新型カタナ 2025モデルに搭載される998ccエンジンは、スズキの人気スポーツバイク「GSX-R1000」をベースに開発された、最新の水冷直列4気筒 DOHC エンジンです。ボア73.4mm、ストローク59mm、圧縮比12.2という精緻な設計により、低回転域から高回転域まで滑らかで力強い特性を実現しています。
最高出力は150PS(110kW)を11,000rpmで発揮し、最大トルクは105N・m(10.7kgf・m)を9,250rpmで発揮します。この特性により、街中での扱いやすさと高速走行時のパフォーマンスを両立しているのが特徴です。エンジンは平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応しており、電子制御スロットルシステムの採用により、安定した出力特性と環境性能を実現しています。
燃料消費率は、国交省届出値で60km/h走行時21.2km/L、WMTCモード値で16.2km/Lという優れた燃費特性を備えています。12Lの燃料タンク容量により、満タン時の航続距離は最大254.4kmに達し、長距離ツーリングも十分に対応可能です。燃料供給方式はフューエルインジェクション(FI)を採用し、始動性と加速レスポンスを向上させています。
シャシー設計において、新型カタナ 2025はダイヤモンド型フレームを採用し、アルミニウム製のツインチューブ構造となっています。前後のサスペンション設定は、キャスター角25°、トレール量100mmに調整され、安定性と旋回性のバランスを理想的に保つ設計となっています。
フロントサスペンションは、43mm径の倒立テレスコピックフォークで、120mmのトラベル量を持ち、圧縮・リバウンド・プリロード調整が可能です。リアサスペンションはスイングアーム式で、アルミニウム製の単気筒ショックアブソーバーを搭載し、130mmのトラベル量とプリロード・リバウンド調整機能を備えています。
タイヤサイズは前後ともに17インチラジアルで、前輪120/70ZR17(荷重指数58W)、後輪190/50ZR17(荷重指数73W)を装着。どちらもチューブレスタイプで、標準指定空気圧は前輪2.50kgf/cm²、後輪2.90kgf/cm²に設定されており、最適なグリップ性能と安定性を確保しています。
ブレーキシステムは、フロントに310mm径のダブルディスクとリアに250mm径のシングルディスクを採用し、スズキの大型スポーツバイクとして高い制動性能を実現しています。フロントブレーキは4ピストン、リアブレーキはシングルピストンの構成で、制動力と操作性のバランスを最適化しています。
ブレンボ製のラジアルマウント方式を採用することで、制動時の安定性と応答性が向上しています。重要な安全装備として、ABSは前後輪に配置され、急制動時のホイールロック防止と安定した制動を実現しています。さらに統合トラクションコントロール機能により、雨天時やコーナーでの急加速時の駆動輪スリップを抑制し、安心の走行環境を提供します。
新型カタナ 2025に採用された電子制御スロットルシステムは、「S.I.R.S.」(スズキ インテリジェント ライド システム)と呼ばれ、複数の走行モードを切り替えることができます。走行モード切り替え機能により、ノーマル・スポーツ・レインの3つのモードから、走行条件や好みに合わせて選択可能です。
クイックシフター機能(シフトアシスト機構)は、アクセルを戻さずにシフトアップできる装備で、スムーズで快適なギアチェンジを実現しています。クラッチは湿式・多板式で、6段リターン変速機と組み合わせることで、街乗りからスポーツライディングまで幅広い走行シーンに対応できます。
スリッパークラッチの採用により、エンジンブレーキによるフロントタイヤのロックを防ぎ、コーナーでのシフトダウン時に安定した姿勢を保ちます。デジタルメーターには、ギアポジション表示、燃料計、エンジン回転計、時計、ツイントリップ機能が装備され、ライダーに必要な全ての情報をリアルタイムで提供します。
外形寸法は全長2,130mm、全幅820mm、全高1,100mmで、ホイールベースは1,460mm、シート高は825mmに設定されています。最低地上高は140mmを確保し、日本刀をイメージした前衛的なデザイン、特に角形のLEDヘッドランプや刀の切先をイメージしたLEDポジションランプの配置により、唯一無二の個性を実現しています。
注目すべき独自装備として、スズキ初となるターンシグナル付スイングアームマウントリアフェンダーが採用されています。このデザイン要素は、従来のバイクにはない革新的な特徴で、後方からの視認性向上と同時に、モダンで洗練された外観を実現しています。
車両重量は215kg(ABS込み)で、大型ロードスポーツバイクの中でも比較的コンパクトにまとめられています。乗車定員は2名で、最小回転半径は3.4mという取り回しやすさを実現しており、都市部での使用にも適しています。燃料タンク容量12Lと相まって、優れた走行性能と取り扱いやすさが特徴です。
新型カタナ 2025モデルは、2024年10月29日より国内販売がスタートしています。税込み価格は166万1,000円(税抜き151万円)に設定されており、前モデルからの価格上昇は約5万5,000円です。この価格引き上げは、環境規制対応に伴う最高出力の向上と、新たな電子制御システムの搭載を反映したものとなっています。
2025年モデルの最大の注目点は、新色「パールビガーブルー」の導入です。この新色は、かねてから大型バイク愛好家の間で話題となっており、従来のパール系カラーとは異なる深い青紫色調が特徴です。この新色採用により、新型カタナ 2025のモダンで洗練されたデザインがさらに引き立てられ、視認性も向上しています。
歴代のカタナと比較すると、初代GSX1100S KATANAから一貫して日本刀をイメージした個性的なデザイン哲学が継承されており、2019年の復活以降、継続的に電子制御システムの強化と排出ガス規制への対応が進められてきました。現在のカタナは、モダンデザインと最新のパフォーマンス技術を高いレベルで融合させたロードスポーツバイクとして確立されています。
スズキ カタナ 基本スペック・グレード・カラーに関しての最新情報は、バイクブロスのカタログで詳細な仕様一覧や装備内容を確認できます。
新型カタナ 2025の開発背景、デザイン特性、パール系新色の詳細については、Webikeネットニュースで開発ストーリーと設計思想に関する詳しい解説が参考になります。

バイクステッカー フェアリング ペイントプロテクションステッカー に適合するスズキ GSX-S1000S カタナ1000 2018-2024 ヘッドライトハウジング デカール パーツ(黒,X-1)