カンガルーバーは国土交通省が許可している指定部品であり、保安基準を満たしていれば構造変更手続きなしで車検に通ります。最も重要な基準は、装着後の車両全長と全幅が規定の範囲内に収まっていることです。多くの市販品カンガルーバーは保安基準に適合した造りになっているため、対応車種を間違えず正しく取り付ければ問題なく車検を通過できます。
ただし、注意すべき点として、カンガルーバーによってヘッドライトやウインカーが見えづらくなる場合は、構造等変更手続きが必要になる可能性があります。これは視認性が落ちると事故の原因となるため、検査官が厳格にチェックする項目です。溶接やリベット固定ではなく、ボルト固定で適切に装着することが求められます。
カンガルーバーが1990年代のRVブーム時代に日本で流行したのは、アウトドア感を演出するファッション装備として機能していたからです。しかし、都市部での対人事故時に歩行者や自転車利用者に与えるダメージが大きくなるという安全上の懸念が、メーカーの自主規制へつながりました。オーストラリアなどで野生動物との衝突を想定した堅牢な金属製とは異なり、日本で販売されているカンガルーバーはABS樹脂やプラスチック素材を使用し、歩行者衝突時の衝撃軽減を考慮した設計になっています。
この安全性への配慮により、日本国内で販売される市販品の耐久性は意図的に低く設計されているため、野生動物との衝突時に簡単に壊れることになります。つまり、カンガルーバー本来の用途である野生動物からの保護という機能は、日本国内では事実上失われているということです。
カンガルーバーを後付けする際は、対応車種を確認してから適切な固定方法で取り付けることが重要です。ボルト固定が標準的であり、溶接やリベットによる固定は構造変更手続きが必要になる可能性があるため避けるべきです。車検に通すには、装着後の車両寸法・重量が大きく変わらないことが条件となります。
見過ごされやすい注意点として、カンガルーバーによってスモールライトやフォグランプの視認性が損なわれないか確認する必要があります。特にヘッドライトやウインカーが暗くなったり、隠れたりすると、検査官の指摘を受けます。正規の社外品メーカー製品を選び、自分の車種に対応しているか必ず確認してから購入することをお勧めします。
カンガルーバーの衰退は、単なる安全基準の強化だけではなく、自動車のデザイン思想の変化に関連しています。1990年代のRV全盛期には、無骨で武骨なカンガルーバーはアウトドア仕様の車のイメージと完全に一致していました。しかし、2000年代以降の都市型SUVブームでは、洗練された流麗なデザインが主流となり、カンガルーバーのゴツゴツとした見た目は新型車のスタイリングと調和しなくなったのです。
加えて、燃費性能の重視という市場トレンドも影響しています。カンガルーバーは金属製で重量があり、走行性能に悪影響を及ぼす可能性があります。環境規制の厳格化に伴い、自動車メーカーは燃費向上を最優先課題とするようになり、不必要なエアロパーツの排除が進みました。その結果、日本ではカンガルーバーを標準装備する新型車がほぼ消滅しました。
オーストラリア、南米、北米などの野生動物との衝突事故が日常的に発生する地域では、カンガルーバーは今も多くの自動車メーカーで純正オプション扱いされています。体重が100kg以上のカンガルーや300kgを超える野生の牛との衝突は、車両走行不能に直結し、救急車の到着も困難な僻地での重大事故につながるため、カンガルーバーは実用性の高い安全装備なのです。
これらの地域ではカンガルーバーに鉄やアルミなどの耐久性の高い素材が使用され、野生動物からの実際の保護機能を備えています。日本の法規制や安全思想とは大きく異なり、海外での用途・設計・認識は大きく異なるという点が、日本国内での状況理解を難しくしている要因の一つです。
参考リンク:カンガルーバーの保安基準適合性および装着方法について、日本国内の法規基準を確認できます。
カンガルーバーとは?衰退した理由や後付けの注意点を解説|カーナレッジ
参考リンク:車検合格のための装着ポイントや歩行者安全性に関する詳細な解説が記載されています。
カンガルーバーはなぜ消えた?今は車検に通るのか?目的や機能についても - MOBY
単語リスト分析による構成。

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