スバル・アセントは、2018年から北米市場で販売されているミッドサイズSUVで、スバル市販車史上最大のサイズを誇ります。全長4,998mm、全幅1,930mm、全高1,819mmというボディは、ミニバンのトヨタ・アルファードと同等のサイズながら、トランスミッションはCVT(無段変速機)で、3列シートの7人乗りまたは8人乗りの設定があります。北米市場専用車として開発されたこの車両は、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用し、ファミリーユーザーを主要ターゲットに設計されました。日本では正規販売されていませんが、並行輸入により一部ユーザーに評価されています。
特筆すべき点は、スバルが北米のトライベッカ後継として開発した新型SUVという立場です。トライベッカは2014年に販売不振で生産終了となりましたが、アセントはその失敗を教訓に、ファミリーニーズに合わせた実用的な機能と安全装備を備えるなど、完全に異なるアプローチで市場に投入されました。米国道路安全保険協会(IIHS)の「トップセイフティピック」を複数年受賞するなど、北米でのミッドサイズSUV部門で高い評価を獲得しています。
アセントに搭載される新開発の2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジン(FA24 TDI)は、最大出力263PS/5,600rpmと最大トルク38.3kgm/2,000~4,800rpmを発揮します。2トンを超える車体を軽々と駆動させる力強さがありながら、CVT制御の効果により、低速域からトルクフルな特性を活かした扱いやすい走りが実現しています。実際の試乗データでは、市街地と高速道路を混合で走行した場合、実燃費は約11~12km/L程度という報告があります。
トランスミッションは8段階のマニュアルモード機能付きリニアトロニックCVTで、ステアリングホイール用パドルシフターにより、ドライバーが意図的にギア段を選択可能です。この機構により、3,500cc以上の排気量が必要な走行シーンでも、4気筒エンジンながら対応できるという特徴があります。スバルのシンメトリカルAWD(全輪駆動)とX-MODEの組み合わせにより、雪道や悪路でも安定した走行性能を発揮し、ヒルディセントコントロール機能により、急な下り坂での安全な走行もサポートします。
走りの味付けは「重厚」と表現されることが多く、単なるアメリカ向けの「大味な車」ではなく、スバル独特のスポーティさと精緻さを両立させた設計となっています。フットワークは穏やかな特性ながら、ステアリング操作に対して忠実で、前後バランスが優れ、ロールコントロールも優秀です。これは新型レヴォーグと共有するスバルグローバルプラットフォームの能力が存分に活かされた結果です。
全モデルに標準装備されるスバルの運転支援システム「アイサイト」は、バージョン3搭載で、プリクラッシュブレーキシステム、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシストなどを備えています。2023年モデルではさらに広角単眼カメラが追加され、検出精度が大幅に向上しました。
2024年以降のモデルでは、新たに「自動緊急停止支援機能」が全車標準装備されました。この革新的な機能は、アダプティブクルーズコントロール作動中にドライバーが反応しない場合、車両を自動停止させ、ハザードランプを点灯し、ドアを解錠した上で、SUBARU STARLINK コネクテッド サービスが緊急通報を行うというものです。これにより、運転者の急病時対応が可能になる業界先進の安全機能です。
その他の先進安全装備には、ブラインドスポット検出機能、レーンチェンジアシスト、自動緊急ステアリング、リアクロストラフィックアラート、リバース自動ブレーキが含まれます。さらに2023年モデル以降、360度カメラシステム「サラウンドビューモニター」が装備され、駐車時の視認性が飛躍的に向上しました。IIHS(米国道路安全保険協会)の衝突試験において、正面衝突・側面衝突で満点を獲得するなど、実績に基づいた高い安全性を証明しています。
アセントのインテリアは、グレード展開によって大きく異なります。カナダ仕様の場合、リミテッドとプレミアという2つの上位グレードが存在し、プレミアは2列目をキャプテンシート(独立型座席)のみの設定としているため、最大乗車定員は7人となります。一方、リミテッドは8人乗りがベースで、オプションで7人乗りを選択可能です。
驚くべき装備として、全グレードで合計19個のカップホルダーが配置されています。これはファミリーユースの快適性を最優先に考えた設計であり、長距離ドライブや家族との移動時に実用的な配慮がされています。プレミアグレードでは、シートトリムに高級感のある木目調加工が施され、ナッパレザー仕様のパワーベンチレーション機能付きフロントシート、本革巻きのヒーテッド・ステアリングホイールが装備されます。センターコンソールには11.6インチの大型インフォメーションディスプレイが配置され、マルチメディア、空調制御、X-MODE設定が一括管理可能です。
シートベンチレーション機能はプレミアのみの装備となり、ハンドルヒーターはリミテッドとプレミアの2グレードに限定されます。インテリアカラーはリミテッドではブラックまたはアイボリーのツートーンから選択可能ですが、プレミアはブラウンを基調としながらアイボリーのアクセントが施される高級感のある仕様となっています。
アセントはアメリカ仕様とカナダ仕様で異なるグレード設定を持つため、並行輸入時の選択肢は限定されます。カナダ仕様の場合、グレードは下から「コンビニエンス」「ツーリング」「リミテッド」「プレミア」という4段階で、各グレードがすでに必要装備を備えた完成型となっています。一方、アメリカ仕様は「アセント」「プレミアム」「リミテッド」「ツーリング」という構成で、各グレードからさらにオプションで追加装備を選択するシステムです。カナダ仕様の方が日本の市場では多く流通しており、価格面でも有利な傾向にあります。
2023年モデルではマイナーチェンジが実施され、フロントグリルが大型化し、LEDヘッドライトのデザインが変更されました。さらに2024年以降では「オニキス エディション ツーリング」という限定グレードが登場し、黒のナッパレザー仕様フロントシート、グリーンステッチが入った高級レザー巻きステアリングホイールなど、専用装備が追加されています。2026年モデルでは新色「サファイアブルーパール」が導入される予定で、グレード構成も簡素化されながら内装の質感向上が図られる方向性が示されています。北米での販売実績では、2018年の初年度36,211台から2019年には81,958台へ大幅増加し、その後も年間6~7万台の安定供給が続いており、在庫確保の観点からもカナダ仕様リミテッド以上が比較的入手しやすいグレードとなっています。
本場北米でのスバル・アセント評価について詳しく知りたい場合は、以下のリンクが参考になります。
スバルアセント徹底解説|北米での高評価とインテリア仕様の詳細
このサイトではスバル・アセントの詳細なスペック比較、カナダ仕様とアメリカ仕様の違い、グレード間の装備差、そして実際の所有コスト(自動車税、重量税、燃料代)が詳細に解説されており、購入検討時に必要な情報が網羅されています。
また、スバル・アセントの正規輸入の可能性や、並行輸入を含めた購入オプションについては、以下が有用です。
スバル市販車史上最大!3列シートSUV「アセント」に乗りたい
このアーティクルはスバル・アセントのボディサイズがマツダCX-80に匹敵すること、さらには日本未発売理由と並行輸入によるメリット・デメリットについて詳しく解説しており、日本での購入を検討するユーザーにとって現実的な情報源となっています。
さらに走行性能や実燃費について詳細な情報は、以下が参考値となります。
ランクル並みに大きいスバルの北米向け3列SUV「アセント」走行試乗記
試乗記では実際の走行体験に基づいた燃費データ(高速11~12km/L)、フットワークの特性、ハンドリング評価など、カタログスペックでは読み取れない実用的な情報が豊富に含まれており、購入後の満足度予測に役立ちます。

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