チェロキー トレイルホークは、ジープブランドの中でも特に優れたオフロード性能を持つモデルです。ラングラーを除くジープのSUVにおいて、厳しいオフロード性能試験に合格したモデルにのみ与えられる「トレイルレイテッド」の称号を持ち、フェンダー部分には赤い「Trail Rated」バッジが輝きます。
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トレイルホークの基本スペックは、全長4665mm×全幅1905mm×全高1740mmで、車両重量は1910kgとなっています。このサイズ感が日本の道路事情に絶妙にマッチしており、グランドチェロキーでは大きすぎ、レネゲードやコンパスでは物足りないという方に最適なサイズです。前後のオーバーハングを短くすることでアプローチアングルとデパーチャーアングルを稼ぐというジープの設計思想が、現代の交通事情にも合致しているのです。
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搭載されるエンジンは、ラングラーと同型の2.0L直噴ターボエンジンで、最高出力272馬力、最大トルク40kgmという力強いパフォーマンスを発揮します。特にトルクの太さは素晴らしく、高速道路を120km/hで巡航する際のエンジン回転数は2100回転と低く、エキゾーストノートも低く抑えられているため、言われなければディーゼルターボと思うほど静かです。トランスミッションは9速ATを採用し、燃費はJC08モードで10.4km/Lを記録しています。
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トレイルホークは、オフロード性能を高めるための専用装備が充実しています。まず、セレクスピードコントロール(ヒルディセントコントロール/ヒルアセントコントロール)を搭載しており、急勾配の登り坂や下り坂を一定の速度で安定して走行できます。このシステムは、オフロードを走行中に自動的にエンジントルクやブレーキを制御して、ドライバーがアクセルやブレーキを操作しなくても安全な速度を維持してくれます。
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前後にトルクを配分し、自動で4×4にシフトする「アクティブドライブロック」システムも搭載されています。このシステムにより、路面状況に応じて最適なトラクション制御が自動で選択されます。また、悪路走破性を高めるため、フューエルタンク、トランスファーケース、フロントサスペンション、アンダーボディなど各部にスキッドプレートを装着し、厳しいオフロード環境でも車体を保護します。
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17インチの専用デザインアルミホイールに245/65R17のオールシーズンタイヤを装備し、最低地上高は220mmを確保しています。これにより、岩場や起伏の多い路面でも優れたトラクションを発揮します。実際の試乗では、雨で泥沼と化したコースを難なく走破し、操る喜びさえもたらしてくれる本格的なオフロード性能を持つことが確認されています。
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トレイルホークには「セレクテレイン」と呼ばれる走行モード選択システムが搭載されており、路面状況に合わせて5つのモードから選択できます。具体的には「AUTO」「SNOW」「SPORT」「SAND/MUD」「ROCK」の各モードがあり、それぞれの路面状況に最適化されたトラクション制御を行います。
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通常のオンロード走行では「AUTO」モードを使用しますが、路面状況が予め分かっている場合はそれに合ったモードを選ぶことで、より確実な走行が可能になります。例えば、泥や砂利が多いオフロードコースでは「SAND/MUD」モード、岩場では「ROCK」モードを選択することで、エンジンの出力特性やトラクション制御が最適化されます。
さらに、センターコンソールにある「4WD LOW」スイッチでローレンジに切り替えることができます。ローレンジは、通常の変速機にもう一つの減速ギアを組み合わせることで、オフロードをゆっくりパワフルに走れる機構です。アップダウンの激しい土の路面や、泥や砂利が所々にある厳しいオフロード環境でも、このローレンジとセレクテレインの組み合わせにより、確実な走破性を発揮します。
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トレイルホークは、他のグレードとは異なる個性的な専用エクステリアデザインを採用しています。最も目を引くのがボンネットのブラックデカールで、一見するとカーボンボンネットに換えたレーシングカー風の印象を与えます。フロントグリルもブラックアウトされており、ナチュラルグレーのアクセントカラーと組み合わせることで、精悍な雰囲気を醸し出しています。
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フロント下部には赤く塗られた牽引フックが装備され、タフなアクセントとなっています。また、卓越した悪路走破性の持ち主であることを示す「Trail Rated」バッジには赤い縁取りがあしらわれ、専用の「Jeep」「Cherokee」バッジも同様にナチュラルグレーに赤い縁取りが施されています。
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車体を保護するスキッドプレートの視覚効果も相まって、本格オフローダーの血統を感じさせるスタイルとなっています。テールランプにはLEDを採用し、周囲からの視認性が向上しているほか、フォグランプもLED化されて被視認性を確保しています。鳥の翼のような形のクリアランスランプがフロントフェイスのアイキャッチとなり、ワイルドなイメージを強調しています。youtube
トレイルホークのインテリアは、レザーとスエードのインサートを組み合わせた「TRAILHAWK」ロゴ入りの専用シートを採用しています。レッドステッチをあしらったインテリアアクセントが、車内を上質な雰囲気で包み込みます。シートは革製で高級感があり、適度な硬さとホールド性を持ち、長時間のドライブでも座り疲れがほとんどないという評価を得ています。
参考)https://review.kakaku.com/review/70100910200/
全グレードに8.4インチの大型ディスプレイが標準装備されており、操作性と視認性に優れています。カーゴスペースはゴルフバッグを横積みにできる広さを確保し、ショッピングからアウトドアまで幅広く使えるスペースが用意されています。カーゴスペースの両側には小物が置けるポケットとランプが設置され、ドアの開け閉めに応じて点灯する便利な機能も備わっています。
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カーゴスペース左側のランプ下にはアクセサリーソケットが設置され、床下には17インチのスペアタイヤとジャッキが格納されています。リアシートは肩口のレバーを起こして左右分割で倒すことが可能で、大きく荷室を広げて多くの荷物を積み込むことができます。目隠しに使えるカバーはロール式で、取り外しも可能です。静寂性も高く、ロードノイズはあまり感じられず、快適なドライブ環境が実現されています。youtube
チェロキー トレイルホークの維持費について、まずガソリン代から見ていきましょう。トレイルホークを通勤などで1ヶ月に1000km走ると仮定すると、ガソリン代は約18,000円程度になります。指定燃料は全グレードでレギュラーガソリンとなっており、1リッターあたり126円程度で済みます。ヨーロッパ車のようにハイオク指定ではないため、一般的な輸入車と比べて1リッターあたり10~14円程度は燃料代を安く抑えることができます。
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272馬力を発揮するダウンサイジングターボを搭載しながらも、全グレードでレギュラーガソリンに対応している点は、維持費を抑えたい方にとって大きなメリットです。JC08モード燃費は10.4km/L、燃料タンク容量は60リットルとなっています。カタログ燃費通りに走行できれば航続可能距離は528kmですが、実燃費をカタログ燃費の80%と仮定すると、航続距離は420km程度になります。
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一方で、輸入車特有の注意点として、国産車と比べて部品代が高いことが挙げられます。ただし、一度部品を交換してしまえば長持ちする傾向にあります。車体はコンピューターで管理されており、何か問題がある度にすぐ警告灯が点灯するため、タイヤの空気圧低下やエンジンオイルの減少など、小さなトラブルも親切に教えてくれます。警告灯が点灯したらすぐに整備工場へ入庫して部品交換することが、重大な故障を予防し、車を長持ちさせる秘訣です。
参考)ジープグランドチェロキー中古車の故障・維持費・欠点・注意点
チェロキー トレイルホークの中古車を選ぶ際には、いくつかの重要なチェックポイントがあります。まず、始動時のエンジンのかかり具合を確認し、かかりが非常に悪い場合はスターターやクランク角センサー、点火系などの点検が必要です。アイドリング状態が悪い時には、センサー類の不具合が考えられるため、納車前にしっかりとチェックしてもらいましょう。
参考)チェロキーのかしこい選び方と買い方
チェロキーの弱点としてよく言われるのが「水廻りの不具合」です。大きなエンジンを搭載しているため、エンジンルーム内は非常に高温になり、その熱によりラジエーター、ウォーターポンプ、サーモスタット、ホース類などのゴム部品の劣化が進みやすくなります。中古車購入時には、これらの水廻りのコンポーネントをしっかりとチェックし、必要に応じて対応してもらうことが重要です。
販売台数が少なく情報が十分でない店では、「故障は少ないですよ」「外車なのでオイル漏れは当たり前ですよ」といった曖昧な説明をする場合もあるため注意が必要です。一般の中古車販売店で非常に低価格なチェロキーを見つけることもありますが、専門店でしっかりと整備されたものを選ぶことをおすすめします。車高が高いため乗り降りに注意が必要で、狭い駐車場に停める際は出来る限り輸入車の隣に停め、ドアパンチなどのトラブルを避けることも大切です。
参考)ジープチェロキー中古車の故障・維持費・欠点・注意点
チェロキー トレイルホークは、カスタムパーツの選択肢も充実しています。カスタムの王道である「ホイール交換」では、デザインをチョイスしてインチアップやカラーを変えることで、車のイメージを大きく変えることができます。ただし、チェロキーはPCDが110であるため、ホイールの選択肢がやや限られています。Savini Forged Luxury WheelsのBLACK di FORZA BM14のように、PCD・オフセット・ハブ径・ハブボルト径までオーダーできるホイールを選ぶと、デザインと機能性を両立できます。
参考)ジープ チェロキー KL カスタムまとめ - おすすめのカス…
エクステリアカスタムでは、Mopar(モパー)のUSA正規品である純正パーツのトレイルホーク ボンネットフードデカールなどが人気です。マフラーカスタムも走って楽しく、聞いて楽しく、見て楽しいカスタムとして注目されており、サウンドが変わるだけでなくパワー特性も変化します。海外通販サイトで購入できるbanks monster exhaustのようなマフラーは、約30,000円程度で手に入り、サビッサビになった純正マフラーの交換に適しています。
参考)ジープ チェロキー カスタムまとめ - おすすめのカスタムは…
ヘッドライトカスタムも人気で、定番のHID化、LED化だけでなく、インナーのブラックアウト化やイカリング装着など、多彩なカスタムが可能です。街乗り仕様にする場合は、タイヤを245/40にして純正直径サイズとほぼ同じに納めることもできますが、ホイールのフロントハブ取付面直径によってはブレーキキャリパーに接触する可能性があるため、事前に確認が必要です。これらのカスタムにより、自分だけのチェロキー トレイルホークを作り上げることができます。