ホンダ N-ONE 新型 2025モデルの最大の進化は、全グレードに搭載される7インチフル液晶メーターです。従来のアナログメーターから大幅にアップグレードされ、N-BOXで採用されている最新型液晶メーターと同等の機能を提供します。
この新型メーターは単なる速度表示にとどまりません。高精細なディスプレイにより、リアルタイムの燃費情報、平均燃費、航続距離などをわかりやすく表示。ドライバーは一目で車の状態を把握できるようになり、エコドライブをより意識的に実践できます。さらに、ナビゲーション情報をメーター内に統合表示する機能も備わっており、視線をそらさずに目的地への進行状況が確認できます。
表示モードはカスタマイズ可能で、スポーティな表示レイアウトから落ち着いた表示まで、運転者の好みに合わせて切り替え可能。この液晶メーターの装備により、軽自動車の概念を大きく変える先進性がもたらされました。
新型 N-ONE 2025が採用するHonda CONNECTは、コネクティビティ機能の最大の強化点です。このサービスにより、ホンダ車とスマートフォンの連携が従来以上に密接になります。
特に注目すべき機能は遠隔エアコン操作です。冬の寒い朝や夏の暑い日中、自宅から車のエアコンをスマートフォンで操作し、乗車時に快適な室内環境を準備できます。さらに、ドアロック・アンロックも遠隔で可能となり、駐車場での鍵の出し入れが不要に。
車内Wi-Fi機能も搭載され、複数デバイスでの高速インターネット接続が可能です。同乗者も含めたスマートフォン、タブレットの接続ができ、移動中のデジタルライフがより快適に。また、緊急時の自動サポートサービスも組み込まれており、安全面でも大きな安心が得られます。
メンテナンス情報もアプリを通じて自動通知されるため、定期的なメンテナンス時期を見落とす心配がなくなります。
2025年9月に発売されたN-ONE e:は、ホンダ初の量産軽EVであり、軽自動車市場に新しい選択肢をもたらしました。
搭載される29.6kWhのNMCリチウムイオンバッテリーは、薄型設計を実現しながら大容量を確保。WLTC航続距離295kmは、ライバルの日産サクラ(180km)の約1.6倍に相当します。この長い航続距離により、日常の通勤利用だけでなく、週末の遠出にも対応可能。
充電性能も優れており、普通充電では充電残量警告灯点灯時から満充電まで約4.5時間(6kW以上の充電器使用時)。急速充電なら同じ条件で約30分で80%まで充電でき、高速道路のサービスエリアでの継ぎ足し充電も現実的です。
バッテリー温度管理システムも装備され、低温時にはヒーターで温め、高温時にはラジエターで冷却することで、季節を問わず安定した走行性能を維持。電費も9.52km/kWhと国内EVの中でもトップクラスの効率を誇ります。
補助金適用で実質210万円台前半から購入可能となり、経済性と実用性を兼ね備えた軽EVとして注目されています。
新型 N-ONE 2025は、すでに全グレード標準装備されていたHonda SENSINGをさらに拡充しました。
フロントコーナーセンサーが新たに標準装備されます。従来はリア側のみの設置でしたが、前方にも配置されることで、駐車時の安全性が大幅に向上。狭い駐車場での前方障害物をより早期に検知でき、運転に不慣れな方でも安心して操作できるようになります。
渋滋追従機能付ACCの制御精度も向上し、より自然な加減速を実現。高速道路での長距離運転時の疲労軽減に貢献します。パーキングセンサーシステムの感度も改善され、駐車時の正確な距離感が得られるようになりました。
オートブレーキホールド機能の操作性も改善され、信号待ちなどでの手動操作の手間が削減されます。歩行者事故低減ステアリング機能の認識性能も向上し、夜間での歩行者検知能力が強化されています。
新型 N-ONE 2025のグレード体系では、特にRSグレードで大きな変更が実施されました。
これまで設定されていたCVT仕様が廃止され、RSグレードは6速マニュアルトランスミッション専用となります。この決定は、スポーツグレードとしての純粋な走行性能追求の姿勢を示すものです。マニュアルトランスミッションにより、ドライバーの意思が直接に車の動きに反映され、運転の楽しさがより深く味わえるようになります。
軽自動車初となる6速MT搭載ACC・LKAS対応という独自性も実現。専用ターボエンジンが64ps/10.6kgmのパワーを発揮し、スポーツサスペンションとの組み合わせにより、軽自動車の枠を超えた走行性能が得られます。
新しい特別仕様車の設定も予定されており、都市型ライフスタイルを意識した上質なモデルが投入される見込みです。価格改定は約10万円のアップ。これは原材料費高騰、物流費上昇、新機能追加、安全装備強化などが理由です。
オリジナルグレードは約174万円から、プレミアムグレードは約193万円から、プレミアムツアラーは約204万円から、RSグレードは約216万円からの設定となります。4WDオプションは各グレード約13万円のアップが見込まれています。
新型 N-ONE 2025の市場での位置づけを理解するには、ライバル車との比較が重要です。
スズキ ラパンと比較した場合、先進安全装備でN-ONEが大幅にリード。デジタルメーターやHonda CONNECTなどのコネクティビティ機能はN-ONEが先行しています。デザインの個性では互角の勝負ですが、質感と装備内容ではN-ONEが上回ります。
ダイハツ ミラトコットとの比較では、先進安全装備・快適装備でN-ONEが優位に立ちます。価格帯ではミラトコットがリードしていますが、軽自動車でもプレミアム感を求める購入者には、N-ONEの価値が高く評価されています。
スズキ アルトワークスとのスポーツ性能比較では接戦ですが、安全装備・快適装備ではN-ONEが優位。MT設定では両車とも魅力的な選択肢です。
N-ONE e:とライバルEV軽自動車の比較では、航続距離の長さが圧倒的優位。日産サクラに比べ電費性能が優れており、急速充電対応もライバルより優位です。新サービス「Honda Charge」による充電ネットワーク構築も、長期的な利便性向上に貢献します。
■ 新型N-ONE 2025と軽自動車ライバル比較表
| 項目 | N-ONE 2025 | ラパン | ミラトコット | アルトワークス |
|---|---|---|---|---|
| デジタルメーター | 7インチ全車標準 | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
| Honda CONNECT | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
| フロントコーナーセンサー | 搭載 | 標準非搭載 | 標準非搭載 | 標準非搭載 |
| Honda SENSING | 全グレード標準 | オプション | オプション | オプション |
| ターボ | 2種類選択可 | 1種類 | 非搭載 | 搭載 |
| 6速MT設定 | RS グレード | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 |
| 基本価格帯 | 174万円~ | 150万円~ | 140万円~ | 160万円~ |
新型 N-ONE 2025年モデルの購入を検討する際、グレード選びは最終的な満足度に大きく影響します。
オリジナルグレード(約174万円)は、N-ONEの基本的な魅力をリーズナブルに体験したい方に最適です。デジタルメーター、Honda SENSING、基本的なコネクティビティ機能は備わっており、日常使いには十分な装備です。単身者や二人暮らしで、シンプルさと価格のバランスを重視する方向けです。
プレミアムグレード(約193万円)は、上質感と快適性を両立したい方向け。ノーマルサスペンションで乗り心地に重点が置かれ、長距離運転での快適性が向上しています。インテリアの質感も向上し、軽自動車でもプレミアム感を求める方に適しています。
プレミアムツアラー(約204万円)は、最上級の快適性を求める方向け。高級感のあるデザイン、落ち着いたカラーリング、質の高い内装素材が使用されています。ツーリング用途での使用が多い方や、軽自動車でも妥協したくない方にぴったりです。
RS グレード(約216万円)は、走行性能と運転の楽しさを最優先する方専用。6速MTの選択により、ダイレクトな操作感を得られます。ターボエンジン、スポーツサスペンション、専用エアロパーツにより、軽自動車の枠を超えた走りが実現されています。
N-ONE e:(約270万円~)は、電動化による新しいドライブ体験を求める方向け。充電設備が家にある方や、環境への配慮を重視される方に適しています。燃料代の節約と補助金で総合的なコスト削減が可能です。
新型 N-ONE 2025のガソリン車は2025年11月発売予定で、10月より先行受注受付が開始される見込みです。N-ONE e:はすでに2025年9月12日から販売が開始されており、納期の短縮が見込まれています。
ガソリン車の標準グレードは約2~3ヶ月の納期が予想されます。人気グレード、特に人気色の組み合わせでは約3~4ヶ月と長くなる傾向です。特別仕様車では約4~5ヶ月の納期が見込まれており、購入希望者は早めの予約が重要です。
N-ONE e:は既に販売が開始されているため、納期情報は販売店に直接確認することが推奨されます。電動車両としての注目度が高いため、人気グレードは納期が長くなる可能性があります。
購入タイミングの判断には、利用可能な補助金の期限も考慮する必要があります。国のCEV補助金は予算に限度があるため、早期購入により確実に補助金を受取れるメリットがあります。一方、発売から数ヶ月経過後は納期が短縮される傾向にあり、時間的余裕がある場合は待つという選択肢も存在します。
■ 新型N-ONE 2025年発売スケジュール表
| グレード | 先行受注開始 | 正式発表 | 納車開始 | 予想納期 |
|---|---|---|---|---|
| オリジナル | 2025年10月 | 2025年11月 | 2025年11月 | 2~3ヶ月 |
| プレミアム | 2025年10月 | 2025年11月 | 2025年11月 | 2~3ヶ月 |
| プレミアムツアラー | 2025年10月 | 2025年11月 | 2025年11月 | 3~4ヶ月 |
| RS(6速MT) | 2025年10月 | 2025年11月 | 2025年11月 | 3~4ヶ月 |
| 特別仕様車 | 2025年11月 | 2025年11月 | 2025年12月 | 4~5ヶ月 |
| N-ONE e:(販売中) | 既に開始 | - | 随時 | 変動 |
新型 N-ONE 2025のカラー選択は、車の個性を最も表現できる要素の一つです。
最も人気のあるプレミアムアイボリー・パールIIは、クラシックなN-ONEのデザインに最もマッチする色です。上品で落ち着いた印象を持ちながら、汚れが目立ちにくいという実用性も備わっています。シンプルで飽きのこない色として、幅広い年齢層に好まれています。
ミッドナイトブルービーム・メタリックは深みのあるブルーが高級感を演出します。夜間の光の当たり方によって異なる表情を見せるのが魅力で、シックなデザインを好む方に最適です。
フレームレッドは鮮やかなレッドで、スポーティな印象を強調します。特にRSグレードとの相性が良く、走行性能にこだわるモデルとの組み合わせが効果的です。個性的なカラーを求める方に向いています。
カラー選択時には、汚れの目立ちやすさを考慮することが重要です。黒系は高級感がある反面、汚れが最も目立つため、こまめなメンテナンスが必要です。アイボリア系やシルバー系は実用性が高く、洗車頻度を減らしたい方に適しています。
リセールバリューの観点からは、人気のホワイト系やブラック系が査定額を落としにくい傾向にあります。将来的に売却を考えている場合は、この点も踏まえた色選びが重要です。
新型 N-ONE 2025年モデルの購入を検討する際、維持費の把握は重要な要素です。ガソリン車の燃料費は軽自動車としては標準的で、ターボ車でも11~12km/Lの実燃費が期待できます。
自動車税は軽自動車のため年間10,800円(令和6年度)と非常に安く設定されています。取得税も軽自動車優遇措置により、新規登録時の手続きがシンプルです。
保険料は個人差がありますが、軽自動車の中でも安全装備が充実しているため、保険会社による割引が期待でき、年間保険料は通常12,000~20,000円程度で十分です。
一方、N-ONE e:の維持費は大きく異なります。電気代はガソリン代の約3分の1から4分の1に削減でき、年間の燃料費削減は大きなメリットです。自動車税は環境配慮車として減免措置があり、さらに経済的です。
N-ONE e:購入時のCEV補助金は57万4,000円(2025年度)で、実質的な購入価格を大幅に削減できます。自治体によっては追加の補助金が用意されている場合もあり、購入前に確認することが重要です。
充電設備の家庭内設置費用は別途必要ですが、設置費用も一部補助金対象となる場合があります。普通充電設備の設置費用は約20~30万円が相場で、この投資により、ガソリン代削減の効果が最大に発揮されます。
■ 新型N-ONE 2025年度第1年度維持費概算表
| 項目 | N-ONE(ガソリン) | N-ONE e:(EV) |
|---|---|---|
| 自動車税 | 10,800円 | 0円(減免対象) |
| 燃料代(年間) | 約60,000円 | 約15,000円 |
| 保険料(年間) | 約15,000円 | 約16,000円 |
| メンテナンス費 | 約30,000円 | 約10,000円 |
| 合計(年間) | 約115,800円 | 約41,000円 |
| CEV補助金 | - | ▲574,000円 |
同じホンダの軽自動車であるN-WGNと新型N-ONE 2025を比較する際、表面的なスペック比較だけでなく、人生観や価値観の反映という深い視点が重要です。
N-WGNは実用性とコストパフォーマンスの最適化を追求したモデルで、広い室内空間、安定した乗り心地、経済的な価格設定が特徴です。家族が多い方、大型の荷物を頻繁に運ぶ必要がある方にとっては、これ以上なく適切な選択肢です。
一方、新型N-ONE 2025は「個性の表現」と「運転の喜び」を重視する購入者向けです。軽自動車であっても、見た目の個性、運転時の楽しさ、装備の質感に妥協したくない方が選択します。特に2025年モデルの最新技術搭載により、この傾向はより顕著になりました。
興味深いマーケティング戦略として、ホンダはN-ONEにプレミアム感を付加することで、軽自動車市場に新しい階層を創出しました。従来の軽自動車は「安いから選ぶ」という消費行動でしたが、N-ONEは「個性を表現するために選ぶ」という新しい購買動機を生み出したのです。
2025年モデルでのデジタルメーターとHonda CONNECT搭載は、この戦略をさらに強化しています。軽自動車でも最先端技術を体験できるという差別化が、他の軽自動車との価値観の違いを鮮明にしています。
また、N-ONE e:の登場により、環境意識の高い方にも新しい選択肢が提供されました。ガソリン車のプレミアム感と、EV版の環境貢献性という二つの道が示されたことで、N-ONEブランドの多面性が確立されています。
購入検討者は、単に「軽自動車を必要としているから」という理由ではなく、「N-ONEというブランドで何を表現したいのか」という自問を通じて、最適な選択肢を見出す必要があります。この視点がなければ、N-ONE 2025の真の価値を理解することは難しいでしょう。
<参考リンク>
ホンダ N-ONE公式ページ。最新スペック、グレード構成、カラーバリエーションの詳細情報を掲載。
https://www.honda.co.jp/N-ONE/
ホンダのニュースリリース。N-ONE e:発売時の最新技術情報、電動化戦略、新サービス「Honda Charge」の詳細を記載。
https://global.honda/jp/news/2025/4250911-n-one-e.html
N-ONE e:の補助金制度解説。CEV補助金57万4千円の詳細条件、自治体別補助金情報、実質購入価格の試算方法を掲載。
https://ev-seisaku.com/2025/09/12/