無鉛プレミアムガソリンとはハイオクの正式名称で高性能エンジン向け燃料

無鉛プレミアムガソリンとは何か、レギュラーガソリンとの違いやオクタン価の仕組み、指定車種への影響まで詳しく解説します。あなたの車に最適なガソリンはどちらですか?

無鉛プレミアムガソリンとは

無鉛プレミアムガソリンの基本知識
ハイオクガソリンの正式名称

鉛を含まない高品質ガソリンで、オクタン価96以上の燃料として規定されています

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高性能エンジン専用設計

高圧縮比エンジンや輸入車、スポーツカーなどに適合する燃料です

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洗浄添加剤配合

エンジン内部を清潔に保つ特殊な添加剤が含まれています

無鉛プレミアムガソリンとは何か

 

無鉛プレミアムガソリンとは、鉛を含まない高品質なガソリンのことで、一般的には「ハイオクガソリン」として広く認識されている燃料です。この名称は1970年代以前に主流だった有鉛ガソリンとの対比から生まれました。当時、有鉛ガソリンにはエンジン性能を補助するための鉛化合物が含まれていましたが、猛毒物質であるテトラエチル鉛などを含むため、健康や環境への影響が大きく、現在では全世界で規制されています。
参考)無鉛プレミアムガソリンとは?ハイオクやレギュラーとはどう違う…

日本工業規格(JIS)によると、オクタン価が96以上と定められているのが無鉛プレミアムガソリンの特徴です。オクタン価とは、ガソリンがエンジン内で自己着火しにくさ、ノッキングの起こりにくさを示す数値で、100に近いほど異常燃焼を起こしにくいとされています。つまり無鉛プレミアムガソリンは異常燃焼しにくい高品質なガソリンなのです。
参考)ガソリン選びの基礎知識!レギュラーとハイオクの違いを徹底解説…

この燃料には排出ガスの過多による環境汚染の対策として、燃焼室内を清掃するための洗浄剤や添加剤などが含まれている点も大きな特徴です。これらの添加剤は燃料系統やエンジン内部の汚れを取り除き、エンジンの燃焼効率を改善する効果があります。
参考)ハイオク車における燃料添加剤(洗浄剤)の効果と使用方法 - …

無鉛プレミアムガソリンとレギュラーの違い

無鉛プレミアムガソリンと無鉛レギュラーガソリンの最も大きな違いは「オクタン価」にあります。オクタン価が89以上のガソリンを「レギュラー」とし、96以上のガソリンを「ハイオク」と日本工業規格で定めており、この数字が高いほど燃えにくく発火しづらいということになります。
参考)ハイオクの「オク」! ガソリンの「オクタン価」って何?

無鉛レギュラーガソリンは鉛を含まないガソリンのことで、ハイオクガソリンと比べると安価に購入できる点がメリットです。国内では無鉛レギュラーガソリンを燃料にしている車が多く流通しており、2024年現在はエンジン技術の向上から、オクタン価が低いガソリンを入れても不具合が発生することは多くありません。​
価格面では、2025年2月現在の全国平均価格でレギュラーが172円/L、ハイオクが183円/Lと、ハイオクガソリンはレギュラーと比較して平均で11円/L(約6.4%)高価です。この価格差は過去5年間、概ね5〜7%の範囲で推移しています。2025年10月時点ではハイオクの全国平均価格は185.3円/Lとなっています。
参考)【2025年最新】平均ガソリン価格とリッターあたりのコスト計…

性能面では、無鉛プレミアムガソリンは高圧縮比エンジンでの燃焼効率が良くなり、燃焼室内の洗浄性能を高める添加剤が含まれているため、エンジン内部を清潔に保つ作用も期待できます。しかし、レギュラー仕様の車に無鉛プレミアムガソリンを入れても燃費や出力が大きく改善するケースはまれです。
参考)ガソリンの無鉛プレミアム指定車の注意点とは

無鉛プレミアムガソリンのオクタン価の仕組み

オクタン価とは、燃料のノッキングのしにくさ(アンチノック性)を示す尺度で、この値が高いほどノッキングを起こしにくいガソリンになります。ノッキングとは、ガソリンと空気の混合気に点火して正常火炎に伝播する前に高温により末端の未燃焼混合気に自己着火してしまう現象のことです。
参考)高オクタン価ガソリン - Wikipedia

オクタン価は自己着火しにくい「イソオクタン」と自己着火しやすい「ノルマルヘプタン」の混合比(容積比)で表されます。オクタン価が高いガソリンほど自己着火しにくいガソリンとなり、ハイオクはオクタン価100に近い値を持ちます。一方、レギュラーのオクタン価90はヘルマルヘプタンが少し入っているという状態です。
参考)日本のレギュラーはイレギュラー ~オクタン価の話~ - バイ…

エンジンの性能(圧縮比)を上げていく際に問題となるノッキング(自己着火)を回避するため、一部の高性能車がハイオク仕様となります。ノッキングというのは燃焼行程で燃料がプラグからの火を待たずに勝手に燃え始める現象で、エンジン開発はノッキングとの闘いとも言われるほど厄介です。ノッキングを起こすとパワーダウンとなり、高負荷時に起こるとエンジンブローする可能性もあります。​
ハイオク仕様というのは自己着火しにくいハイオク燃料を前提にすることでノッキングのボーダーラインを引き上げるためであり、それにより性能(圧縮比)が上がるわけです。自動車の性能向上によりノックセンサーによって点火時期を制御するシステムが搭載されるようになり、ノッキング自体は回避できるようになりましたが、オクタン価が高いガソリンを使用することで車両本来の性能を引き出す利点があります。​

無鉛プレミアムガソリン指定車への影響

無鉛プレミアムガソリン指定車に誤ってレギュラーを入れた場合でも、車がすぐに故障するわけではありません。一度だけであれば深刻なダメージにつながることはほとんどなく、焦ってガソリンを指定油種に入れ直す必要はなく、次回の給油時に燃料を間違わなければ特に支障が出ることはないでしょう。
参考)ハイオク車にレギュラーはNG?誤給油の影響と対処法を徹底解説…

しかし、ハイオク車にレギュラーを入れ続けると本来の走行性能や燃費効率を発揮できません。加えて、レギュラーはオクタン価が低いことでエンジンにかかる負担も大きくなってしまいます。現在のエンジンの多くはハイオク推奨(レギュラーも使用可能)エンジンとなっており、最高出力や燃費のためにハイオク使用を推奨していますが、レギュラー使用時には制御を切り換える仕様になっています。
参考)ハイオクとレギュラーを混ぜると危険?指定ではないガソリンを給…

一方で、レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れた場合はまったく問題なく走行できます。エンジンがレギュラーガソリン仕様になっているところへハイオクを入れても支障はありませんが、指定燃料がレギュラーの場合はレギュラーで最高のパフォーマンスを発揮できるように製造されているため、ハイオクを入れても特に効果は変わりません。
参考)ハイオクとレギュラーを混ぜるとどうなる?車に与える影響は?

ガソリン車に軽油を入れてしまうと燃料の入れ替えや燃料配管の洗浄が必要となり、エンジンが壊れて高額修理になるケースもあるため、十分な注意が必要です。
参考)https://www.hondacars-sensyu.com/showroom/blog08.html?number=001456

無鉛プレミアムガソリンの添加剤効果

無鉛プレミアムガソリンには、燃料系統やエンジン内部の汚れを取り除くための洗浄剤が添加されています。長期間使用していると、燃料タンクやインジェクター、燃焼室に汚れやカーボンが蓄積されることがあり、これらの汚れが原因でエンジン性能が低下することがあります。特にハイオク車は高性能なエンジンを搭載しているため、定期的なメンテナンスが必要となります。​
ハイオクの洗浄剤については、オクタン値が高くなると燃焼時に燃えカスであるカーボンがつきやすくなるため、それを抑えるために洗浄剤を入れているというのが実情です。洗浄効果のある添加剤については、使わないよりはマシ程度で、カーボンがつく程度が少し少なくなる程度とされています。
参考)https://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=5547011/

市販の燃料添加剤(洗浄剤)は、燃料系統の汚れを洗浄し、エンジンの燃焼効率を改善する効果があります。しかし、実際の効果については、カーボンの蓄積を抑制する程度という評価もあり、劇的な性能向上は期待できないかもしれません。それでも、エンジン内部を清潔に保つという意味では一定の効果が期待できます。​

無鉛ガソリンの歴史と環境への配慮

有鉛ガソリンで走る自動車が登場するきっかけになったのは、アメリカの自動車大手・ゼネラルモーターズ(GM)が1921年12月にテトラエチル鉛を混ぜたガソリンのテストをしたところ、エンジンの出力が上がり音も静かになったことです。この発見が大きな利益になると見込んだGMは、テトラエチル鉛を添加したガソリンを「エチル」と名付けて自動車燃料として売り出しました。
参考)「有鉛ガソリン」規制までの長い戦いの歴史 - GIGAZIN…

しかし有鉛ガソリンは猛毒物質であるテトラエチル鉛などを含むため、健康や環境への影響が大きかったのです。マスメディアや科学者と自動車産業は1世紀近くにわたって争いを繰り広げ、最終的に現在では日本を含めた全世界で規制されています。​
無鉛という言葉は、この有鉛ガソリンとの対比から生まれました。1970年代以前に主流だった有鉛ガソリンにはエンジン性能を補助するための鉛化合物が含まれていましたが、現在ではすべてのガソリンが無鉛となっています。この変化は環境保護と人体への健康被害防止という観点から、非常に重要な進歩でした。​
現代の無鉛ガソリンは、鉛を使わずにエンジン性能を維持するために、様々な添加剤や精製技術が開発されてきた結果です。特に無鉛プレミアムガソリンは、環境への配慮と高性能エンジンの要求を両立させた燃料として、現代の自動車社会に不可欠な存在となっています。​

 

 


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