アンチロックブレーキシステム一気に踏み込む正しい操作方法制動距離

緊急時にABSを最大限に活かすためには、ブレーキペダルを一気に踏み込むことが重要です。正しい操作方法を知らないと、せっかくの安全装置が機能しないことも。あなたは正しくABSを使えていますか?

アンチロックブレーキシステム一気に踏み込む

この記事で分かること
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ABSの正しい踏み方

緊急時にブレーキペダルを一気に踏み込むことでABSが正常に作動し、最短距離で停止できます

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作動時の振動と音

ABS作動中のペダルの振動や「ガガガ」という音は正常な動作で、踏み続けることが重要です

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路面条件による違い

乾燥路面では効果的ですが、雪道や凍結路面では制動距離が伸びる場合があります

アンチロックブレーキシステムの基本原理と一気に踏み込む理由


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アンチロックブレーキシステム(ABS)は、急ブレーキ時にタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことで、車両の進行方向の安定性を保ち、ハンドル操作による障害物回避を可能にする装置です。ABSを効果的に作動させるためには、できるだけ強くブレーキペダルを踏み続けることが必要です。教習所の問題でも「アンチロック・ブレーキシステムを備えた自動車で急ブレーキをかける場合は、システムを有効にするため、ゆっくり踏み込むことが必要である」という設問に対して、正解は「×(不正解)」で、一気に踏み込むことで作動することが明記されています。
参考)項目7 対策問題

ABSはコンピュータが自動的にポンピングブレーキ(ブレーキを一気に踏み込むのではなく徐々に踏み込み、滑り始めたら少し緩めて再び踏み込む動作を繰り返す技術)を行うシステムで、車輪の回転が走行速度から推定される値より低くなった場合に、車輪がロックして滑走していると判断します。このとき車輪のブレーキの液圧を下げ、車輪が回転を再開すると再度液圧をかけてブレーキを効かせる動作を自動で繰り返すことにより、車輪のロックを防ぎ最大限の制動力を発揮します。
参考)アンチロック・ブレーキ・システム - Wikipedia

国土交通省の自動車総合安全情報
ABSの仕組みや作動方法について、国が公開している公式な情報で信頼性が高いです。

 

アンチロックブレーキシステム作動時の正しい操作方法

急ブレーキが必要な状況では、0.1秒でも早くブレーキを強く踏み込むことが大切です。時速50kmで走行していた場合、0.1秒の間に車は約1.4m進みます。急ブレーキが必要となった際には、かかとを上げて、しっかりと奥まで一気に踏み込み、完全に車が停止するまで踏み続けることが重要です。今の車はABSが付いているため、スリップすることなく最短距離で止まることが可能です。
参考)緊急時に急ブレーキを踏めますか? 急制動への心構えと基本を解…

正しい緊急ブレーキの踏み方は以下の通りです:
参考)緊急回避!急な障害物出現時のブレーキングとステアリング操作 …

  • 一瞬で、床まで、力いっぱい踏み込む:危険を察知したら、躊躇は禁物で「ブレーキペダルが壊れてもいい」くらいのつもりで、一瞬で渾身の力でペダルを床まで踏み抜きます
  • 踏み続ける:ABS作動中はペダルに激しい振動が伝わってきますが、それに驚いて足を緩めてはいけません
  • 同時にハンドルで障害物をかわす:ABSが作動していればブレーキ中もハンドル操作が効くため、回避できる安全なスペースがあれば、ブレーキを踏み続けたままハンドル操作で危険を回避します

ABSを作動させるには、ブレーキペダルを力いっぱい踏み込むと作動し、そのまま車が止まるまでしっかりと踏み続けることが必要です。ハンドルやブレーキペダルに振動を感じたり、周辺から音がすることがありますが、これはABSが正常に作動する時に発生するもので、この振動などに驚いてブレーキを緩めないよう注意が必要です。​

アンチロックブレーキシステム作動時の振動と音の正体

ABSが作動すると、ブレーキペダルが細かく振動したり、「グググ」という音が出ることがありますが、これは故障ではないため、そのまま強く踏み続けてください。具体的には、以下のような変化が現れます:​

現象 詳細
作動音 「ガ・ガ・ガ・ガ」といった作動音が発生します
ペダルの振動 踏み込んだ直後に足裏に強い振動(キックバック)を感じます
警告灯 スピードメーター内にあるABSランプが点灯します

ABSは1秒間に10回くらいブレーキ圧の制御を行うため、これらの音や振動が発生します。聞きなれない音や振動に驚き、ブレーキ踏力を緩めてしまうことがヒューマンエラーの主な原因となるため、緊急時ほど冷静な対応が必要です。音や振動に惑わされることなくブレーキペダルを踏みつける力を維持することが重要で、ABSが作動しているときは「ガ・ガ・ガ・ガ」という音とキックバックがくるものだと認識しておくことが大切です。
参考)凍結路面、車が滑ったらどうする? 「究極のアイスバーン」氷上…

JAFメイト 急ブレーキ、踏めますか!?
JAF(日本自動車連盟)による急制動の正しい方法に関する解説で、イザというときの命を守る操作方法が詳しく説明されています。

 

アンチロックブレーキシステムと制動距離の関係

多くのケースにおいて、ABSによって停止距離が大きく変化しないという点が前提としてあります。国土交通省の自動車総合安全情報によると、ABSがあっても停止距離に大きな変化はないと説明されていますが、路面状況によっては停止距離に変化があるケースもあります。​
海外のYouTubeチャンネル「Driven Media」で行われた実験では、ABSありの状態での制動距離は平均34.73メートル、ABSなしの状態では平均39.66メートルとなり、ABSがない状態のほうが制動距離が伸びる結果となりました。レーサーの証言によると「左前のタイヤをロックして制動距離を短くしようと試みたが、ABSがない状態では残り3つのタイヤのブレーキ性能を最大限活かせない」とのことです。​
ほとんどの路面でABS非装着車と比較して制動距離が短くなる一方で、積雪路や砂利道など路面によっては制動距離が長くなるという欠点もあるため、ABSを過信した運転は危険です。特に凍結路などの低摩擦路でABSが作動する場合、運転者の想像以上に制動距離が伸びる場合があります。​

アンチロックブレーキシステムとタイヤロック防止の仕組み

一旦タイヤがロックして滑り始めると制動距離が大幅に伸び、ステアリング操作が効かなくなり制御不能となるばかりか、前走車への追突や横滑り、横転などの重大事故の危険に晒されることになります。また、タイヤの踏面は路面との擦過面が集中して摩耗することになり、タイヤの寿命が短くなったり異常摩耗による振動が起こることもあります。​
ABSは各車輪の回転数を検出し、各車輪がロックし横滑りしそうになると感知して、ブレーキ圧を自動的に調整し、タイヤのグリップ力を最大限に引き出します。どんな路面の場合でも、10~15%くらいのスリップ率が一番グリップが高くなり、ABSはそこに合わせるよう制御します。
参考)https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/LEAF/OM/1112_CONTENTS/ze0-j01-0865d35d-2af6-4be8-a954-435e87b0c380.html

ABSが一輪以上がロックしそうな状態を検出すると、アクチュエーターが瞬時に減圧させブレーキを解除します。この動作は、運転者がブレーキペダルを素早くポンピングする操作に似ています。ABS作動中は、ブレーキペダルの振動が感じられ、モータールームから音が聞こえ、アクチュエーターから振動が感じられることがありますが、そうした状態は正常でありABSは仕様通りに作動しています。
参考)https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/LEAF/OM/1112_CONTENTS/ze0-j01-861b4232-a0cd-454f-91ee-8a3d686599ca.html

アンチロックブレーキシステムとポンピングブレーキの必要性

ABS(アンチロックブレーキシステム)は、制動距離を短くし、ハンドルによる緊急回避行動がとれるよう、タイヤロックを検知してブレーキ液圧をコントロールするシステムです。つまり、ポンピングブレーキと同じ動作を機械的に行ってくれるシステムで、現在ではほとんどの車にABSが標準装備されています。
参考)ポンピングブレーキって必要なの?

緊急時だけならば「ABS」があれば十分ですが、日頃からABSに頼った運転をすることは、同乗者やクルマにとって非常に負担がかかる運転方法です。ブレーキを丁寧にコントロールする技術があると、クルマを丁寧に運転することができるようになります。​
ポンピングブレーキができるほど早めに制動を始めることで、前後G変化も少なくなり、同乗者や積載荷物にやさしい運転をすることができます。身に付けておいて損はない技術といえます。ただし、ABS搭載車ではポンピングブレーキの必要性は低下しており、ABS非搭載の車両や後続車に減速を知らせる目的でポンピングブレーキを活用する場面もあります。
参考)ポンピングブレーキはABSが普及した今でも必要か?  - 自…

凍結路面や雪道でのアンチロックブレーキシステムの注意点

凍結路面のように滑りやすい路面では、ABSがすぐに作動しますが、表面の氷が溶けているようなアイスバーンのように極端に滑りやすい路面では、いくらABSが作動してもグリップが低すぎてハンドルが効かないこともあります。そんな場所ではスピードを落とすしか方法はありません。​
凍結路面でABSは制動距離が伸びるため、ABS作動しないように普段よりかなり早めにアクセルオフし、アクセルオフのままエンブレで減速してからフットブレーキをやんわり踏んで停止することが推奨されます。通常のドライの道路、雨の道路、氷上・圧接路では制動距離が短くなるデータがありますが、雪道や砂利道では制動距離が長くなる場合があります。
参考)『雪道でのABS作動時について』 トヨタ のみんなの質問

タイヤがロックすると、タイヤの前に雪や砂利が壁となり抵抗となり制動距離が短くなるという効果があるため、深い雪道や砂利道ではABSによって制動距離が伸びることがあります。ABSを過信せず、路面状況に応じて十分な車間距離を取り、スピードを控えめにすることが安全運転の基本です。
参考)冬の三重の走り方 三重河川国道事務所-防災のこと

JAFメイト 凍結路面、車が滑ったらどうする?
凍結路面における「究極のアイスバーン」氷上での安全運転に関する実践的な情報が掲載されています。

 

アンチロックブレーキシステム搭載車での緊急回避テクニック

ABSの大きなメリットは、強くブレーキをかけながら操舵が可能となることです。一般には「急ブレーキをかけながら、衝突回避のためのハンドル操作ができるシステム」であると簡潔に説明されます。障害物を回避するときは、ブレーキペダルを踏みながらハンドルを操作することが基本です。​
ただし、急なハンドル操作は車のバランスを大きく崩し、スピンや横転の原因となります。また、障害物をかわした先が安全である保証はどこにもなく、対向車線にはみ出して対向車と正面衝突したり、歩道に乗り上げて歩行者を巻き込んだりすれば、最初の障害物との衝突よりも遥かに悲惨な結果を招きます。​
ハンドルを右に切って障害物をかわした後、体勢を立て直そうと左にハンドルを切り返した際に、今度は反対側に車が振られてしまう「おつり」という現象が起きることがあり、一度この状態に陥ると立て直しは非常に困難です。ABSが作動していればブレーキ中もハンドル操作が効きますが、もし回避できる安全なスペースが横にある場合に限って、ブレーキを踏み続けたままハンドル操作で危険を回避します。​

運転姿勢とアンチロックブレーキシステムの効果的な活用法

ブレーキをしっかり踏み込むためには、運転時の姿勢も重要です。ペダルを踏んだ際にひざが伸びきらない位置にシートを合わせ、背もたれを起こし深く腰掛けるようにしましょう。また、ハイヒールやスリッパではなくしっかり踏み込める靴で運転するようにすることが大切です。​
普段から穏やかなブレーキを心がけている人ほど、イザというときに思い切り踏むことを躊躇してしまいます。週に1度でもいいので、エンジンをかけず止まっている状態で、アクセルから踏みかえる急ブレーキの練習をしておくことも有効です。​
ABSは緊急時の補助装置と考え、スピードを出しすぎず十分な車間距離を取るなど、安全運転を心がけることが大切です。ABSはあくまでも運転を補助するシステムであり、過信せずに日頃から安全運転を心がける姿勢が最も重要です。​

 

 


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