パトカーSUV導入される理由と国内活動事例

パトカー選定の定番セダンからSUV型車両へシフトが起きています。山岳地帯での走破性や広い室内空間を必要とする警察活動において、なぜSUVが採用され始めたのか、その背景や実例から検証します。
パトカーSUV導入される理由と国内活動事例
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セダン一辺倒から多様化へ

従来はトヨタ「クラウン」などのセダンが主流でしたが、近年SUVタイプの警察車両が全国で目撃されるようになりました。

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山岳地帯での走破性が必須

富士山周辺など山岳地帯が管轄エリアの警察署では、地上高があり4WD機能を持つSUVが不可欠です。

環境性能重視で電動化推進

警察庁の入札公告でPHEV(プラグインハイブリッド)やEV、HEVといった電動車両パトカーの需要が明記されています。

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実際に配備されたSUVモデル

三菱「エクリプスクロスPHEV」、スズキ「エスクード」、日産「エクストレイル」、トヨタ「ランドクルーザー」などが採用されています。

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入札制度による採用決定

警察車両は競争入札で選定され、最も条件に合ったメーカーの提案が採用されます。特別仕様化の改造費も含めた価格競争です。

パトカーが採用するSUV車両と導入理由

パトカーSUV採用が進む背景と国内事例

 

かつてパトカーといえば、トヨタ「クラウン」などのセダンが絶対的スタンダードでした。しかし2023年4月、菱の「エクリプスクロス PHEV」が山梨県警 富士吉田署へ初配備されたことが公式SNSで公開され、大きな話題となります。これは単なる例外ではなく、全国的なパトカー選定の潮流が変わりつつあることを象徴しています。

 

街中をよく観察すると、白黒のパトカーばかりでなく、覆面パトカーも含めてコンパクトカーミニバン、そしてSUVタイプが採用されていることに気づきます。山梨県警の富士吉田署は富士北麓地域を管轄しており、山岳地帯が多いため、従来からスズキ「エスクード」のようなSUVパトロールカーを導入していました。エクリプスクロスPHEVはそれまで使用していたエスクードの使用期限満了に伴う代替車両として導入され、ほぼ同時期に全国でも数十台が導入されたと報告されています。

 

パトカー選定における山岳地帯での走破性と地上高の重要性

パトカーがセダンからSUVへシフトする理由として最も直接的なのが、山岳地帯での走行性能です。特に積雪地域や山道が多い警察管轄区域では、地上高が高くクリアランスに余裕があるSUVが本質的に有利です。SNS上でエクリプスクロスPHEVパトカーの目撃情報が東北エリアなど雪深い地域で相次いでいるのは、冬季の走行安定性と悪路対応能力が求められた結果です。

 

SUVが提供する4WD機能と電動制御システムは、従来のセダンでは対応しきれない多様な路面状況に対応できます。これにより、警察活動の質的向上や対応地域の拡大が実現される効果も生まれています。高い視点からの視認性向上も、交通事故の防止や犯人の発見につながる利点として評価されています。

 

パトカーSUV導入で加速する環境性能重視の電動化戦略

パトカーがSUVへシフトする背景には、環境性能への急速な転換があります。2023年3月27日、国家公安委員会(警察庁を管理する内閣府の外局)が提示した入札公告に「私服用高床バン型無線車(PHEV) 42台」との記載がありました。これは刑事など私服警察官が用いる覆面パトカー向けの仕様で、「高床バン」がSUVを指しており、警察庁が明確にPHEV(プラグインハイブリッド)の導入を希望していることが明らかになります。

 

同時に「私服用高床バン型無線車 47台」という従来のガソリン車の入札公告も提示されているため、警察庁は両方の選択肢を検討していましたが、環境性能面での優位性からPHEVが重視されたと推測されます。昨今、HEV(ハイブリッド車)、EV(電気自動車)、FCEV(水素燃料電池車)といった電動車両のパトカー導入が各地で増加している背景には、この方針があります。

 

パトカーSUV採用で実現する室内スペースと装備搭載の利便性

警察車両としてSUVが人気を集める理由に、広い室内スペースがあります。セダンタイプと比較してSUVは、乗員が複数の場合でも窮屈さが少なく、また後部座席には容疑者や被害者を輸送する際に必要な仕切りやシートベルト装備を設置できるスペース的余裕があります。

 

センターコンソールには警察専用のコンピューター機器が搭載されており、ドライバーが運転に専念する間に助手席の警察官が情報収集や無線対応でサポートできる環境が実現されています。パトロールライトの装備やサイレンの搭載、特殊な通信機器の配置といった複雑な改造が必要な場合、SUVの広さはこれらの設置を容易にします。

 

パトカー入札制度による競争と選定メカニズム

パトカーが採用される過程は、一般の車両購入とは異なります。白黒のいわゆる「無線警ら車」だけでなく、警察活動に必要なあらゆるクルマは、国(警察庁)がお金を出して買う「国費購入」と、都道府県がお金を出して買う「県費購入」の二種類に分かれています。

 

どちらも「競争入札」という方法で選定されます。警察が必要とするクルマの詳細仕様(私服用か白黒か、セダン型かSUV型か、4人乗りか、4WD装備など)を掲示し、その詳細条件に応じてメーカーが契約条件(金額)を一斉に見積もり、期日までに入札する制度です。参加企業は互いの見積もりを知ることができず、最も条件に合った企業が選ばれます。

 

税金を原資とする購入であるため、基本的には一円でも安い条件を提示した企業が優位になります。しかし警察車両は市販されていない特別仕様(灯火類装備や車体カラー、内部改造など)となる場合が多く、改造費も含めた最終的な価格は、ベースの車両価格とは相場が異なります。近年はトヨタのような大量受注でコスト削減できるメーカーや、スズキの小型SUVのようにそもそも車両価格が安いメーカーが入札で優位性を持つ傾向が強まっています。

 

パトカーの採用選定メカニズムと全国で導入されるSUVモデルの実例について、詳細な背景と各地の警察署での導入事例が紹介されています。

日本国内で実際に配備されるパトカーSUVの具体的モデル

日本各地の警察で現在採用されているSUV型パトカーの車種は多岐にわたります。三菱「エクリプスクロス PHEV」は電動4WD制御が優れており、PHEV中でも比較的購入コストが安いため、山梨県警での導入以降、全国でも数十台が配備されました。スズキ「エスクード」は従来から山岳地帯を管轄する警察で採用されてきた実績があり、今も多くの県警で活躍しています。

 

日産「エクストレイル」、トヨタ「ランドクルーザー」についても、その走破性と信頼性から覆面パトカーとしても白黒パトカーとしても導入が進んでいます。特に覆面パトカーにおいては、一見して普通の車両に見えるため、街中での視認性が低く、犯人の発見や追跡作戦においても予測困難性がメリットとなっています。

 

警察がSUVを選定する際の判断基準は、採用地域の地理的特性、年間の路面状況、管轄エリアでの事故件数や事件発生パターン、および整備拠点の利便性などが複合的に考慮されます。単に「流行だから」ではなく、合理的な理由に基づいた車両選定が行われているのです。

 

アメリカの警察が採用するSUVパトカー「フォード エクスプローラー ポリス インターセプター」の特別装備と運用実績について、詳細な情報が提供されています。

 

十分なリサーチが完了しました。これから記事を作成します。

 

 


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