最低地上高と保安基準の関係や車検基準

車検に通るために必要な最低地上高は何センチ?保安基準の詳細やマフラー、エアロパーツの測定方法、ローダウンする際の注意点まで徹底解説します。愛車の車検対策に役立つ情報をお探しですか?

最低地上高と保安基準

📏 最低地上高の保安基準ポイント
基準値は9cm以上

道路運送車両保安基準により、軽自動車・普通自動車ともに9cm以上が必須

⚠️
測定対象の明確化

マフラーやサスペンションメンバーなど固定部品が対象、タイヤ連動部品は除外

🔧
アンダーカバーは5cm

樹脂製アンダーカバーなど特定構造の場合、最低地上高5cm以上で合格

最低地上高は、水平な地面に車を置いた状態で、地面から車に固定されているパーツの最も低い箇所までの垂直距離を指します。国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第163条により、自動車の最低地上高は原則として9cm以上と規定されています。この基準は軽自動車、小型自動車、普通自動車のすべてに共通して適用されるため、車種による違いはありません。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_085_00.pdf

最低地上高が9cmと定められている理由は、安全な運行を確保するためです。日本の道路には縁石、キャッツアイ、踏切などの凹凸が存在するため、これらの障害物を走行中に車体の低い部分にあるパーツが傷つかないよう配慮された数値となっています。基本的にカスタマイズをしていないノーマル車は、最低地上高をクリアするように設計されていますが、車種によってはノーマル状態でも最低地上高に近い高さのものも存在します。
参考)車検をクリアする最低地上高とは? 測定方法や注意したいポイン…

例えば、メルセデス・ベンツのAクラスは10cm、トヨタの86は10.5cmと、9cmに近い設定になっています。一方、アウトドア向けのSUVでは最低地上高200mm以上が目安とされており、スズキのジムニーは205mm、ジムニーシエラは210mmを確保しています。このように車種によって最低地上高は大きく異なりますが、保安基準の9cm以上という下限は守らなければなりません。
参考)最低地上高ってどれを指すの?車検に通るには? - みんなの廃…

最低地上高の保安基準が定める9cm以上の意味

 

保安基準で定められた最低地上高9cm以上という基準は、公道を安全に走行するための最低限の高さです。この基準を満たしていない車両は車検に通らないため、公道での走行が認められません。最低地上高の測定は車検の際に必ず検査される項目であり、基準を下回ると保安基準不適合となります。
参考)最低地上高が原因で車検が通らない?測定方法や注意点を徹底解説

測定は水平な舗装された地面で行われ、人や荷物をすべて降ろした状態で実施されます。タイヤの空気圧は規定値にし、車高調整装置を装着している場合は定められた位置に設定する必要があります。段階的な切り替え式の車高調では標準位置に、無段階式では最高位置と最低位置の中間に設定しなければなりません。
参考)車検でアンダーカバーがどう審査されるのか解説!合否の具体的な…

また、測定値は1cm未満の端数を切り捨てて計測されるため、実測値が8.99cmであっても8cmとして扱われ、基準に満たないと判断されます。このように厳格な基準が設けられているのは、縁石などに乗り上げた際に車体を傷つけないようにするためであり、運転途中に車が壊れて交通安全を阻害することを防ぐ目的があります。​

最低地上高の測定対象となる部品と除外される部品

最低地上高の測定では、地面から車に固定されているパーツの最も低い箇所が対象となりますが、すべてのパーツが測定対象になるわけではありません。固定されていないパーツや車の保安面から考えて有効だとされるものは、最低地上高を測定する際の対象外となります。​
測定対象外となる主なパーツには、タイヤと連動して上下するブレーキドラムの下端、緩衝装置のうちのロアアームなどの下端があります。また、自由度を有するゴム製の部品も対象外です。さらに、マッドガード、エアダムスカート、エアカットフラップなどの樹脂製エアロパーツも基本的には対象外となりますが、これには条件があります。
参考)最低地上高のよくある誤解。9cm以上必要なのは「どこ?」

エアロパーツの場合、樹脂製であってもフォグランプなどの灯火類が埋め込まれていると、扱いは「ボディを含む構造物」となるため最低地上高の測定対象になります。つまり、フォグランプ付きのバンパースポイラーは、その下端が最低地上高9cmをクリアしていなければなりません。一方、灯火類が付いていない樹脂製エアロパーツであれば、5cm以上の高さがあれば車検に合格します。
参考)車検に合格する最低地上高の基準と車高の測り方について解説

実際の測定対象として最も多いのは、マフラーとサスペンションメンバーです。マフラーは車の下部で最も低い位置にあることが多く、特に社外品オプションに交換している場合は注意が必要です。サスペンションメンバーも可動しない固定部品のため、メンバーのボルトが出っ張っている部分が最低地上高のポイントになりやすくなります。車種によってはフレームが測定対象になることもありますが、多くの場合はマフラーのほうが低い位置にあります。
参考)愛車の車検で最低地上高が心配|保安基準や不適合時の対処法

最低地上高の保安基準における特例規定

最低地上高の保安基準には、特定の構造を持つ車両に対する特例規定が存在します。「道路運送車両保安基準の細目を定める告知〈第3節〉第163条」において、自動車の下面が「衝撃に十分耐える構造」及び「アンダーカバー等が装着されている構造」の場合、その部分の最低地上高は5cm以上あれば問題ないとされています。
参考)車検における車高の基準とは?測り方や灯火類の基準も押さえよう…

アンダーカバーを装着した車が車検に合格するには、アンダーカバーの最低地上高と、軸距間(前輪と後輪の軸間距離)の最低地上高、2つの最低地上高をクリアする必要があります。アンダーカバー部分は5cm以上、軸距間は一般的に9cm以上という基準です。アンダーカバーの測定も1cm未満の端数は切り捨てられるため、実測値が4.99cmだった場合は基準に満たないと判断されます。​
この特例規定により、樹脂製のアンダーカバーや灯火類が付いていないエアロパーツは、5cm以上の地上高があれば車検に合格できます。ただし、樹脂製であることと灯火類が埋め込まれ一体化していないことが条件となります。この規定は、衝撃吸収性のある部品や破損してもすぐに走行に影響しない部品については、より低い位置に設置することを許容するものです。​
一方で、金属製のパーツや走行に直接影響する固定部品については、原則通り9cm以上の最低地上高が求められます。最低地上高は金属部で測定され、その他の樹脂部は灯火類がないものに関しては規定がないため、実用範囲なら指摘されないこともあります。
参考)『車検の最低地上高でアンダーカバー付だと5cmあれば通る..…

最低地上高の測定方法と測定ポイント

最低地上高を正確に測定するには、適切な道具と正しい手順が必要です。測定に必要なものは、メジャーまたはスケール、水平な場所、記録用紙と筆記用具、養生テープまたはマーカーです。メジャーは目盛りが細かいものほど正確な測定が可能であり、水平な場所としてはガレージや平らなアスファルトの上など、安定した場所を選びましょう。
参考)車検前に確認!最低地上高の正しい測り方と注意点

測定箇所や数値を記録用紙にメモしておくと、後で確認する際に役立ちます。養生テープやマーカーで測定箇所を分かりやすくマークすることで、測定がスムーズになります。最低地上高を測定する場所は、車の最も低い部分であり、一般的にはマフラー、アンダーカバー、または車体の一部が該当します。​
車検前に自身でチェックする場合は、人や荷物をすべて降ろし、タイヤの空気圧を規定値にした上で、舗装された平面の上で計測する必要があります。車高装置を装着している場合は、段階的な切り替え式なら標準位置に、無段階式なら最高位置と最低位置の中間に設定します。​
自動車の最低地上高は、巻尺等その他適切な方法により審査されます。最低地上高のポイントは「動かない部分」が地上から9cm以上離れていることであり、タイヤに付属しているロアアームやスイングアーム、ゴム製のパーツ、サスペンションといった「足回り」に関しては車高制限の対象にはなりません。しかし、マフラーやサスペンションメンバーのボルトといった「動かない部分」は最低地上高の対象となります。
参考)https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/hbh5ss0000002mk7-att/gtg5d20000000fqs.pdf

フォグライトや反射板、ウインカーにも「ライトの下縁が地上から25cm以上」といった制限があり、車軸部分では最低地上高をクリアしていても、場合によっては最低地上高違反になるため注意が必要です。
参考)車検の最低地上高の測り方は?マフラーやアンダーカバーはどうす…

最低地上高の保安基準とローダウンの関係

ローダウンは車の見た目を引き締め、走行性能を向上させる効果がありますが、車検基準とのバランスが重要です。車高を下げすぎると、最低地上高が9cm未満になって即座に車検不合格となります。また、段差や勾配でマフラーやフロアが接地したり、フロントリップやサイドステップの破損リスクが増加したりする問題も発生します。
参考)車高の上げすぎ・下げすぎに注意!車検に通る基準と調整ポイント…

合法的なローダウンの目安としては、純正車高から−2cm〜−3.5cm程度であれば、最低地上高を確保しつつ見た目のバランスも良好です。極端なダウンは避けるべきであり、ダウンサスや車高調を使用する際は、メーカーの推奨車高範囲内で調整する必要があります。ストローク不足で乗り心地や操縦性が悪化する場合もあるため、慎重に調整しましょう。​
購入したまま何もいじっていないノーマル車なら問題はありませんが、社外品オプションに交換している場合は注意が必要です。マフラーをいじるなら、排気量や音の基準だけではなく、最低地上高の問題もクリアしているか確認しておかなければなりません。​
平成17年までに登録された車両は、灯火類の位置について特別な規定はなく、フォグランプやウィンカーの高さを特段気にする必要はありませんでした。しかし、平成18年以降に登録された車両は、新たに灯火類の高さに関する規定が加わり、フォグランプは下縁の高さが地上から35センチ以上、ウィンカーランプは下端が地面から25センチ以上が求められます。この基準を満たしていない場合は、最低地上高が9センチ以上あっても車検に通過できません。​
国土交通省:(最低地上高)保安基準第3条の告示で定める基準は
https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_085_00.pdf
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の原文が確認できます。最低地上高の法的根拠となる重要な参考資料です。

 

 


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