も必要に応じて実施され、それぞれ追加費用がかかります。
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ショックアブソーバーの交換時期を見極めることは、安全で快適なドライブのために非常に重要です。ビルシュタインを含むショックアブソーバーは、一般的に走行距離2万kmを超えたあたりから性能低下が始まり、5〜6万kmで劣化症状が目立ち始めます。10万kmを過ぎると、ほとんどのショックが減衰力を十分に発揮できなくなると言われています。
参考)ショックアブソーバーオーバーホール
具体的な劣化症状としては、以下のようなサインが現れます。整地されていない道路で「ゴトゴト」という音が聞こえる、タイヤ交換時にショック周りにオイル漏れが見られる、高速道路で「フワー」と車体が傾き安定感がない、といった現象が確認されたら交換時期のサインです。特にオイル漏れは明らかな不具合のサインで、シールの劣化が原因となっています。
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競技車両やサーキット走行を行う場合は、一般走行よりも早いタイミングでのオーバーホールが推奨されます。ビルシュタインの純正装着車の場合、メーカーによっては3万5千km程度で交換したという事例もあれば、2万kmでヘタったという報告もあり、使用状況によって大きく変わります。定期的な点検を行い、早めのメンテナンスを心がけることで、常に最高のパフォーマンスを維持できます。
参考)『レガシィの純正ビルシュタインショックアブソーバーの寿命..…
ビルシュタインのオーバーホールを依頼する際の手順は、比較的シンプルですが、いくつかの重要なポイントがあります。まず、ショックアブソーバーを車両から取り外す必要がありますが、アッパーマウント、スプリング、ロアシート、バンプラバーなどのアウターパーツは取り外した状態で送付します。自分で脱着できない場合は、整備工場に依頼することになり、脱着とアライメント調整を含めて38,880円からの工賃が別途必要です。
参考)TEIN.co.jp: オーバーホール・仕様変更について -…
エナペタルなど正規のビルシュタインサービスセンター(BSC)に送付する前に、メールや電話で事前相談することをおすすめします。どのような仕様にしたいか、セッティング変更の有無、使用用途などを伝えることで、より正確な見積もりが得られます。エナペタルは2003年にドイツビルシュタイン本社から正規公認サービスセンターに指定された信頼性の高い専門業者です。
参考)エナペタルを知る
納期については、通常の内容であれば発送から1週間程度で戻ってくることが多いですが、全体では10日から15日程度を見込んでおくと良いでしょう。ただし、混雑期には1ヶ月以上かかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールで依頼することが大切です。車を預ける必要がある場合は、代車の手配も事前に確認しておきましょう。
参考)https://ameblo.jp/muro-gnomise/entry-12081162697.html
ビルシュタインのオーバーホールには、新品購入と比較して多くのメリットがあります。最も大きなメリットは、コストパフォーマンスの高さです。例えばビルシュタインB12を新品で購入すると4本セットで相当な金額になりますが、オーバーホールであれば基本工賃4本分で48,000円(税別)から対応可能です。セッティング変更を含めても68,000円(税別)と、新品購入の半額以下で済むケースが多くあります。
性能面でも大きな利点があります。オーバーホールでは単に元の性能に戻すだけでなく、使用用途や好みに応じて減衰力を変更することも可能です。500種類以上あると言われる減衰プレート(ワッシャー)の組み合わせにより、セッティングを自由自在に変えられるのがビルシュタインの特徴で、エナペタルなどの専門業者では過去の膨大なデータから最適な減衰力特性を導き出してくれます。
参考)ビルシュタイン車高調 オーバーホール&インプレ: 自動車情…
環境面や愛車への愛着という観点でも価値があります。長年使用してきたショックアブソーバーを再生することで、使い慣れたフィーリングを維持しながら性能を回復できます。また、廃盤になった旧車用のビルシュタインでも、シェルケースが錆びていても再使用できる範囲であればブラストをかけて再塗装することで蘇らせることができます。これにより、入手困難な往年の名車用パーツも使い続けることが可能になります。
オーバーホール後のビルシュタインは、驚くほど乗り心地が改善されます。多くのユーザーが報告しているのは、異音の消失と乗り心地の向上です。劣化したショックアブソーバーから発生していた「ゴトゴト」という異音がなくなり、スムーズで静かな走りが戻ってきます。これは内部のメタルやシャフトの交換、新しいオイルの充填により、本来の減衰力が回復するためです。
減衰力のコントロール性能も劇的に向上します。ヘタったショックアブソーバーでは、路面からの衝撃を十分に吸収できず、車体が大きく揺れたり、ロールが大きくなったりしていましたが、オーバーホール後は新品時のようなしっかりとした減衰力が戻ります。高速道路での安定性も向上し、カーブでの車体の傾きが適切にコントロールされるようになります。
参考)ショックアブソーバーの寿命はいつなのか?
セッティング変更を依頼した場合は、さらに個々のニーズに合った乗り味を実現できます。街乗り中心のユーザーであれば、より快適な乗り心地に、サーキット走行をするユーザーであれば、よりスポーティな減衰特性にカスタマイズすることが可能です。エナペタルなどの専門業者では、ドライバーの走行スタイルや好みを詳しくヒアリングし、500種類以上の減衰プレートの組み合わせから最適なセッティングを提案してくれます。
参考)商品情報
エナペタル公式サイトのメンテナンス料金表
ビルシュタインの正規サービスセンターであるエナペタルの詳細な料金表と作業内容が確認できます。
CB365のビルシュタインオーバーホール解説
ビルシュタインのオーバーホールに関する詳しい作業内容と料金の目安が掲載されています。