日本の運転免許制度には、運転できる車両を制限した「限定免許」が複数存在します。道路交通法第91条に基づき、車両の特性や運転者の事情に応じて限定条件が付与される仕組みです。限定免許は大きく分けて、車両側の特性による限定(AT車限定、小型二輪限定など)と、運転者側の事情による限定(視力・聴力・身体障害による条件)の2つのカテゴリーに分類されます。
参考)限定免許 (運転免許) - Wikipedia
限定免許の種類は道路交通法施行規則で既定枠が定められており、運転免許試験場や指定自動車教習所で当初からその限定条件を前提とした免許取得が可能です。運転免許証の「免許の条件等」欄には「〜車は○○に限る」という形式で記載され、運転可能な車両の様態が明示されます。2025年現在、限定免許の需要は高まっており、特にAT限定免許は普通免許取得者の大多数を占めるほど普及しています。
参考)準中型免許にAT限定免許新設へ! 2026年より導入予定
普通自動車AT限定免許は、オートマチック車のみを運転できる最も一般的な限定免許です。2025年4月の制度改正により、普通免許の教習は原則AT限定が基本となり、マニュアル車を運転したい場合は追加講習と技能審査を受ける形に変更されました。この改正は、現代の自動車市場においてAT車が主流となっていることを反映した措置です。
参考)【2025年改正】運転免許区分が大きく変わる!新制度まとめ
AT限定免許の取得費用は、MT免許に比べて約2〜3万円安く、取得期間も短縮されます。教習所に通う場合、AT限定の解除費用は入学金を含めて約6万円前後、一発試験の場合は2,850円(試験手数料1,400円、車両使用料1,450円)で挑戦できます。ただし、一発試験は合格率が低いため、複数回受験すると教習所より高額になる可能性があります。
参考)AT限定免許とは? MT免許との違いや中型・大型車の免許取得…
2026年度以降は、中型・大型免許にもAT限定制度が順次導入される予定です。具体的には、貨物運送向けにAT大型・AT中型・AT準中型の3区分、旅客運送向けにAT大型2種・AT中型2種の2区分が新設されます。この改正により、トラックやバス業界の人手不足対策として、より多くの人が中型・大型車を運転しやすくなることが期待されています。
二輪車の限定免許には、排気量による「小型限定」とクラッチ操作の有無による「AT限定」があり、これらは組み合わせて取得することも可能です。小型限定普通二輪免許は排気量125cc以下のバイクに乗車でき、原付とは異なり時速30km/h制限や二段階右折義務がなく、タンデム走行も可能です(免許取得後1年未満は除く)。ただし高速道路の走行は不可となっています。
参考)バイクの限定解除を考える|ロイヤルドライビングスクール広島
AT小型限定普通二輪免許は、125ccまでのオートマチック車(スクーターなど)のみ運転できる免許で、普通自動車免許を持っていれば最短2日で取得可能です。維持費が50cc並に安く、任意保険もクルマのファミリーバイク特約で加入できるため、通勤・通学用として人気が高まっています。燃費が良く、パワーもあり、渋滞した都市部でも「通勤快速」として活躍する実用性の高さが特徴です。
参考)小型限定普通二輪免許編|普通自動車免許所有→原付二種スクータ…
バイク免許の限定解除は基本的に7パターンあり、AT限定を解除する場合と排気量が変わる場合に分かれます。例えば、普通二輪AT限定免許のAT限定を解除すると普通二輪免許になり、小型限定普通二輪AT免許から小型限定とAT限定の両方を解除すると普通二輪免許になります。教習所での限定解除に必要な時限数は、パターンによって3〜8時限と異なり、学科教習は不要です。
参考)バイク免許の限定解除の費用と時限数|合宿免許の那須高原合宿予…
大型特殊免許には、特定用途に限定された「農耕車限定」と「カタピラ車限定」という2種類の限定免許が存在します。農耕車限定免許は、トラクターやコンバインなど農業専用車両の運転に特化した免許で、農業大学校等で講習を受けた後、運転免許試験場で実技試験を受けて取得します。この限定免許では、農作業で最も利用度が高いトラクターを公道で走行させることができます。
参考)大型特殊免許で運転できる車両は?取得条件や日数・費用を解説
カタピラ車限定免許は、主に陸上自衛隊で戦車などの特殊車両を運転するための免許です。陸上自衛隊内の自衛隊自動車訓練所で教習を受けることが可能で、一般の教習所では取得できない特殊な免許となっています。これらの限定免許は試験場に試験用車両がない場合、受験者が車両を持ち込む形で試験を受ける必要があり、取得のハードルが高い面もあります。
参考)大型特殊免許とは?取得の方法・条件・費用・期間をまとめて紹介…
これらの限定を解除すると、全長12.0m以下・全幅2.5m以下・全高3.8m以下の特殊車両、小型特殊自動車、原付が運転できるようになります。大型特殊免許(限定なし)があれば、ショベルカー、クレーン車、フォークリフトなど、建設現場や物流倉庫で活躍する多様な特殊車両を運転できるため、農業や自衛隊以外の分野でも活用の幅が広がります。
参考)運転免許の限定解除に必要な費用、流れ、受験資格を徹底解説!|…
中型8t限定免許と準中型5t限定免許は、道路交通法の改正に伴う経過措置として設けられた特別な限定免許で、新規での取得はできません。2007年の法改正により誕生した中型8t限定免許は、改正前の普通免許保有者に自動的に付与された限定条件で、車両総重量8t未満、最大積載量5t未満の車両を運転できます。平成19年6月から平成29年3月12日までに取得した普通免許保有者がこの区分に該当します。
参考)【徹底解説】中型8t限定免許の限定解除|取得条件・試験・費用…
準中型5t限定免許も同様の経過措置で、2017年の法改正により平成29年3月12日以降に普通免許を取得した人に自動的に付与された限定です。適性検査については経過措置により、改正前の普通免許と同じ合格基準で行われるため、免許更新時の視力検査等の基準も改正前と変わりません。これらの限定免許では、トラックなど一定以上の重量がある車両の運転に制限がかかります。
参考)中型8t限定免許とは?運転できる車・解除費用・キャリア活用ま…
限定解除の方法は、教習所に通う場合と免許センターでの一発試験の2つがあります。教習所での中型8t限定解除の費用は入学金を含めて約7万5千円〜12万円程度で、取得日数は通学で約1週間、合宿で3泊4日が目安です。一発試験の場合は2,850円と安価ですが、不合格になると再受験のたびに同額が必要で、事前に練習場を利用すると中型車50分で約1万円かかるため、トータルコストは教習所より高くなる可能性があります。
<参考リンク:中型8t限定免許の詳細と解除方法について>
中型8t限定免許とは?運転できる車・解除費用・キャリア活用まで解説!
サポートカー限定免許は、加齢に伴う身体機能の低下等により運転に不安を感じる高齢運転者向けに設けられた新しい限定免許制度です。この免許では、運転できる自動車の種類が一定の要件を満たす衝突被害軽減ブレーキ等の安全運転支援装置を備えた「サポートカー」に限定されます。普通免許のみが対象で、普通免許の上位免許を受けている方は、申請による免許の一部取消しにより普通免許を取得した上でサポートカー限定免許にすることができます。
参考)兵庫県警察 サポートカー限定免許
サポートカー限定免許の対象車両は、自動車検査証の車台番号(車体番号)とメーカー別対象車両リストを照合することで確認できます。2025年10月時点で、国産車はスズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱の8社、輸入車はテスラ、ボルボ、BYDの3社が対応車両リストを提供しており、各リストは随時更新されています。最新の対応車両情報は警察庁のウェブサイトで確認できます。
参考)サポートカー限定免許について|警察庁Webサイト
申請窓口は各更新センター、警察署、佐用警察センターなどで、受付時間は平日の9:00〜11:00、13:00〜16:00となっています。サポートカー限定免許の申請は、免許更新と同時に併せて行うことも可能です。ただし、サポートカー限定免許にした方がサポートカー以外の自動車を運転した場合は条件違反となり、罰則の対象となるため注意が必要です。サポートカーであっても車の機能を過信せず、安全運転に努めることが求められます。
参考)https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/law/R040405_poster/R2leafletB.pdf
<参考リンク:サポートカー限定免許の制度詳細と対象車両リスト>
サポートカー限定免許について|警察庁Webサイト
限定免許の取得方法は、新規取得時に限定条件付きで免許を取得する方法と、既存の免許に限定条件を追加する方法があります。AT車限定や小型二輪限定は、試験場やほとんどの教習所で取得可能ですが、準中型車5t限定・中型車8t限定・中型二種5t限定は制度改正に伴う経過措置であり、新規の取得はできません。これらの限定免許は、過去の法改正時に既存の免許保有者に自動的に付与された特別な区分です。
限定解除の方法は大きく分けて2つあり、指定自動車教習所に通って規定の技能講習を受ける方法と、運転免許試験場で直接試験を受ける一発試験(限定解除審査)の方法があります。教習所に通う場合は確実性が高く、合宿免許なら約6〜10万円、指定教習所ならAT限定で6万円前後、中型8t限定で12万円前後が相場です。一発試験は2,850円と安価ですが、合格率が低いため、不合格を繰り返すと結果的に高額になるリスクがあります。
参考)限定解除とは?解除するまでの流れや必要な費用、かかる期間を紹…
AT限定免許の解除は、最も需要の高い限定解除手続きの一つです。教習所で解除する場合、入学金を含めて約6万円前後(61,700円程度)で、技能教習を数時限受けた後、修了検定に合格すれば解除となります。普通自動車のAT限定解除は比較的短期間で完了し、通学であれば1週間程度が目安です。教習所では段階的に指導を受けられるため、運転技術に不安がある方にとって安心して挑戦できる環境が整っています。
一発試験でAT限定を解除する場合、試験手数料1,400円と車両使用料1,450円の合計2,850円のみで挑戦できます。ただし、技能試験は減点方式で行われ、曲がる際や乗り降りの確認など細かい減点ポイントがあるため、事前の練習が不可欠です。いきなり試験を受けるのが不安な場合は、免許センターや教習所での練習を申し込むこともできますが、練習場の使用料金は約1万円前後かかります。
準中型自動車免許5t限定のAT限定解除は約10万円前後(97,680円程度)、中型自動車免許8t限定のAT限定解除は約12万円前後(119,570円程度)と、上位免許ほど費用が高くなります。なお、準中型5tや中型8t限定免許のAT限定のみを解除することは可能で、この場合は普通自動車のAT解除と同一の審査内容となります。将来的に大型免許や中型免許を目指す場合は、早めにAT限定を解除しておくことで、キャリアの選択肢が広がります。
バイク免許の限定解除は7つの基本パターンがあり、それぞれ必要な技能教習の時限数が異なります。小型限定普通二輪免許(125cc)から普通二輪免許(400cc)への限定解除は5時限、普通二輪AT限定免許から普通二輪免許への解除も5時限が必要です。小型限定普通二輪AT免許から小型限定普通二輪免許(AT限定のみ解除)は4時限、普通二輪AT限定免許への解除は5時限、普通二輪免許への完全解除は8時限となります。
大型二輪免許の場合、普通二輪AT限定免許から普通二輪免許への解除は5時限、大型二輪AT限定免許から大型二輪免許への解除は8時限が必要です。バイク免許の限定解除には学科教習はなく、すべて技能教習のみで完了します。教習所によって料金は異なりますが、時限数が少ないほど費用も安くなる傾向があります。普通自動車免許を保有している場合、小型限定普通二輪は最短6日、AT限定なら最短2日で取得できるため、まずは小型から始めて段階的に解除していく方法も効率的です。
バイク免許の限定解除は、保有している免許の限定条件に応じて細かく選択できるため、自分のニーズに合わせて最適なパターンを選ぶことが重要です。例えば、通勤用に125ccのスクーターだけ乗りたい場合はAT小型限定のままで十分ですが、将来的にツーリングで大型バイクに乗りたい場合は、段階的に排気量とAT限定の両方を解除していく計画を立てると良いでしょう。教習所では個別の相談にも対応しているため、自分の目標とライフスタイルに合わせた最適な限定解除プランを提案してもらえます。
参考)最短二日で取れるバイク免許! 原付二種/125ccまでAT車…
大型特殊免許の農耕車限定やカタピラ車限定の解除は、一般的な限定解除とは異なる特別な手続きが必要です。これらの限定を解除すると、全長12.0m以下・全幅2.5m以下・全高3.8m以下の特殊車両、小型特殊自動車、原付が運転できるようになり、建設現場や物流倉庫で使用されるショベルカー、クレーン車、フォークリフトなど多様な特殊車両の運転が可能になります。農業だけでなく、建設業や製造業など幅広い分野でのキャリア展開が期待できます。
参考)【初心者必見】大型特殊免許の取り方と最短日数・費用の目安 -…
大型特殊免許の限定解除試験は、試験場に試験用車両がない場合が多く、受験者が自分で試験規格に準じた車両を用意して試験場まで回送しなければなりません。車両の回送方法としては、牽引した状態で既に免許を有する者が自走で持ち込む方法か、別途トレーラーの回送を車載車等を保有している陸送業者に依頼する方法がありますが、いずれもコストと手間がかかるため、受験のハードルは非常に高いです。
牽引免許の小型トレーラー限定についても同様に、受験者が試験場へ車両を持ち込む形で試験が行われます。これらの特殊な限定免許の解除は、一般の教習所では対応していない場合が多いため、事前に最寄りの運転免許試験場に問い合わせて、試験用車両の有無や持ち込み手続きの詳細を確認することが必須です。自衛隊車両限定大型免許の限定を解除すると、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上の大型車が運転可能になるため、民間の運送業へ転職する際にも有利になります。
限定免許解除における一発試験と教習所通学の最大の違いは、費用と確実性のバランスです。一発試験は2,850円という低コストで挑戦できる一方、合格率が低く、技能試験の減点ポイントを熟知していないと何度も不合格になるリスクがあります。不合格のたびに同額の受験料が必要で、事前練習として免許センターの練習場を利用すると50分で約1万円かかるため、結果的に教習所より高額になるケースも少なくありません。
教習所に通う場合は、規定の技能講習を受けた後に修了検定を受ける形式で、段階的な指導により確実に技能を習得できます。合宿免許を利用すれば約6〜10万円、通学でも6〜12万円程度で、短期間で効率よく限定解除を完了できます。教習所では指導員が減点されやすいポイントを丁寧に教えてくれるため、運転技術に自信がない方や確実に一回で合格したい方には教習所が推奨されます。
一発試験が向いているのは、既に運転経験が豊富で技能に自信がある方や、費用を最小限に抑えたい方です。特に、普通自動車のAT限定解除程度であれば、事前に練習を積めば一発試験での合格も十分可能です。一方、中型8t限定や準中型5t限定の解除など、車両サイズや重量が大きく変わる場合は、車両感覚を養うために教習所での段階的な練習が効果的です。自分の運転技術レベルと予算、時間的余裕を総合的に判断して、最適な方法を選択することが重要です。
2025年以降、運転免許制度は大きな変革期を迎えており、限定免許に関する複数の重要な改正が実施・予定されています。最も影響が大きい改正は、普通免許の教習が原則AT限定となり、MT車を運転したい場合は追加講習と技能審査を受ける形に変更されたことです。全員がAT教習からスタートし、MTは後から取得する形になったため、免許取得の流れが根本的に変わりました。
参考)2025年運転免許制度改正|企業が押さえるべきポイントと対応…
2026年度以降には、準中型・中型・大型免許にもAT限定制度が順次導入される予定です。具体的には、貨物運送向けにAT大型(11t以上)、AT中型(7.5〜11t未満)、AT準中型(3.5〜7.5t未満)の3区分、旅客運送向けにAT大型2種(30人以上)、AT中型2種(11〜29人)の2区分が新設されます。この改正により、トラックやバス業界の深刻な人手不足に対応し、より多くの人が職業ドライバーとして活躍できる環境が整備されます。
また、2025年には特定小型原動機付自転車という新しい免許区分も新設されました。電動キックボードなどが対象で、最高速度20km/h、16歳以上で講習のみで取得できる手軽な免許です。原付免許(50cc以下)自体も、将来的に125ccバイクの高速道路走行解禁が検討されており、小型バイク市場の活性化が期待されています。マイナンバーカードと運転免許証の一体化(マイナ免許証)も2025年3月24日から開始され、運転免許制度全体がデジタル化・利便性向上の方向に進んでいます。
参考)【2025年版】道路交通法の改正ポイントと免許取得への影響
<参考リンク:2025年の運転免許制度改正の全体像について>
2025年運転免許制度改正|企業が押さえるべきポイントと対応策
限定免許で運転できる車両の範囲を正確に理解することは、日常生活や仕事で適切に免許を活用するために極めて重要です。普通免許では、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2.0トン未満、乗車定員10人以下の車しか運転できませんが、準中型免許では車両総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満まで拡大します。中型免許になると車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満、乗車定員30人未満まで運転可能となり、小型トラックから中型バスまで幅広い業務用車両を扱えます。
参考)運転免許の区分と種類を全て紹介!それぞれの特徴や運転できる車…
AT限定免許の場合、運転できるのはオートマチック車のみに限定されますが、2025年現在、乗用車の9割以上がAT車であるため、日常生活では不便を感じることはほとんどありません。ただし、一部の商用車や建設車両、古い車種などではMT車が主流の分野もあるため、将来的に職業として車を運転する可能性がある場合は、AT限定解除を検討する価値があります。中型8t限定免許は、4トントラックまで運転できるため、配送業や引っ越し業での活用が可能で、限定解除により更に大きな車両の運転が可能になります。
普通自動車免許(AT限定含む)で運転できる車両は、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2.0トン未満、乗車定員10人以下という3つの条件をすべて満たす必要があります。具体的には、一般的な乗用車(セダン、ミニバン、SUVなど)、軽自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車が該当します。小型特殊自動車とは、農業用の小型トラクターやフォークリフトなど、最高速度15km/h以下の特殊車両を指します。
参考)運転免許の種類|通学制免許|大学生協事業連合 関西北陸地区
普通免許のAT限定では、クラッチ操作が不要なオートマチック車のみが運転可能ですが、現代の乗用車市場ではAT車が圧倒的に主流であるため、実用上の制限はほとんどありません。ただし、レンタカーでスポーツカーを借りたい場合や、海外でMT車をレンタルする場合、一部の商用バンや軽トラックなど、MT車のみのモデルが存在する場合は運転できません。こうした特定のニーズがある場合は、AT限定解除を検討すると良いでしょう。
2007年の法改正前に普通免許を取得した方は、自動的に中型8t限定免許に格上げされており、車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満の車両を運転できます。これは4トントラック程度まで対応できるため、引っ越し業や配送業での活躍の場が広がります。一方、2017年3月12日以降に普通免許を取得した方は準中型5t限定が自動付与されますが、運転できる範囲は従来の普通免許と同じ3.5トン未満です。自分がいつ免許を取得したかによって運転可能な車両が異なるため、免許証の記載内容を確認することが重要です。
参考)準中型免許と運転可能な車種について - 埼玉県警察
二輪車の限定免許は、排気量によって走行できる道路に制限があります。原付免許(50cc以下)では、時速30km/h制限、二段階右折義務、タンデム走行不可、高速道路走行不可という厳しい制限が課されます。一方、小型限定普通二輪免許(125cc以下)にアップグレードすると、時速30km/h制限が解除され、二段階右折義務もなくなり、タンデムシートやタンデムステップ等を備えた車両であれば二人乗りも可能になります(免許取得後1年未満は除く)。
125ccクラスは、50cc並に維持費が安く、任意保険もクルマのファミリーバイク特約で加入できるため、コストパフォーマンスに優れています。燃費が良く、パワーもあるため、一般的に幹線道路などでも交通の流れに乗って走行でき、都市部の通勤では「通勤快速」として大活躍します。ただし、125ccでも高速道路の走行は不可ですが、今後125ccバイクの高速走行解禁が検討されており、将来的に利便性がさらに向上する可能性があります。
普通二輪免許(400cc以下)と大型二輪免許(400cc超)の違いは、排気量だけでなく、乗車できるバイクの種類の幅広さにあります。大型二輪免許を取得すると、大型二輪車、普通二輪車、小型二輪車(各車MT車とAT車)、原動機付自転車すべてが運転できるため、バイク趣味を極めたい方には最終目標となります。AT限定の場合は各排気量のオートマチック車のみに制限されますが、スクーター専用であれば通勤・通学には十分で、取得期間も短縮できます。
中型免許と大型免許は、業務用車両を運転するための重要な資格で、それぞれ運転できる車両の範囲が明確に定められています。中型免許では、車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満、乗車定員11人以上30人未満の中型自動車が運転でき、マイクロバスや中型トラックなどが該当します。取得条件は20歳以上で、普通・準中型・大型特殊免許のいずれかを取得し、かつ通算2年以上の運転経歴が必要です(免許停止期間は除く)。
参考)中型免許とは。取得条件や運転可能な自動車範囲、限定解除方法に…
大型免許を取得すると、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上の大型車両が運転可能になり、大型トラックや観光バスなど、物流・旅客運送業の中核を担う車両を扱えます。中型免許や大型免許にも、2026年度以降AT限定制度が導入される予定で、AT大型、AT中型、AT準中型といった新しい区分が設けられます。これにより、MT車の運転に不安がある方でも大型車両を運転できるようになり、人手不足が深刻な運送業界への就職のハードルが下がります。
参考)普通自動車免許とは。運転免許の区分と種類について|東京海上ダ…
中型8t限定免許は、2007年の法改正以前に普通免許を取得した方に自動的に付与された経過措置の免許で、車両総重量8トン未満の車両を運転できます。4トントラックまで対応できるため、宅配便や引っ越し、建設資材の運搬など、幅広い業務で活躍できます。限定を解除して中型免許にすると、さらに大きなトラックや11〜29人乗りのマイクロバスも運転できるようになり、キャリアの選択肢が大きく広がります。運送業や建設業への就職・転職を考えている方は、早めに限定解除を行うことで、より良い条件の求人に応募できる可能性が高まります。
<参考リンク:中型免許の取得条件と運転可能な車両の詳細>
中型免許とは。取得条件や運転可能な自動車範囲、限定解除方法
大型特殊免許を取得すると、建設現場、農業、物流倉庫など、さまざまな業務現場で活躍する特殊車両を運転できるようになります。大型特殊自動車は、全長12m以下、全幅2.5m以下、全高3.8m以下という寸法要件があり、最高速度や排気量に制限はありませんが、時速49キロ以上は危険とされています。具体的には、ショベルカー、ブルドーザー、クレーン車、フォークリフト、ロードローラー、除雪車などが該当します。
農耕車限定免許では、トラクター、コンバイン、田植機など、農業専用の特殊車両のみを公道で運転できます。農業で最も利用度が高いトラクターの大半は車両総重量が5トンを超えるため、普通免許では運転できず、大型特殊免許(農耕車限定)が必要です。農業大学校などで講習を受けた後、運転免許試験場で実技試験を受けて取得しますが、試験場に試験用車両がない場合は持ち込み受検になるため、ハードルが高い面もあります。
参考)大型特殊自動車とは|ロイヤルドライビングスクール広島
大型特殊免許(限定なし)を取得すると、農耕車やカタピラ車だけでなく、建設機械や物流機器など、業務用の特殊車両全般を運転できるため、建設業、製造業、物流業など幅広い業界で活躍の場が広がります。特にフォークリフトは物流倉庫や工場で不可欠な機械であり、大型特殊免許保有者は人材価値が高く評価されます。農業や自衛隊以外の分野でもキャリアを築きたい場合は、限定なしの大型特殊免許を目指すことで、転職や再就職の選択肢が大きく広がります。
サポートカー限定免許で運転できる車両は、一定の要件を満たす衝突被害軽減ブレーキ等の安全運転支援装置を備えた普通自動車に限定されます。具体的には、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置などの先進安全技術が搭載された車両が対象です。高齢者の運転事故の原因として多い、ブレーキとアクセルの踏み間違いや前方不注意による衝突を防ぐため、これらの安全装置が義務付けられています。
対象車両は、警察庁のウェブサイトで公開されているメーカー別対象車両リストで確認できます。2025年10月時点で、国産車はスズキ(2025年10月2日更新)、スバル(2025年6月12日更新)、ダイハツ(2025年6月5日更新)、トヨタ(2023年12月19日更新)、日産(2025年10月30日更新)、ホンダ(2025年3月18日更新)、マツダ(2025年7月25日更新)、三菱(2025年4月1日更新)の8社が対応しています。輸入車は、テスラ(2025年4月16日更新)、ボルボ(2023年11月29日更新)、BYD(2025年7月24日更新)の3社が対応車両を提供しており、各リストは随時更新されています。
サポートカー限定免許は、加齢に伴う身体機能の低下により運転に不安を感じる高齢運転者が、安全性の高い車両に限定することで運転を継続できるようにする制度です。ただし、サポートカーであっても車の機能を過信することなく、安全運転に努めることが求められます。サポートカー限定免許にした方がサポートカー以外の自動車を運転した場合は条件違反となり、罰則の対象となるため、自分が運転する車両が対象リストに含まれているか、購入前や運転前に必ず確認する必要があります。