2025年10月21日にトヨタが世界初公開した新型ランドクルーザーFJは、歴代ランクルファミリーの期待を一身に集めるコンパクトモデルです。ランドクルーザー250よりも270mm短いホイールベース2,580mmを採用することで、都市部での使用を想定した最小回転半径5.5mを実現しました。全長4,575mm、全幅1,855mm、全高1,960mmというサイズは、日本の一般的な駐車スペースに収まりやすく、狭い山道での取り回しにも優れています。
この設計は単なるサイズ削減ではなく、ランクルらしさを保ちながら、より多くのユーザーがランドクルーザーを所有できるようにするという戦略的な決断です。前後オーバーハング も最小限に抑えられており、オフロード走行時のアプローチアングル(登坂時に障害物に接触しない角度)やデパーチャーアングル(下降時に接触しない角度)も確保されています。
ランドクルーザーFJに採用されるプラットフォームは、トヨタの2002年に発表した「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)」シリーズのラダーフレームをベースとしています。このフレーム構造は、左右2本のメインフレームとなるサイドメンバーをクロスメンバーで梯子状につないだ設計で、路面からの強い衝撃をフレームが吸収し、ボディへのダメージを最小限に抑えます。
タイ、インドネシア、南アフリカ、アルゼンチンを主要生産拠点とし、世界140カ国以上で20年以上にわたって過酷な環境でテストされてきた実績があります。ランクルFJでは、このIMVプラットフォームに床下へのブレース追加やボディの高剛性化を施し、本格的なオフロード走行に対応しながら優れた操縦安定性を確保しています。ランクル70シリーズと同等のホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)により、片輪が浮くような状況でもタイヤが接地し続け、確実に脱出できる性能を実現しています。
搭載エンジンは、2003年から採用され世界中で実証された2TR-FE型2.7L直列4気筒ガソリンエンジンです。最高出力163PS(120kW)、最大トルク246N・mを発生し、本格的なオフロード走行に必要な粘り強いトルクを提供します。ボア×ストロークは95.0mm×95.0mmのスクエア設計で、低・中速域のトルクを重視した特性となっており、砂地や泥濘地での登坂力に優れています。
鋳鉄シリンダーブロックとアルミ合金製シリンダーヘッドを組み合わせた堅実な設計が特徴で、ランドクルーザー250、ハイエース、ピックアップトラックなど実に幅広い車種に搭載されています。このエンジンが多くの過酷な環境で実証されたことで、「壊れにくい」エンジンとして高い評価を獲得しており、ランクルの「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という信頼性を支える心臓部となっています。6速Super ECT(電子制御式6速オートマチック)との組み合わせにより、滑らかな変速と優れた燃費性能を両立させています。
ランドクルーザーFJのエクステリアデザインは、初代FJ40型やFJクルーザーのDNAを受け継ぎながらも、現代的な表現を加えた独特なスタイルを採用しています。サイコロをモチーフとした直方体ボディと、角をそぎ落とした「面取り構成」により、無駄のない強い塊感と親しみやすさを表現しています。
標準仕様では角形のLEDヘッドライトを採用していますが、カスタマイズオプションとして歴代ランクルを彷彿とさせる丸目型ヘッドランプも用意される予定です。キックアップするグラスエリアとダイナミックなウエストラインが躍動感とタフさを同時に表現し、張り出したフェンダーとの組み合わせで力強く安定感のあるスタンスを実現しています。フロント、リヤともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプとしているのも大きな特徴で、修理性が向上するとともに、より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズに対応しています。
新型ランドクルーザーFJの大きな魅力のひとつが、豊富なカスタマイズオプションです。公開されたプロトタイプには、シュノーケル、サイドステップ、ルーフラック、ラゲッジスペースやリアゲートの壁面を使った収納システムなど、純正のカスタマイズパーツが装着されたバリエーションが展示されました。このようなオプションの充実は、前後のオーバーハング最小化とボディのスクエア設計のおかげで、多くのカスタマイズ需要に対応できる設計になっているからです。
ランドクルーザーの専門カスタマイズショップでも、既存のランクルカスタマイズの経験から、新型FJに対応した豊富なカスタムメニューを用意する計画が立てられています。内装のカスタムでもシートエプロン、フロアマット、ステアリングホイール交換など、ユーザーの好みに合わせた多様な選択肢が期待できます。分割型バンパーの採用により、壊れた部分のみを交換することが可能で、修理性も向上し、長期運用におけるカスタマイズと修理の両面でユーザーの裁量が大きくなっています。
2026年年央(7月頃)の日本発売が予定されている新型ランドクルーザーFJの価格については、正式発表がまだ行われていませんが、ランドクルーザー250(520万~735万円)のエントリーモデルとしての位置づけから、複数の価格予想が出されています。ランドクルーザー70が480万円で販売されていることを考慮すると、新型FJクルーザーはこれらを下回る設定になるほぼ確実で、スタンダードグレードは400万円前後から、上位グレードで500万円前後が予想されています。
旧型FJクルーザーが2013年に販売終了した当時の価格が324万~349万円であったことを踏まえると、約12年の経過による価格上昇と機能充実を反映した現在の予想価格は妥当なものと言えます。グレード別の詳細な仕様差別化はまだ明確になっていませんが、ランクルシリーズ全体のラインナップ戦略から、複数グレードが用意されることが予想されます。オプション装備の有無によっても最終的な購入価格が大きく変わることになるため、購入資金については少し余裕を持った計画を立てておくことが推奨されます。
駆動方式には、オフロード走行に定評のあるパートタイム4WDシステムが採用されています。通常の舗装路では2WDで走行し、悪路や滑りやすい路面では4WDに切り替えることで、最適なトラクションを確保し、燃費効率と走破性を高い次元で両立させています。4WD走行時には、前後の駆動力配分が機械的に固定されるため、泥濘地や砂地、雪道などでも確実に前進することができます。
開発段階では、世界中の過酷なオフロード環境で徹底的なテストが実施され、弱点を洗い出し、ランクルらしさをつくり込んでいます。運転席から手の届きやすい位置に配置された2速発進スイッチにより、雪道や砂地などの滑りやすい路面で、タイヤの空転を抑えてスムーズに発進することが可能です。リアデフロックスイッチは、泥濘地やぬかるみなど極限の悪路での脱出をサポートし、リアデファレンシャルをロックすることで、左右の後輪が同じ回転数で駆動し、片輪が空転している状況でも確実に前進できます。
ランドクルーザーFJには、トヨタの予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準装備されます。プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)により、前方の障害物を検知して自動的にブレーキが作動し、衝突回避または被害軽減を支援します。レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)は、走行中に意図せず車線を逸脱しようとしたときに警報を発し、安全な走行をサポートします。
オートマチックハイビームは、先行車や対向車の有無に応じてハイビームを自動で切り替え、運転者の負担を軽減しながら安全性を確保します。操作性と視認性を両立させたコクピット設計により、初めてランクルに乗る方でも直感的に操作でき、オフロード走行では、ピッチ角やロール角、方位などの情報も表示可能です。マルチテレインモニターなどの先進機能により、車両周辺の状況を的確に把握でき、バックカメラの映像もマルチインフォメーションディスプレイに集約表示されます。オンロードでもオフロードでも、家族みんなが安心して乗れるランクルとなっており、最新の安全支援機能がユーザーの信頼を勝ち取るための重要な要素となっています。
トヨタは新型ランドクルーザーFJとともに、電動パーソナルモビリティ「LAND HOPPER」のコンセプトモデルも発表しています。このLAND HOPPERは、ランクルでたどり着いたさらにその先へ進むために開発された新しい電動モビリティで、トレイル(山や森の中にある主に未舗装路の小道)などのオフロードの楽しさを体感できます。
ラゲージに積載して旅先でのツーリング、キャンプ場での移動手段、山道の探検をさらに奥深く行えるほか、日常の普段使いにも対応する多用途性を想定しています。発売時期はまだ未定ですが、ランドクルーザーFJの世界観をさらに広げる存在として、移動の楽しみを拡大するワクワクするような提案です。この組み合わせにより、ユーザーはランクルで行ける場所から、さらにその先へという新しい冒険体験が実現します。
参考リンク:ランドクルーザーFJの詳細な仕様と開発背景について、公式情報がこちらで確認できます。
トヨタ公式ニュースルーム - 新型ランドクルーザー「FJ」発表

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