トヨタのレーントレーシングアシスト(LTA)は、レーダークルーズコントロールの作動中に車線中央を走行できるようステアリング操作をサポートする機能です。フロントウインドウ上部に装備された単眼カメラで道路の白線を認識し、クルマがセンターを走行するようにステアリングを自動で操作します。
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この機能は高速道路や自動車専用道路での使用を想定しており、レーダークルーズコントロールと組み合わせることで、加速から減速、停止はもちろん、白線の中央をキープするようなステアリング操作を自動で行います。ドライバーはハンドルをしっかり握っている必要があり、ハンドル操作をしなかったり握っていない状態が続くと注意喚起が行われ、機能が一時的に解除されます。
参考)LTA(レーントレーシングアシスト)
渋滞時など車線が見えにくい場合は、先行車や周辺車の軌跡を利用して支援を行う点も特徴的です。レーントレーシングアシストは2018年1月にマイナーチェンジされた30系アルファードとヴェルファイアに初めて採用され、現在ではトヨタの多くの車種に標準またはオプションで設定されています。
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日産のプロパイロットは、高速道路や自動車専用道路での単一車線走行時にアクセル・ブレーキ・ステアリング操作を支援するシステムです。2016年に新型セレナで登場し、渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンに対応してドライバーの負担を軽減します。
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プロパイロットには「プロパイロット」「プロパイロット1.5(ナビリンク機能付き)」「プロパイロット2.0」の3種類が存在します。基本的なプロパイロットは、単眼カメラで車線を認識して車線中央付近を維持し、先行車との距離を保つよう車両を制御します。最大時速120キロまで対応しており、先行車が停止するとブレーキをかけて停止し、発進時はドライバーがスイッチまたはアクセルでシステムに合図を送ることで追従を再開します。
参考)https://221616.com/guide/safe/propilot/
プロパイロット1.5はナビゲーションシステムと連動し、前方のカーブで前もって減速したり、ナビ情報や標識検知機能で認識した速度を設定速度に反映する機能を備えています。操作はステアリングについている「PILOT」ボタンを押して追従速度を設定するだけと、非常にシンプルです。
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プロパイロット2.0は、高精度地図データと360度周囲センシングによって同一車線内でハンズオフ(手放し運転)が可能になった点が最大の特徴です。ドライバーが常に前方に注意し、道路・交通・自車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限り、時速40キロ以上でのハンズオフが可能となります。
参考)日産|先進技術紹介|プロパイロット 2.0
プロパイロット2.0は自動運転レベル2に分類され、手放し状態でも運転操作の主体・責任はあくまでドライバーにあります。速度条件は基本的に制限速度内ですが、カメラで認識した速度標識のプラス10キロまで対応しているため、実勢速度でも幅広い領域でハンズオフの恩恵を受けられます。また、追い越し時の車線変更支援機能やルート走行中の分岐支援機能も備えており、ドライバーがハンドルに手を添えてスイッチ操作で承認することで車線変更を支援します。
参考)日産:セレナ [ SERENA ] ミニバン/ワゴン
一方、トヨタのレーントレーシングアシストは基本的にハンズオフ機能を持たず、ドライバーは常にハンドルを保持する必要があります。ただし、一部の上級車種では時速40キロまでの渋滞時に一定の条件を満たすとハンズオフが可能になるアドバンストドライブという機能が搭載されています。
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日産公式サイト プロパイロット2.0詳細
プロパイロット2.0の技術的な詳細とハンズオフ機能の作動条件について、公式の説明が参照できます。
レーントレーシングアシストは、アクア、カローラスポーツ、ヤリス、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、シエンタ、ノア、カローラ、クラウン、プリウス、MIRAI、カローラツーリング、カローラクロス、ハリアー、bZ4X、ヤリスクロス、RAV4、ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、GRカローラ、GRヤリスなど、トヨタのほぼすべての乗用車に標準またはオプションで設定されています。センチュリーセダンはレーダークルーズコントロールは搭載していますが、レーントレーシングアシスト機能は設定されていません。
プロパイロットは、リーフ、セレナ、エクストレイル、ノート、オーラ、アリアなど日産の人気車種を中心に採用されています。プロパイロット2.0は、スカイライン、セレナ、アリアなどの上級グレードに搭載されており、特にセレナは時速40キロ以上でハンズオフ機能が使えるミニバンとして世界初の採用となりました。
価格面では、軽自動車のルークスでプロパイロット搭載グレードは約200万円からとなっており、プロパイロット2.0搭載車種はさらに高価格帯になります。トヨタのレーントレーシングアシストは幅広い車種に標準装備されているため、比較的リーズナブルな価格帯から利用できます。
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レーントレーシングアシストとプロパイロットは、どちらも運転支援システムであり自動運転ではありません。ドライバーは常に前方に注意を払い、必要に応じて適切な操作を行う責任があります。
参考)プロパイロットに関する注意事項
プロパイロットは急カーブや曲がりくねった道、急勾配の坂道では使用を避ける必要があります。直線路や緩やかなカーブ路での使用を想定して設計されているため、急カーブでは車線中央付近を維持できなくなる可能性があります。また、急な下り坂では設定車速を超えてしまったり、ブレーキが過熱して十分な減速ができなくなるおそれがあります。
レーントレーシングアシストも高速道路や自動車専用道路での使用が推奨されており、ハンドル操作をしなかったりハンドルをしっかり握っていない状態が続くと注意喚起が行われて機能が解除されます。プロパイロット2.0のハンズオフ機能は、ドライバーモニターがよそ見や居眠りを検知すると警告ののちにキャンセルされ、GPSを受信できないトンネルや工事区間、ワイパーの連続作動時も同様に機能が制限されます。
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両システムとも、あくまで運転支援であり脇見運転やぼんやり運転を補助するものではないため、常に安全運転を心がけることが重要です。
トヨタ公式サイト 高速道路走行時の安全機能
レーントレーシングアシストを含むトヨタの高速道路走行支援機能の詳細と使用上の注意点について説明されています。