メルセデスベンツGLCのガソリンエンジンラインナップは、2.0L直列4気筒ターボエンジンを基本としています。GLC 250 4MATICは最高出力211PS(155kW)、最大トルク350Nmを発生し、5,500rpmでのピークパワー発揮が特徴です。この2.0Lターボエンジンは、日本国内の道路事情に適した出力バランスを実現しており、日常の快適性と走行性能を両立させています。
エンジン配置はフロント縦置きで、トランスミッションは9速オートマティック「9G-TRONIC」を採用。低回転域から力強い加速が得られるターボエンジンの特性を活かしながら、多段階ギアボックスによって優れた燃費性能も確保しています。駆動方式のGLC 250 4MATICは4輪駆動の4MATICを採用し、悪天候時や悪路での走行安定性を高めています。
JC08モード燃費は13.4km/Lとなっており、同クラスのSUVとしては良好な燃費値です。無鉛プレミアムガソリンの使用が指定されており、高オクタン価のガソリンとの組み合わせにより、エンジン本来の性能が引き出される仕様になっています。
ガソリンエンジンモデルは新車販売価格で628万円から745万円の価格帯に位置し、メルセデスベンツのSUVシリーズの中では比較的アクセスしやすい価格設定となっています。
GLC 220d 4MATICは、クリーンディーゼル技術を採用した2.2Lまたは2.0L直列4気筒ブルーテックエンジンを搭載しています。最新型では2.0Lクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジン「OM654M」が採用され、197馬力(145kW)、440N・m(最大トルク)を発生します。
ディーゼルエンジンの最大の特徴は、低回転域からの高トルク特性にあります。特にSUVのような重量のある車体には、このトルク特性が優れた動力性能を発揮します。加速性能だけでなく、坂道走行やトレーラー牽引時の力強さも際立っています。
エンジンとトランスミッションの間には、マイルドハイブリッドシステムのISGが配置されており、短時間で最大23馬力(17kW)、205N・mのブーストが可能となっています。このシステムにより、加速時の応答性がさらに向上し、停止・発進時の燃費改善も実現しています。
ディーゼルエンジンは燃料単価の安さと優れた燃費性能で知られていますが、長距離ドライブが多いユーザーや、年間走行距離が長いユーザーにとって特に経済的なメリットが大きいのです。ディーゼルエンジンの耐久性も高く、適切なメンテナンスを行えば長期間の使用に耐えられます。
GLC 350e 4MATIC Sportsは、ハイブリッド技術を先駆的に採用したプレミアムSUVです。2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンに高出力電気モーターを組み合わせたシステムで、システム全体の出力は320PS(235kW)を誇ります。電気モーター単体では最高出力116PS(85kW)、最大トルク340Nmを発生し、ブースト機能も併せ持つ高出力設計です。
このプラグインハイブリッドシステムの最大のメリットは、ガソリンエンジンとEV走行の使い分けが可能な点です。ドライブの最初の短距離区間では電気モーターのみで走行し、ガソリン代を節約できます。高速道路では効率的なハイブリッド走行に切り替わり、長距離ドライブでも電力切れの心配がありません。
バッテリー容量は6.1kWhで、定格出力80kW、最高出力150kW(10秒間)を発揮します。EV走行可能距離は16kmを確保しており、通勤距離が比較的短い場合はガソリンを使わずに移動できる可能性があります。
最新型のGLC 63 S E PERFORMANCEでは、さらに高度なハイブリッド技術が搭載されており、フロント2.0Lターボエンジンにリアに配置されたバッテリーとモーターを組み合わせた革新的なレイアウトを採用しています。0-100km/h加速は3.5秒という驚異的な性能を実現しており、エコと走行性能の両立を新次元で実現しています。
メルセデスベンツGLCに搭載される最新の安全装備は、上位のSクラスに採用されているシステムの直系です。前方カメラとミリ波レーダーを組み合わせた検知システムが、衝突の危険性を検出すると自動で緊急ブレーキが作動する衝突被害軽減システムが装備されています。
歩行者検知機能は、道路を横切る歩行者だけでなく、横向き歩行も認識可能な高度なアルゴリズムが用いられています。このシステムにより、夜間の見通しが悪い条件下でも検知精度が保たれており、予期しない歩行者の飛び出しに対応できます。
ディストロニックプラスは、アダプティブクルーズコントロール機能を備えており、設定した速度と前方車両との距離を自動的に保ちながら走行します。渋滞時の短距離区間では自動追従走行が可能で、ドライバーの疲労を大幅に軽減します。
ブラインドスポットアシストは、後方45度の死角エリアに車両が存在する場合、サイドミラー内のLEDインジケーターが点灯して危険を通知します。車線変更時に無意識的に死角内の車両へ接近しようとすると、ハンドル振動で警告し、重大事故の防止に貢献します。
レーンキープアシストは、不注意による車線逸脱を防止するシステムです。白線認識により、車線から外れそうになると自動で適切なハンドル操作を行い、走行車線内への復帰をサポートします。高速道路での長時間運転時に特に活躍するこの機能は、重大事故のリスク低減に有効です。
実際のGLCオーナーからは、高級感と実用性の両立に対する高い評価が寄せられています。中古車市場での口コミでは「高級感、上質感は外装、内装含めて申し分ない」という評価が多く、所有満足度の高さが際立っています。
実購入者からは、「大きな出費は厳しいが好きな車に乗りたい」というニーズに対して、新車ほどの負担を掛けずにプレミアムSUVを手に入れられるメリットが指摘されています。中古車市場では初代GLCが比較的手頃な価格で流通しており、数年前のモデルでも質感や走行性能が損なわれていないという点が評価されています。
安全装備の充実に対する評価も高く、「安全装備が充実していて運転が楽」というコメントが複数確認されています。特にディストロニックプラスやブラインドスポットアシストといった先進運転支援システムは、長距離運転時の疲労軽減に顕著な効果を発揮するとの評価です。
一方で、ボディサイズの大きさに関しては「気を遣うサイズ」という現実的な指摘もあります。全長4,660mm、全幅1,890mmというサイズは、狭い駐車場や入り組んだ路地では取り回しに注意が必要です。ただし最小回転半径が5.7mと意外にコンパクトなため、実際の操作性は想定以上に良いという評価も複数報告されています。
ディーゼルエンジン搭載車に関しては、「パワー不足」という声もありますが、これは主観的な評価であり、実際には低回転域から高トルクが得られるディーゼルエンジンの特性により、実用上は十分な加速性能を備えています。むしろ、燃料コストと燃費性能のバランスで、長期保有時の経済性が優れているという評価が支配的です。
BMW X3との競合では、GLCは「隙のないSUV」として位置づけられています。X3はスポーティな走行性能に重点を置いているのに対し、GLCはメルセデス・ベンツ伝統の上質感とエレガントなデザイン性を優先する車作りの哲学が異なります。全長4,670mmと4,720mmでほぼ同等ですが、GLCの方が低い重心設計により安定した走行フィールを実現しています。
アウディQ5との比較では、GLCはワイド感と安定感が強調されるメルセデスデザインに対し、Q5は落ち着きのある控えめな高級感を演出しているという違いがあります。新車販売価格でもGLCの628万円に対しQ5は657万円と、GLCの方がエントリー価格が低く設定されています。
レクサスNXとの対比では、GLCの方がボディサイズに余裕があり、居住性と積載性で優位性を持ちます。NXはコンパクトさを武器としており、都会的な使い方に適しています。一方GLCは、日本国内での利便性と国際的なプレミアムブランドとしてのステータス性を両立させた選択肢として機能しています。
レンジローバー・イヴォークとの比較では、ボディサイズと価格帯がほぼ同等ですが、レンジローバーはオフロード走破性に特化した傾向があるのに対し、GLCはオンロード中心の設計となっています。一般的なユーザーにとっては、GLCの方が日常的な運転シーンに最適化されているといえます。
2025年モデルの新型GLCは、先代モデルから大幅な進化を遂げています。最新安全装備の進化が最も顕著であり、Sクラスに搭載される最新型の検知システムが採用されています。新型では2024年2月に追加されたMercedes-AMG GLC 43とGLC 63 S E PERFORMANCEが特に注目されます。
GLC 43には、F1由来の新技術を採用した直列4気筒エンジンM139型にエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーが装備されました。これにより低回転域からの応答性が飛躍的に向上しており、従来のNAエンジンでは実現不可能な特性を獲得しています。
また、新型GLC 43にはBSG(ベルト駆動スターター・ジェネレーター)が搭載され、48V電気システムの中でマイルドハイブリッドとしても機能します。このシステムにより、ガソリン車でありながらハイブリッド的な燃費改善効果が得られるという革新的なアプローチが採用されています。
新型GLC 220d 4MATIC コアは、戦略的な価格設定の新グレードとして2024年以降展開されており、必要な装備を厳選することで購入価格を抑えた選択肢が提供されています。これにより、プレミアムSUVの購入ハードルがさらに低くなり、より多くのユーザーがGLCの世界に入る可能性が広がっています。
新型では、インテリアデザインも更新され、最新のインフォテインメントシステムが搭載されています。大型タッチスクリーンやApple CarPlayの統合など、デジタル時代に対応した使いやすさが実現されており、旧型との差別化が明確になっています。
参考情報:GLCのスペックとモデルバリエーションについては、メルセデス・ベンツ公式サイトおよび正規ディーラーで最新情報が提供されています。中古車市場での相場情報も定期的に更新されており、購入時期の検討に有用です。
メルセデス・ベンツ公式:GLC概要ページ
GLC中古車の市場相場と選び方については、大手中古車サイトで詳細な在庫情報と価格推移データが公開されており、購入検討時の参考資料として活用できます。
カーセンサー:GLC中古車検索
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