スバルステラのカタログ燃費は、最新モデルにおいてWLTCモードで2WD車が20.7km/L、4WD車が20.0km/Lとされています。WLTCモードは従来のJC08モードよりも現実的な走行条件を反映するため、市街地・郊外・高速道路の3つの走行パターンを組み合わせて測定されています。
一方、実際にユーザーが報告する実燃費はおおむね17km/L~19km/Lの範囲に収まることが多く、カタログ値と比較して1~2割程度低い傾向が見られます。この乖離は、試験場での最適化された条件と実際の運転環境との違いによって生じるものです。例えば、エアコンの使用、信号待ちが多い市街地走行、急加速といった日常的な運転パターンが燃費低下の主な要因となります。
スバルステラは構造がシンプルで、アイドリングストップ機能や停車前アイドリングストップといった機能を備えていますが、マイルドハイブリッドやフルハイブリッドのような複雑な低燃費システムは搭載されていません。このため、信号の多い市街地で停車と発進を繰り返すような運転では特に燃費が低下する傾向があります。
スバルステラの燃費は季節によっても大きく変動します。特に冬場は暖機運転やスタッドレスタイヤの走行抵抗増加によって燃費が低下し、実燃費が16km/L前後になるというユーザー報告も見られます。対照的に、春や秋といった温暖な季節では比較的安定した燃費を期待できます。
また、走行環境による違いも顕著です。短距離の通勤や買い物中心の運転では17km/L前後、信号が少ない郊外やバイパスを中心とした走行では19km/Lを超えるケースもあります。エンジンが完全に温まるまでの間は燃費が悪く、短距離走行が多いと平均燃費が低くなる傾向があるため、定期的に長距離走行する方がより良い燃費を期待できます。
スバルステラには前輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)の2つの駆動方式が用意されており、カタログ値では2WDが20.7km/L、4WDが20.0km/Lと、0.7km/Lの差が設定されています。この差は、4WDシステムに必要な追加部品による車両重量増加と、駆動抵抗の増加に起因しています。
実際の走行では、この差がさらに広がる傾向があり、ユーザーからは4WDで1km/L程度低下するという報告も聞かれます。雪の多い北陸や山間部で使用する場合、4WDの安全性と安心感はその燃費低下を補って余りある価値がありますが、燃費だけを重視して選択する場合には2WDの方が有利です。
スバルステラに搭載される低燃費技術には、クールド i-EGR(排気ガス再循環冷却システム)、CVTサーモコントローラー、エコ発電制御、停車前アイドリングストップなどがあります。これらの技術により、エンジンの燃焼効率とCVT変速効率が最適化されています。
しかし、同じ軽ワゴンクラスでの比較では、スズキのワゴンRやスペーシアはマイルドハイブリッドを搭載しており、WLTCモードで25.2km/L(2WD)という性能を発揮します。これはステラの約20.7km/Lと比較して約4~5km/L上回っています。ホンダのN-BOX(標準NA 2WDモデル)は21.6km/Lと、ステラより若干優れた性能を持っています。一方、ステラのベース車であるダイハツのムーヴは基本的に同じ燃費性能を示しており、デザインや販売網による選択となることが多いです。
スバルステラの燃費を最大限に活かすには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、定期的なメンテナンスが不可欠で、エアフィルターの清掃、正確なタイヤ空気圧の維持、適切なオイル交換がエンジン効率を大きく左右します。タイヤの空気圧が低いと走行抵抗が増すため、燃費悪化につながります。
運転スタイルの工夫も重要です。急加速や急制動を避け、なるべく一定速度での走行を心がけることで、燃費は大きく改善します。スバルステラに搭載される「エコドライブアシスト照明」機能を活用することで、エコドライブの効果を視覚的に確認しながら運転できます。また、エンジン始動直後は燃費が悪いため、短距離走行を避けて1度の走行で複数の目的地を回るなど、走行パターンを工夫することも効果的です。加えて、最新モデルでは停車前アイドリングストップにより、完全に停車する前からエンジンが自動的に停止するため、この機能を信頼して運転することで確実に燃費改善につながります。
参考:カタログ燃費と実燃費の詳細比較、季節変動、他社との燃費比較について詳しく解説しているサイト
参考:スバルステラの歴代モデルのカタログ燃費推移とグレード別詳細データが掲載
スバルステラは全体的にはシンプルで信頼性の高い軽自動車ですが、燃費面ではマイルドハイブリッド搭載車と比較して劣る部分があります。しかし、整備費用が安く、メンテナンスが容易である点を考えると、長期使用を想定した総支払額ベースではコストパフォーマンスが良好です。購入時には、自分の走行環境や運転パターンを考慮して、他の軽自動車との比較検討を行うことが最適な選択につながるでしょう。

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