偽パトカー 事故 危険な実態と法的対応

赤色灯とサイレンを装備した偽パトカーが起こした衝突事故の実例から、なぜこのような危険行為が生じるのか、そして一般ドライバーが知るべき法的知識や安全対策について深掘りしています。あなたの安全運転に役立つ情報が満載です。不測の事態から身を守るには?

偽パトカーの事故 危険運転の実態と対策

福岡で発生した偽パトカー事故の衝撃
⚠️
信号無視による衝突の瞬間

2024年2月、福岡市天神の国体道路で、赤色灯を点灯させたニセの覆面パトカーが青信号の交差点に進入し、タクシーとの正面衝突事故を引き起こしました。運転手と乗客3人の合わせて4人がケガをした痛ましい事故です。

🚗
事故前に繰り返された危険行為

容疑者たちは「緊急走行ごっこ」を約10回も繰り返していたと指摘されており、マイクで「交差点に進入します」と呼びかけるなど、パトカーになりきった行動をしていました。

📋
法的責任と判決

被告の24歳と26歳の会社員2人は、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷罪)で起訴されました。初公判で起訴内容を認めた上で、猶予判決が下されています。

偽パトカーの事故が起きた背景と容疑者の動機

 

福岡での衝突事故を起こした2人の容疑者は、緊急走行中のパトカーを撮影することが趣味だったとされています。検察は「幼少期からパトカーが好き」という供述をしており、その趣味が度を超して危険な行動へと発展した典型的なケースです。

 

一般向けのパトカー撮影動画がネット上で流行する中、こうした行為を「エンターテイメント」として捉える層が存在することも問題です。彼らは本物のパトカーを追跡する目的で偽パトカーを製作・利用していたわけですが、その過程で他者の生命を危険にさらすことになったのです。

 

容疑者たちが使用していた車には、市販のサイレンスピーカーと赤色回転灯が装備されていました。これらは自動車用品店で購入できる製品ですが、公道での使用は重大な違法行為に該当します。

 

偽パトカー事故の法律的問題と道路交通法違反

赤色灯やサイレンの取り付けについて、法律ではどのような規制があるのでしょうか。赤色灯は緊急自動車以外に設置することが法律で禁止されています。通常、緊急自動車とは警察車両、消防車、救急車といった公共機関の車両に限定されます。

 

一般の乗用車が赤色灯を装備して公道を走行することは、道路運送車両法違反にも問われる可能性があります。サイレンやマイクアンプも同様に、適切な許可や装備基準を満たさない限り違法です。

 

福岡の事件では、被告たちが信号無視での交差点進入を繰り返していたことも重要です。緊急自動車であっても、全ての信号無視が許容されるわけではありません。安全が確認されない限り、進入してはいけません。偽パトカーが「緊急走行」の装いをしていても、その権限は全く存在しないため、完全に違法な行為となるのです。

 

偽パトカー事故に巻き込まれた場合のドライバーの判断

万が一、あなたがパトカーのような車に遭遇したとき、それが本物か偽物かを見分けることは難しいかもしれません。しかし、いくつかのチェックポイントがあります。

 

本物の覆面パトカーは、国産の高性能セダンが主流です。トヨタクラウンやマークXなどが一般的です。さらに、ルーフ上の切り欠きや特殊なアンテナ、特別な通信機器の外部露出などが特徴です。偽パトカーはこうした細部の装備が異なる傾向にあります。

 

信号遵守、安全な走行距離の維持、ウィンカーの事前点灯といった基本的な安全運転を心がけることが最重要です。本物のパトカーは規范走行を厳格に守ります。不自然な走行パターンを見かけたら、それは偽パトカーの可能性があります。

 

また、交差点での他車の信号無視を見かけた場合は、可能な限り減速・停止して衝突を回避することが生命を守る最善の策です。赤色灯の有無に関わらず、交差点での安全確認は常に必須です。

 

偽パトカーの製造と販売の現状

偽パトカーはどのように製造されているのでしょうか。一般向けの自動車改造業者や自動車用品販売店では、赤色灯ユニットやサイレンシステムが販売されていることがあります。これらの製品は「私有地使用」や「映画・ドラマ撮影用」という名目で販売されているケースが多いです。

 

ドラマや映画撮影では「劇用車」と呼ばれる警察車両の再現装置が使用されます。撮影スタジオ内での利用は適切に管理されていますが、公道への流出が問題です。撮影用の劇用車であっても、公道を走行する際には赤色灯にカバーをかけ、「撮影用車両」と明記することが定められています。

 

一部の配信者やオタク層の間では、パトカーの改造方法や購入先の情報が半ば公然と共有されているという問題もあります。インターネット上での情報流通の広がりが、こうした危険なカスタマイズを容易にしている側面は否めません。

 

偽パトカー事故からの安全運転学習と予防対策

福岡の事故を教訓として、一般ドライバーが学ぶべきポイントは何でしょうか。まず第一に、「信号を過信しない」ことが重要です。青信号だからといって、交差点に無思慮に進入するのではなく、左右の安全確認を必ず実行しましょう。

 

次に、緊急車両だと思われる車に対しても、その信号遵守状況や走行パターンを観察することをお勧めします。本物の緊急車両は、安全確認の上で信号や走行ルールに厳格です。不可解な走行をしている場合は、適度な距離を保つことで事故を回避できる可能性が高まります。

 

適切な車間距離の維持も大切です。一般道では停止距離の3倍、高速道路では時速と同じメートル数を目安にします。これにより、不測の事態に対応する時間が確保されます。

 

さらに、ドライブレコーダーの常時装備も強く推奨されます。福岡の事故では、ドライブレコーダーが衝突の瞬間を記録し、事故の原因究明と法的責任の追及に大きな役割を果たしました。万が一事故に巻き込まれた際には、客観的な証拠が自らの権利を守る強力な手段となるのです。

 

警察庁公式ホームページ:交通安全情報と最新の道路交通法規が掲載されており、事故防止対策について詳しく確認できます
時事通信:福岡の偽パトカー事故など、実際の交通事故事件に関する最新情報が報じられています

 

 


アガツマ(AGATSUMA) アンパンマン おしゃべりパトカー