スバルが1989年に初代を発売したレガシィは、35年以上にわたってフラッグシップセダンとして君臨していました。しかし2024年10月24日、同社は衝撃的なニュースを発表。2025年3月末をもって国内でのレガシィアウトバック販売を終了し、2025年春には北米でのセダンモデル生産も終了するというものです。生産終了の背景には、年々強化される環境規制への対応という重大な課題があります。大型セダンとしてのボディサイズを維持しながら、燃費基準をクリアすることが技術的・経済的に困難になったことが、最終的な判断に至らせました。
現在の自動車市場は、セダンからSUVやクロスオーバーへの急速なシフトが続いています。北米市場ではこの傾向がとりわけ顕著で、スバルの売上の約7割を占める重要なマーケットです。かつてセダン市場が活況を呈していた時代と異なり、消費者の購買意欲はSUVに集中。スバル自身も、レヴォーグレイバックやクロストレックなどのクロスオーバーモデルに経営資源を集中投下する戦略に転換しました。この市場の現実が、セダンラインナップの整理につながったのです。
レガシィの終了は、スバルの独自技術である水平対向エンジンとシンメトリカルAWDの活用方法にも大きな変化をもたらしています。かつてセダンやツーリングワゴンで磨き上げてきた走行性能は、今後はアウトバック系やクロスオーバーモデルへ引き継がれる形となります。スバルが2023年に発表した電動化戦略では、次世代e-BOXERの標準パワートレイン化が計画されており、これは水平対向エンジンとハイブリッド技術を組み合わせた新しい世代へのシフトを意味しています。真のイノベーションは、新しい形へと進化を遂げているのです。
販売終了が決定したレガシィアウトバックに対し、スバルは2024年10月に「30th Anniversary」と銘打った限定車を発表しました。この500台限定の特別仕様車は、1994年の北米デビュー以来30年の歴史を象徴する一台として企画されたものです。ブラック塗装のSTI製チューニングダンパーやアイボリー・ナッパレザーシート、専用の30th記念刺繍が施されたドアトリムなど、細部にまでこだわった装備が施されています。スバルが歴史の集大成として投入したこの車両は、クロスオーバーSUVの先駆者としてのアウトバックの価値を集約する、最終章としてのステートメントとなっています。
レガシィが36年の歴史を通じて市場に刻み込んだ「走りの哲学」は、決して消滅するわけではありません。独自の水平対向エンジンと四輪駆動システムの組み合わせによる低重心・高い走行安定性・優れた直進性能といった特性は、次世代のスバル車に確実に継承されています。特にレヴォーグレイバックは、その承継者としてレガシィユーザーの期待に応えるべく設計されたモデルです。ステーションワゴンの流動的なボディラインを保ちつつ、クロスオーバーSUVの機能性を融合させた同車は、舗装路での快適性と悪路走破性を兼備。高速道路での疲れにくい乗り心地と、山坂道でのコーナリング性能の両立が、レガシィユーザーから特に高く評価されています。こうした遺産がどのように新世代に引き継がれていくのか、自動車業界の関心はいまだ絶えません。
スバル公式サイト(レガシィの電動化戦略やモデルチェンジ情報)
カーセンサー(レガシィアウトバックの中古車情報と市場動向)

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