タイで2024年2月に発表されたカローラクロスの改良新型は、フロント周りの設計が大きく変わりました。最も目を引く変更点は、従来のシンプルなグリルデザインからハニカムメッシュパターンへの変更です。このメッシュパターンは、高級車として知られるレクサスRXなどに採用されているデザイン手法と類似しており、カローラクロスに一段上の高級感をもたらしています。
これまでのカローラクロスはシンプルで親しみやすいデザインが特徴でしたが、改良新型ではグローバル市場における競争力を意識した、より洗練された外観へと進化しています。タイ国内での販売実績を見ると、2020年7月から2023年12月までの間に累計7万1160台が販売されており、アジア市場での需要の高さが窺えます。新しいハニカムメッシュグリルは、この人気をさらに加速させるための重要な外装アップデートとなっています。
フロントグリルの変更に合わせて、フロントバンパーのデザインも刷新されました。より堀深いクリーンな造形が採用され、ワイドでモダン、力強い印象を与えるように設計されています。特に、ボディ全体をより幅広く見せ、存在感のあるプレゼンテーションを実現しているのが特徴です。
改良新型カローラクロスには、新デザインのLEDプロジェクターヘッドライトが装備されています。このヘッドライトには「LEDクリスタライズドランプ」という技術が採用され、プリズムのような光の屈折を用いた上質な輝きを実現しています。さらに、シーケンシャルLEDフロントウインカーが備えられ、フロント周りの照明が順次点灯する美しいアニメーション効果を演出しています。
テールライト部分も新デザインとなり、リア周りの視認性が向上しました。これらの照明システム全体が、カローラクロスタイ改良新型の「アーバン×プレミアム」というコンセプトを具現化する重要な要素として機能しています。
また、タイ仕様の改良新型では、ツートンカラーの新アルミホイールが装備されるようになりました。従来のシングルカラーから2色使いへの変更により、ホイールのデザイン性が一段と向上しています。加えて、新色「セメントグレーメタリック」がボディカラーのラインナップに追加され、より上質な配色選択が可能になっています。
インテリアの設計では、改良新型が従来モデルから大きく進化していることが明確に見て取れます。内装色がブラックと新色の「ダークローズ」の2色展開となり、特にダークローズはスポーティさとラグジュアリーさを同時に表現できるカラーとして設計されています。このツートンの内装色選択により、ユーザーの個性や好みに応じたカスタマイズが可能になりました。
12.3インチのフルデジタルメーターが採用され、表示内容を多彩な方法で調整できるようになっています。このメーターには、運転情報、燃費情報、安全機能の作動状況など、ドライバーが知りたい情報を自由に配置・表示できるカスタマイズ性が備わっています。
10.1インチのHDタッチスクリーンは、ワイヤレスのApple CarPlayおよびGoogle Android Autoに対応しており、スマートフォン連携の自由度が大きく向上しています。USBタイプCコネクタも装備されため、各種デバイスの充電や接続が容易になります。
改良新型には、左右独立温度調整機能付きのデュアルゾーンオートエアコンシステムが装備されています。ドライバーと助手席の乗客が異なる温度設定を同時に行えるため、全員の快適性が向上します。これはプレミアムセグメントの車両で一般的な装備ですが、コンパクトSUVクラスでは比較的珍しい仕様です。
電動パーキングブレーキには、ブレーキホールド機能が搭載されており、信号待ちなどで脚を離してもブレーキがかかったままになります。この機能により、ドライバーの負担が軽減され、特に渋滞時の快適性が向上します。
大型フレームレスパノラマルーフには、電動サンシェードが完備されています。従来の手動方式と異なり、スイッチ操作だけでサンシェードの開け閉めが可能です。天候や日差しの強さに応じて即座に調整でき、車内の温度管理がより簡単になりました。このパノラマルーフは、車内空間を広く感じさせ、開放感に満ちた走行体験を提供します。
安全性能の面で、改良新型カローラクロスは大幅な強化が施されています。ハイブリッド車には「Toyota Safety Sense」というトヨタの最新安全システムが搭載されました。このシステムには、ストップ&ゴー機能を備えた全車速ダイナミックレーダークルーズコントロールが含まれています。
渋滞時や低速走行時にも機能するこのクルーズコントロールは、アダプティブクルーズコントロール技術の進化形です。前走車との距離を自動で調整しながら加減速を行い、長時間のドライビング疲労を大幅に軽減します。
さらに、「BSM(ブラインド・スポット・モニタリング)」が装備されており、死角領域の車両や障害物を検知します。後退時には「RCTA(リア・クロス・トラフィック・アラート)」が作動し、バック時の安全性が向上します。
パーキングサポートブレーキや自動ブレーキアシストなど、駐車時や危険回避時の自動制御機能も充実しています。360度ビューのパノラマビューモニター(PVM)には、高解像度カメラが複数搭載され、上空から見たような俯瞰映像で駐車をサポートします。このPVMの高解像度映像が、パーキングサポートブレーキの作動判断を支援し、駐車中に危険を警告する統合的なシステムが実現しています。
フロントとリアの両方にドライビングレコーダーが装備されるようになり、事故時の記録や日常的なドライブの記録が自動的に保存されます。このほか、タイヤ空気圧警告システムと監視システムにより、適切な空気圧管理がシステム側から支援されます。
改良新型カローラクロスのパワートレインは、1.8リットル直列4気筒ガソリンエンジンと1.8リットル直列4気筒ガソリン+モーターのハイブリッドシステムの2択から選択できます。ハイブリッド仕様の燃費は23.3km/リットルと、コンパクトSUV市場における高い燃費効率を実現しています。
CO2排出量は98g/km とされており、近年の厳しい環境規制に対応した低排出性能を備えています。タイ国内での需要が高まる環境配慮型自動車市場において、これらの数値は競争力を持つ仕様です。
パワートレイン全体は「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」をベースに設計されており、スムーズで自信に満ちた運転感覚をドライバーに提供します。TNGAプラットフォームは、トヨタの複数の車種で共有される基本骨格であり、開発効率と品質の安定性が確保されています。
タイ国内での販売目標は月間1500台とされており、この改良新型が同市場での主力商品として位置付けられていることが明確です。新しいデザイン、充実した安全装備、優れた燃費性能という3つの要素が、タイを含むアジア市場でのカローラクロスの競争力をさらに高めています。
<参考リンク>
タイでのカローラクロス改良新型の詳細仕様について、トヨタモータータイランドの公式発表内容を確認できます。
https://response.jp/article/2024/02/13/379335.html
改良新型カローラクロスのマイナーチェンジ内容と日本市場への導入時期予測について、業界の詳細分析を参照できます。
https://bestcarweb.jp/feature/column/1019920

【サムライプロデュース】新型カローラクロス 専用 バックドア ガーニッシュ 3P 鏡面仕上げ 2025年マイナーチェンジ後対応