エクシーガの最大の特徴は、7人がしっかり乗れる高い居住性です。セカンドシートに180mmのロングスライド機能を搭載し、乗員全員が快適に過ごせるよう設計されています。特にサードシートまでのすべての座席から見晴らしが良い「シアターシートレイアウト」を採用しており、後部座席の乗客の視界をいかに開放的にするかという観点から設計されました。
独特な点として、セカンドシートから天井までの開口部を確保し、全席で開放感を感じられるようにしたパノラミック・ガラスルーフがメーカーオプションで設定されていました。この大型ガラスルーフはグループドライブでの同乗者の満足度を大きく高め、ユーザーからは「パノラミックルーフが奇跡的」という評価も受けています。
室内空間の活用性も工夫されており、セカンドシートには片手で簡単に可倒できるウォークイン機構が装備されました。サードシートにはリクライニングとフォールドダウン機構があり、シートを前に倒すことで広くフラットな荷室を実現できます。4人乗りの小型ミニバンでは実現できない、正真正銘の7人乗車が可能な設計となっています。
スバルの最大の特徴である水平対向エンジンは、低重心化による安定性と、独特な振動特性により滑らかな運転を実現します。エクシーガでは2.0L、2.5L、2.0Lターボの3つのパワーユニットが用意され、用途に応じた選択が可能でした。2.0Lターボ搭載の「2.0GT」モデルは225馬力を発生し、ミニバンとしては十分なパフォーマンスを備えていました。
燃費性能については、JC08モード基準で2.0Lエンジン搭載車は14.0km/L、ターボ車でも12.0~12.2km/Lと、同クラスのミニバンとしてはバランスの取れた数値です。リニアトロニック(CVT)の採用により走行性能と環境性能を大幅に向上させ、平成27年度燃費基準達成モデルも設定されました。実際のユーザーレビューでも「高速道路での安定感は文句なし」「雨の日や雪の日の走行安定性が優れている」という評価が多く、スバル車らしい走りの評判が高いことがわかります。
エクシーガは2018年に販売を終了してから複数年が経過しているため、中古市場では一定の値落ちが見られます。2024年9月~2025年2月の全国中古車オークション落札実績によると、エクシーガの買取相場は平均82.7万円となっており、グレードや年式、走行距離によってばらつきがあります。
年式別では2015年式で25万円~58.5万円、2008年式(17年落ち)では9.5万円~17.5万円の相場が形成されています。下取り相場は買取相場より若干低くなる傾向にあります。高年式で走行距離が少ないモデルほど高値で取引されており、EyeSight搭載モデルやスペックB、特別仕様車は相対的に高い評価を受けています。
中古車を検討する際には、複数の車買取業者に査定依頼することで、より正確な相場判断と高額買取の可能性が高まります。同じ年式・走行距離でも業者による評価差が数万円~数十万円生じることもあり、比較検討の重要性が高いです。
スバルは2015年4月にミニバンから大きく路線変更し、エクシーガ クロスオーバー7を発売しました。これはミニバンの快適性とSUVの走破性を兼ね備えたクロスオーバーSUVへの進化を意味します。最低地上高を従来の130mm程度から170mmに引き上げ、全幅も1,775mmから1,800mmに拡大されました。
エクシーガ クロスオーバー7の特徴は、フロント・リアのクラッディングやルーフレール、ブラック塗装の17インチアルミホイールを採用してSUVらしい力強さを表現しながら、7人乗りの居住性を維持した点です。新開発の専用サスペンションを採用し、シンメトリカルAWDを標準設定することで、ミニバンでは実現が難しいオフロード走行性能も備えました。
しかし2017年12月のオーダーストップ、2018年3月の販売終了によって、スバルのミニバン・クロスオーバーミニバン市場からの撤退が実現しました。後継車は設定されず、市場ではアウトバックが事実上の受け皿となりました。この決定により、スバルはコンパクトなSUVであるXV系やよりラージサイズのアウトバックに経営資源を集中させる戦略にシフトしました。
実際のエクシーガオーナーからの評価を見ると、「7人乗りなのに本当に乗れる」という高い満足度が目立ちます。一般的なミニバンは3列目が非常に狭いことが多いのに対し、エクシーガは「思ったより快適」と評価されています。「高速走行時の安定性と乗り心地が想像以上に良好」「雨や雪の日でも安心して運転できる」といった、スバル車らしい操舵性能と安定性への評価が高いです。
ユーザーの悩みとしては「燃費がもう少し良ければ」という指摘が複数見られます。特にターボ車での高速走行では、ガソリン消費が気になるユーザーも存在します。ただし「ワゴン車までいらないが、何かの時の7人乗り」という需要に対して、完璧に応える車という位置づけで高く評価されており、中古車市場での一定の需要が存在する理由となっています。
長期所有ユーザーからは「9年半の所有で信頼性が高い」「200万円を切る価格設定のミニバンとしては充実した走り」という実用性を重視した評価も寄せられています。
参考リンク:エクシーガについて詳しい情報
スバル・エクシーガ - Wikipedia(開発経緯、全モデルの歴史的変遷、生産終了までの経過について詳細に記載)
エクシーガ(スバル)のモデル・グレード別カタログ情報 - グーネット(全グレードの仕様、価格、各世代モデルの詳細スペック比較が可能)