ダイハツが2013年の第43回東京モーターショーで初公開したデカデカは、軽自動車の枠組みを最大限に活用した革新的なコンセプトカーです。全長3395mm×全幅1475mmと軽自動車規格いっぱいのサイズに、全高1850mmという異例の高さを組み合わせることで「スーパースペース」という新カテゴリーを提案しました。
参考)全高href="https://kuruma-news.jp/post/952881" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/952881quot;約1.9mhref="https://kuruma-news.jp/post/952881" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/952881quot;! ダイハツの背高すぎ「href="https://kuruma-news.jp/post/952881" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/952881quot;超スーパーハイト…
開発の背景には、タントやN-BOX、スペーシアなどスーパーハイトワゴン系の競争が激化する中で、元祖スペース系のダイハツとして新しい価値を生み出す必要性がありました。タントよりもさらに100mm高い全高を設定することで、高さ方向の活用を徹底的に追求したのが特徴です。
参考)【東京モーターショー13】ダイハツ デカデカ…高さにスペース…
デカデカの室内高は1455mmを確保し、一般的なゴルフバッグであれば立てたまま積載できる設計になっています。地面からドア開口部上端までの高さも1700mmと非常に高く、大人も子どもも乗り降りしやすい構造を実現しました。
デカデカ最大の特徴は、車体左側に設置された観音開きドアです。このピラーレス構造のドアは135度まで大きく開き、大型の荷物も積載しやすく、取り出しも容易になっています。リアハッチの開口部も非常に大きく設計されており、積載能力の高さが際立ちます。
参考)ダイハツから今秋発売予定の新型軽自動車 コンセプト デカデカ…
観音開きドアの採用により、車椅子の乗せ入れも容易になるなど、バリアフリー車両としての側面も持ち合わせています。室内には35インチの大型液晶モニターを設置できる設計になっており、パソコンと接続すればフォト編集スタジオとしても活用できます。
参考)コンセプトカー ダイハツ デカデカ 10時00分配信【東京モ…
ただし、市販化されたウェイクでは安全性の問題から観音開きドアは一般的なスライドドアに変更されました。コンセプトカーとしてのデカデカは未来的で先進的なデザインを追求していましたが、実用性とのバランスを考慮した調整が行われたのです。
参考)デカデカとは? ダイハツのスーパーハイトワゴンの未来形?詳し…
デカデカのターゲット層は、従来のタントがファミリー層を主眼に置いていたのとは異なり、週末のアウトドアライフを楽しむ若者やヤングファミリー、アクティブシニアなど、より幅広い層を想定しています。特にアウトドアで使う男性ユーザーを意識したハードな設計が特徴です。
参考)【東京モーターショー13】ダイハツ デカデカ…男性を意識した…
車内のシートアレンジは標準パターンだけで6通りあり、完全フラット化されたフロア上でこれらを組み合わせることで、室内空間を自由にアレンジできます。一人乗りで大荷物を積んだり、4人乗りで移動したり、駐車時には車内でデスクワークができるなど、使い方は無限大です。
参考)【東京モーターショー09】ダイハツ デカデカ…限られた空間を…
ミニバンからのダウンサイズを考える人にとって、タントでもまだ室内容量が足りないという不満に応える形で、軽自動車で最大の室内空間を狙ったのがデカデカのコンセプトでした。ムービングショップや移動オフィス、バイクカーゴやサーフコンテナなど、オーナーの創造力次第で多様な使い方が可能です。
参考)ダイハツ「ウェイク」がたった1世代で終わる事情 タント上回る…
デカデカは2014年11月に「ウェイク」として市販化されましたが、いくつかの変更が加えられています。最も大きな違いは全高で、デカデカの1850mmに対してウェイクは1835mmとわずかに低くなりました。デザイン面でも、デカデカの未来的で先進的なスタイルから、ウェイクは実用性を重視したシンプルなデザインに調整されています。
ドア構造については、デカデカの観音開きドアがウェイクでは一般的なスライドドアに変更されました。これは安全性と実用性を考慮した現実的な判断と言えます。しかし、ウェイクも高い室内空間を維持しており、室内高1455mmは軽自動車の中で最も高い水準を実現していました。
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ウェイクは「ワクワクした気持ちを呼び覚ますクルマ」という思いを込めて名付けられ、玉山鉄二さんを起用したポップなCMでも話題になりました。軽自動車で最大の室内空間を武器に、車中泊や長尺物の積載ができる利点を打ち出していましたが、2022年8月に1世代限りで生産終了となっています。
デカデカが提案した「高さ方向の活用」という発想は、軽自動車選びにおける新しい基準を示しました。従来のミニバンユーザーがタントなどに乗った際に感じていた「ヒップポイントが低く窓が広いことによる不安」を解消するため、デカデカではヒップポイントを高めに設定しています。これにより、見晴らし感や開放感を不安なく味わえる設計になっています。
軽自動車は単なる「生活の足」や「子育て支援」という道具としての役割だけでなく、ライフスタイルを意識したクルマとしての可能性を秘めています。スズキのハスラーがヒットしたように、楽しさを追求した軽自動車の登場はマーケットを活性化させる力があります。
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デカデカのようなコンセプトカーは、将来的にバラエティ豊かな使い方ができる軽ミニバンの市販モデルとして登場する可能性を示唆しています。走行可能な実装エンジンとサスペンションを備えた完成度の高いコンセプトカーとして、デカデカは軽自動車の未来形を提案し続けています。
現在の軽自動車市場では、タント、N-BOX、スペーシアなど全高1750mm~1800mmのスーパーハイトワゴンが人気を集めていますが、それらをさらに上回る全高を採用したデカデカのアイデアは、これからの軽自動車開発に大きな影響を与える可能性があります。室内空間の広さと機能性を最大限に追求する姿勢は、自動車メーカー各社が注目すべきポイントと言えるでしょう。
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