トヨタ・アイゴ コンパクトカー燃費性能特徴

トヨタ・アイゴの燃費性能と小型車特性

トヨタ・アイゴの1.0Lエンジン技術と燃費実現メカニズム

 

トヨタ・アイゴに搭載される1.0L直列3気筒自然吸気エンジン（1KR-FEおよび1KR-B52型）は、ダイハツとトヨタの共同開発による高効率パワーユニットです。フェイスリフト時に、燃焼効率を大幅に向上させるための改良が施されました。新型シリンダーヘッドの採用、排気ガス再循環システム（EGR）の最適化、触媒コンバーターの性能向上により、Euro 6.2排出ガス規制に対応しながら最高出力72PS（53kW）、最大トルク93N・mを発揮します。

 

フェイスリフト前のエンジンと比較して、内部摩擦が低減され、燃焼効率が向上した結果、欧州複合モードで23.8km/Lという優れた燃費性能を実現しています。気筒休止機構の採用により、低負荷走行時には一部シリンダーを休止させ、さらなる燃料消費削減を実現しています。新型インジェクションシステムの導入によって、正確な燃料噴射制御が可能になり、特に街中走行での低燃費性が向上しました。

 

トヨタ・アイゴのコンパクトボディが実現する都市走行優位性

全長3,465mm、全幅1,615mm、全高1,460mmというボディサイズは、日本向けのパッソよりもさらに小さく、トヨタブランド全体で最もコンパクトな乗用車です。ホイールベースは2,340mmと短く設定され、最小回転半径は小型車としても優秀な数値を実現しています。このコンパクトなボディにより、欧州の狭い路地や限られた駐車スペースでも容易に車両を操作できることが大きな利点です。

 

車両重量は860kgという軽量設計により、小排気量エンジンでも十分な走行性能を確保しながら、優れた燃費性能を維持しています。Aセグメント（最小コンパクトカークラス）で設計された本車は、都市部での日常使用を想定した最適なサイズバランスを実現しており、狭い日本の市街地でも活躍が期待できる設計となっています。

 

欧州仕込みのグランドツーリング性能も特徴で、マクファーソンストラット前輪サスペンション、トーションビーム後輪サスペンションの組み合わせにより、小型車とは思えないしなやかな乗り味と安定した走行特性を実現しています。

 

トヨタ・アイゴのトランスミッション選択肢とドライビング体験

トヨタ・アイゴには、従来の5速マニュアルトランスミッションに加えて、2ペダル操作が可能な独自開発のx-Shift（AMT）が設定されています。このx-Shiftは、クリープ機能を備えたパドルシフト付きの自動マニュアルトランスミッションで、CVTよりもダイレクトな走行フィールを提供するのが特徴です。

 

5速マニュアル装備時の0-100km/h加速は13.8秒、燃費は約58mpg（英国複合基準）を実現しており、マニュアルトランスミッションの軽快さを存分に味わえます。一方、x-Shift装備時は0-100km/h加速が15.2秒、燃費は約54mpgとなります。低速時のトルク特性が最適化されており、街中での走行がスムーズで快適です。

 

トランスミッション選択肢が豊富な点は、欧州市場での多様な運転ニーズに対応したトヨタのきめ細かい配慮を示しています。ドライバーの好みや使用シーンに応じて、最適なトランスミッションを選択できるのも、アイゴの大きな魅力となっています。

 

トヨタ・アイゴの先進安全装備と運転支援システム

トヨタ・アイゴには、街中走行での安全性を最優先に考えた充実した安全装備が標準搭載されています。ヒルスタートアシスト機能により、坂道での発進時にエンジンストールを防ぎ、安全で快適な走行をサポートします。緊急ブレーキシステムは、前方の障害物を検知して自動的にブレーキを作動させ、衝突被害を軽減します。

 

車線逸脱警報機能は、無意識の車線逸脱を検知してドライバーに警告し、走行車線からの逸脱を未然に防止します。6つのSRSエアバッグが搭載され、万が一の事故時には乗員保護を最大限に発揮する設計となっています。衝撃吸収ボディ構造により、衝突時のエネルギーを効率的に吸収・分散させ、乗員への被害を最小化します。

 

トヨタセーフティセンス（一部グレード）が搭載される上位グレードでは、プリ・クラッシュシステムやレーントレースアシスト、インテリジェントアダプティブクルーズコントロールなどの最先端技術が装備され、より高度な運転支援が実現されています。

 

トヨタ・アイゴの豊富なグレードラインアップと特別仕様

トヨタ・アイゴのグレード構成は、ベーシックな「x」から「x-play」「x-trend」「x-clusiv」「x-sky」まで、多彩な選択肢が用意されています。右ハンドル英国仕様では「x-play」「x-trend」「JBL Edition」「x-clusiv」の4グレード、左ハンドル欧州仕様では「x」「x-play」「x-sky」「x-clusiv」「x-JBL」の5グレードが展開されています。

 

特にJBL Edition/x-JBLは、オーディオ愛好家向けの特別仕様として、JBLプレミアムサウンドシステムを搭載しています。このシステムは総出力600Wの高性能オーディオで、スペアホイール上部に専用サブウーファーを配置した独自チューニングにより、「ライブ感を演出する」というコンセプトを実現しています。グレー/マンドリン（オレンジ）の専用バイトーンボディカラー、ブラックファブリックシートにピアノブラック/レザー仕上げインテリアが装備される、プレミアムな仕様です。

 

x-sky（欧州仕様のみ）には、大開口の電動キャンバストップが装備され、開放的なドライビング体験が可能です。上位グレードのx-clusivでは、スマートエントリー&プッシュスタート、オートヘッドライト、オートエアコンなど、利便性を高める装備が充実しています。

 

トヨタ・アイゴの日本未導入理由とPSAジョイント・ベンチャーの歴史

トヨタ・アイゴは初代モデルから現行の2代目まで、日本への正式導入実績がありません。その主な理由は、日本市場に既に存在する軽自動車やコンパクトカー（パッソなど）との販売競合を避けるためと考えられています。欧州市場ではAセグメント（最小コンパクトカークラス）が確立された人気カテゴリーである一方、日本市場では軽自動車が絶対的な支配力を持っているため、わざわざアイゴを輸入する必要性がないというのがトヨタの判断のようです。

 

注目すべきは、アイゴがPSA（プジョー・シトロエン・オートモービル）とのジョイント・ベンチャーとして開発された点です。これは欧州市場でAセグメントに対する多くの知見を持つPSAとタッグを組んで実現したモデルで、兄弟車にはシトロエン C1とプジョー 108があります。このジョイント・ベンチャーの成功により、その後商用車のプロエースやプロエースシティなど、トヨタとPSAの提携が大きく拡大しました。

 

しかし2020年、PSAとFCAが合併してステランティスが誕生し、その過程でPSAがシトロエン C1とプジョー 108の生産を終了、Aセグメントから撤退するというニュースが報じられました。このため、PSA共同開発の現行アイゴの今後の扱いがどうなるのかはまだ正式には発表されていませんが、欧州仕込みのこの小型車の歴史は大きな転換点を迎えています。

 

参考リンク：PSA・アイゴの開発経緯について、ジョイント・ベンチャーモデルの成功事例をまとめた業界記事
トヨタ アイゴ並行輸入情報
参考リンク：2025年の新型ハイブリッドアイゴXの最新情報とマニュアル廃止についての詳細情報
トヨタ新型アイゴXハイブリッド発表

 

 

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