並行輸入で乗り出すと、維持費が国産ピックアップより年間30万円以上かかることがあります。
日産ナバラは現在、世界180ヵ国以上で販売されているグローバル戦略車です。ところが、その生産元である日本では正規ディーラーを通じた購入ができません。
なぜそのような状況になったのかを理解するには、ナバラの歴史を少しひも解く必要があります。ナバラのルーツは1935年にさかのぼる「ダットサントラック」です。戦後の復興期から輸出を開始し、かつては日本国内でも「ダットラ」の愛称で親しまれていました。
しかし、2002年に日本国内での販売が終了。それ以降、ナバラとしての車名が使われる最新世代では一度も日本市場への正規導入がなされていません。
理由はいくつか考えられています。日本市場では、ピックアップトラックは「荷物を積む作業車」というイメージが強く、プレミアムな乗用車的ポジションとして売ることが難しいとされています。また、トヨタ・ハイラックスが既に日本市場を押さえており、後発で参入するメリットが薄いという市場判断も背景にあります。結論は「採算が合わないから」です。
その一方で、三菱トライトンは2024年に日本市場へ投入され、ピックアップ需要の確かな存在を示しました。これは日本でのピックアップ熱が高まっている証拠ですね。
| 車名 | 日本での正規販売 | 価格帯(国内) |
|---|---|---|
| 🇯🇵 トヨタ・ハイラックス | ✅ あり | 約398万円〜 |
| 🇯🇵 三菱・トライトン | ✅ あり | 約399万円〜 |
| 🌐 日産・ナバラ | ❌ なし(並行輸入のみ) | 約677万円〜(並行輸入) |
日産ナバラが「ない」のは品質や性能の問題ではなく、あくまで市場戦略の問題です。これは覚えておけばOKです。
参考:日産公式ヘリテージページ(ダットサントラックの歴史を紹介)
日産公式|ヘリテージコレクション「ダットサントラック」
並行輸入とは、メーカーの公式輸入代理店を通さずに海外から直接車両を輸入することです。日産ナバラを日本で走らせるには、この方法を取るほかありません。
最も現実的な選択肢は、右ハンドルが標準の英国仕様を輸入する方法です。英国は日本と同じく右ハンドル文化で走行ルールも近いため、車検取得がスムーズになります。以下が主な手順の流れです。
費用の内訳を把握することが重要です。英国仕様の上位グレード「Tekna」の場合、2025年時点での参考価格(£1=138円換算)は以下のようになります。
| 費用項目 | おおよその目安 |
|---|---|
| 車両本体(英国現地価格) | 約450万〜550万円相当 |
| 輸送費・通関費 | 約30〜50万円 |
| 登録費用・諸手数料 | 約20〜30万円 |
| 国内乗り出し総額(目安) | 約677万円〜 |
国産のハイラックスや三菱トライトンが400万円前後で買えることを考えると、費用差は300万円近くになることもあります。痛いですね。
もうひとつ見落としがちなのが「維持費」の問題です。並行輸入車はメーカー保証が適用されないため、修理が必要になった際に部品の取り寄せに時間がかかり、費用も割高になるリスクがあります。
特にナバラのエンジン(YS23型・ルノー製)に使うエンジンオイルフィルターなどの消耗品は、日本国内での流通量が少ないため、正規輸入車より調達コストがかかることがあります。並行輸入業者が国内整備工場と提携しているかどうかを事前に確認することが条件です。
参考:英国からの並行輸入価格・手順の詳細
ウィズカーズ|日産ナバラ並行輸入ガイド(価格・スペック・手順)
2025年11月19日、豪州日産は5代目となる新型ナバラ(型式:D27)を正式発表しました。これは先代D23型から約11年ぶりのフルモデルチェンジです。
新型の最大の特徴は、三菱トライトンをベースとしていることです。意外に感じる方も多いでしょうが、日産と三菱が属するルノー・日産・三菱アライアンスの枠組みの中で、プラットフォームの共有が進んでいます。これは開発コスト削減と品質維持を両立させるための戦略です。
とはいえ、ボディデザインは完全に日産オリジナルです。フロントには日産のシンボルである「Vモーション」グリルを採用し、さらにグリル上部には初代モデルへの敬意を表した「3スロット」デザインを追加。「トライトンのOEMなのに顔は完全に日産車」と話題を呼んでいます。
主要スペックをまとめると以下のとおりです。
| 項目 | 新型ナバラ(D27) |
|---|---|
| エンジン | 2.4L 直列4気筒ディーゼルターボ |
| 最高出力 | 150kW(204PS) |
| 最大トルク | 470Nm |
| トランスミッション | 6速AT |
| 燃費(WLTCモード) | 約13.0km/L(7.7L/100km) |
| 最低地上高 | 228mm |
| ボディサイズ | 全長5,320mm×全幅1,865mm×全高1,795mm |
| 牽引能力 | 最大3,500kg |
| 積載量 | 最大約1,000kg(約1トン) |
最低地上高228mmという数値は目を引きます。これはスズキ「ジムニー」の210mmを上回る数値で、本格的なオフロード性能を持つことを意味します。悪路走破性はハイラックスに匹敵するレベルです。
豪州での発売価格は最廉価の「SL」グレードで約5万3348オーストラリアドル(約590万円)からとなっています。なお、日本市場への公式導入については2026年3月時点で正式な発表はありません。
参考:日産公式プレスリリース(新型ナバラ発表)
日産公式ニュースリリース|オーストラリアで新型ピックアップトラック「ナバラ」を発表
日本でピックアップトラックを選ぶ際、現実的な選択肢はトヨタ・ハイラックス、三菱・トライトン、そして並行輸入の日産ナバラの3つに絞られます。それぞれを比較することで、ナバラを選ぶ価値が見えてきます。
まずトヨタ・ハイラックスとの比較です。ハイラックスはエンジンに2.8L直4ディーゼルを搭載し、最高出力は204PS。新型ナバラ(204PS)とほぼ同じ出力です。一方、燃費はハイラックスが約11.7km/L(カタログ値)に対して、新型ナバラは約13.0km/Lと優位に立ちます。これは使い方によっては年間でガソリン数万円分の差につながります。
三菱トライトンと比べると、同じプラットフォームを共有しながらも、ナバラはデザインと4WDシステムの細部で差別化されています。トライトンにはSuper Select 4WD-IIが使われており、舗装路でも4WDで走れる利便性がありますが、ナバラも同等の「Easy 4WD」機能が採用されています。
欧州仕様ナバラの独自のアドバンテージは、ダブルキャブのリアサスペンションにあります。同クラスのライバルの多くがリア・リーフスプリングを採用するのに対し、D23型欧州仕様のナバラは5リンクマルチリンクサスペンションを採用しており、「ピックアップトラックとは思えない乗り心地」との評価を欧州メディアから得ています。これは使えそうです。
また、ナバラは欧州市場でメルセデス・ベンツ Xクラス(生産終了)とルノー・アラスカンのベース車両に採用されるほどの信頼性を誇ります。「プレミアムブランドも認めた設計」という側面は他のピックアップトラックにない独自の付加価値です。
コストとメリットをしっかり天秤にかけることが原則です。ナバラの「国産にはない希少性と走り」に魅力を感じるかどうかが、選ぶかどうかの判断軸になるでしょう。
「いつか日本でも正規販売されるのでは?」という声は、ナバラファンの間で根強くあります。現時点(2026年3月)での公式発表はありませんが、判断材料となる情報はいくつか存在します。
まず注目すべきは、日産の経営状況です。日産は2024年3月期・2025年3月期と2期連続の最終赤字(各年6,000億円超)を計上しており、新規市場への投資余力が限られているのが現実です。新型ナバラを日本に正式導入するには、販売網の整備、部品供給体制の構築、マーケティング費用など多大なコストが必要となります。
一方で、プラスの材料もあります。三菱トライトンが2024年に日本市場で発売後、一定の需要を確認できたことは事実です。また、三菱トライトンとナバラがプラットフォームを共有している点は、導入コストを下げる可能性を持っています。「トライトンの販売ネットワークを活用できるなら、導入ハードルは下がる」という見方もあります。
もうひとつの注目点は、豪州市場での新型ナバラの反応です。オーストラリアは日産にとって、ナバラの最大の市場で累計50万台を超える販売実績があります。豪州での新型の評判が高まれば、日本導入の議論が活性化する可能性はゼロではありません。
現実的な見通しとして、多くの自動車メディアは「日本導入は現時点で望み薄だが、アライアンスの変化次第では可能性がある」というスタンスをとっています。いいことですね、ただし焦らずに動向を見守ることが得策です。
今すぐナバラに乗りたい場合は、並行輸入が唯一の選択肢になります。前述の通り費用は高くなりますが、並行輸入業者を複数比較することで交渉余地が生まれます。最低でも2〜3社から見積もりを取ることをまずやってみてください。
参考:新型ナバラの詳細スペックと豪州発売情報
Car Watch|日産、新型「ナバラ」を豪州で発表(スペック・価格詳細)

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