アヴァンシアが中国で復活した理由は、中国市場の急速なSUV需要の拡大にあります。2015年以降、世界的なSUVブームの影響を受けて、中国でもスポーツ用途車人気が高まりました。かつてセダン中心だった中国市場も大きく様変わりしたのです。
ホンダが新型アヴァンシアを中国最上級SUVとして投入した背景には、プレミアム層向けの高級車市場を開拓する戦略がありました。CR-Vと比べてひとまわり以上大きなボディサイズで、アコードのプラットフォームを活用した上質な造りが特徴です。
新型アヴァンシアの最も目立つ特徴は、中国人好みのいかつく雰囲気を強調したフロントマスクです。大きく厳つい顔つきは、中国消費者の嗜好を徹底的に研究した結果の設計となっています。
ホイールアーチ周りや、ドア下部のプレスラインには力強いイメージが組み込まれ、ガッツリとした体躯を表現しています。ボディスタイルは、上海モーターショーで発表されたコンセプトDに准じており、未来的でありながら堅牢性も感じさせるデザインになっています。
インテリアについては、最上級セダン「アコード」を継承する都会的で上質なコーディネーションが施されており、ユーザーの満足度を高める工夫が随所に見られます。
新型アヴァンシアに搭載されるエンジンは、2リッターターボエンジンです。ホンダは中国市場において「FUNTEC」をキーワードとし、ターボエンジンによる最新テクノロジーと走る愉しさの融合を戦略コンセプトとしています。
最高出力は261馬力を発揮し、9速自動変速機との組み合わせにより、力強い加速性能と効率の良い走行特性を両立しています。駆動方式は4WDを採用し、あらゆる走行状況で安定した性能を提供します。
中国市場では燃費規制(CAFE)や新型エネルギー車規制法(NEV法)など、環境規制が年々厳しくなっており、ダウンサイジングターボエンジンはその対応策として重要な役割を果たしています。
アヴァンシアには、ホンダの最新安全支援技術「ホンダセンシング」が搭載されています。これは衝突軽減ブレーキ、車線逸脱警告、前走車追従制御、ふらつき警告など、複数の予防安全技術を統合したシステムです。
2820mmのホイールベースを備えた5人乗り設定により、ゆとりのある室内空間と快適性を両立しています。競合車としてはトヨタハイランダーやフォードエッジ、日産ムラーノなどが挙げられ、これらプレミアムSUV市場での競争を繰り広げることになりました。
アコードのプラットフォームを活用した堅牢な設計と、中国市場向けにカスタマイズされた装備・機能により、中国消費者のニーズに応える一台となっているのです。
ホンダの中国事業は、広州汽車グループとの合弁会社「広汽ホンダ」と、東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」により構成されています。アヴァンシアは広汽ホンダのフラッグシップモデルとしての役割を担います。
ホンダの中国本部長は、将来の中国市場戦略について「ダウンサイジングターボ、ハイブリッド車、さらにはプラグインハイブリッド車で対応していく」と述べており、アヴァンシアのプラグインハイブリッド版開発も期待される段階です。
2016年の世界初公開以来、アヴァンシアは中国でのホンダの重要なプロダクトポートフォリオを構成し、プレミアムSUV市場での地位確立に貢献しています。中国の規制環境が急速に変化する中で、ホンダはアヴァンシアを通じた市場開拓を継続しているのです。
ホンダ新型SUV「AVANCIER(アヴァンシア)」公式情報
https://global.honda/jp/news/2016/4160425b.html
参考:ホンダ公式サイトの北京モーターショー2016での新型アヴァンシア発表ニュースリリース。アヴァンシアのスペックや技術詳細、開発背景が詳細に記載されています。

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