アクチュエーターは何らかのエネルギー源から機械的なエネルギーを生み出し、物を動かす部品や装置の総称です。一方、モーターは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する電動アクチュエーターのうち、電磁力を使って回転運動する部品や装置を指します。
参考)光学用語解説:アクチュエーター(actuator) / アク…
辞書的にはアクチュエーターとモーターは同じ意味とされていますが、一般的な社会では表すものが異なります。アクチュエーターは狭義には空気圧モーター、油圧シリンダー、油圧モーター、電気サーボモーターを指すことが一般的です。つまり、モーターはアクチュエーターの一種であり、両者は包含関係にあると言えます。
参考)https://www.videotech.tokyo/2021/07/actuator-motor-difference.html
アクチュエーターは動力源と機構部品を組み合わせて機械的な動作を行う装置であり、モータの回転力を駆動機構に伝えることで、回転運動だけでなく直線運動やらせん運動などに変換することが可能です。
参考)アクチュエータとは|ASPINA
アクチュエーターはモーターと駆動機構(機械要素)の組み合わせによって動作します。モーターの回転力を駆動機構に伝えることで、様々な運動形態に変換できます。
参考)アクチュエーターとは?仕組みや種類、用途をチェック!|トラッ…
電動リニアアクチュエーターの場合、電気モーターにより動力を受け取り、回転運動を直線運動に変換する仕組みを持ちます。油圧アクチュエーターは油圧システムからの圧力を利用し、空気圧アクチュエーターは圧縮空気を動力源として使用します。
参考)アクチュエータの仕組みから用途まで:種類別の例も解説
モーターの構造とは?|回転する原理や仕組み、広く利用され...
モーターの基本構造と回転原理について詳しく解説されています。
変換可能な運動形態には、直線運動(自動ドアの開閉など)、揺動運動(ロボットの関節など)、直交運動(ビルの免震装置など)、回転運動、らせん運動などがあります。これらの多様な運動形態により、様々な用途に対応できます。
アクチュエーターは動力源の違いによって主に電動、油圧、空気圧の3種類に分類されます。それぞれ異なる特性を持ち、用途に応じて使い分けられています。
参考)油圧・空圧・電動の違い
| 種類 | 重量/大きさ | 操作力 | 構造 | 価格 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 油圧 | 大 | 大 | 稍複雑 | 大 | 力が大きい、推力・速度制御が容易 | 油漏れの可能性、配管作業が難しい |
| 空圧 | 小~中 | 小~中 | 簡単 | 安価 | 誰でも簡単に扱える、配管作業が容易 | 圧縮空気の管理必要、精密作業に向かない |
| 電動 | 小~中 | 小~大 | 複雑 | 中~大 | 高精度の位置決め、速度制御が可能 | プログラムが必要、配線作業が難しい |
電動アクチュエーターはモーターを内蔵し、電気エネルギーを動力源として使用します。制御が容易で設置が簡単なため、ドアロック、バルブ制御、自動車のシートやミラーの動きなど幅広い分野で使用されています。
参考)アクチュエーターの種類と用途について、事例や市場動向まで
油圧アクチュエーターは同サイズの空気圧シリンダーの25倍の力を発揮し、最大4,000psiの圧力で動作できるため、建設機械や大型装置などで使用されます。空気圧アクチュエーターは動作が素早く静音で、食品加工機械での繊細な操作や工場の自動化分野で活用されています。
参考)アクチュエータとは? 選び方や比較ポイントをおすすめのメーカ…
自動車では、エンジン制御やブレーキ、ステアリングなど多くの機能がアクチュエーターによって制御されています。アクチュエーターは車内で発生する物理的な動作と制御システムとの間の導管として機能します。
参考)Client Challenge
スロットル制御では、スロットルアクチュエーターがエンジンに入る空気の量を制御します。最近のシステムでは「ドライブ・バイ・ワイヤ」または電子スロットル制御(ETC)システムが使用されており、従来の機械的なケーブル接続から電子制御に進化しています。
ドアロックシステムでは、ドアアクチュエーターが自動で施錠解除を行っています。アクチュエーターが故障すると、施錠解錠を行う際に異音が出たり、たまに施錠解錠ができなくなったりする兆候が現れます。ブレーキやステアリングのアクチュエーターは車両の安全性に直結しており、その信頼性が極めて重要です。
参考)車のドアロックが動かない場合はアクチュエーターの故障?原因と…
車載システムにおけるアクチュエータの種類と機能
アクティブサスペンションやギアボックス制御など、車載アクチュエータの詳細な用途が解説されています。
アクチュエーターの故障には、制御コイルの詰まり、漏れ、燃焼などがあります。ドアロックアクチュエーターが故障した場合、原因はモーター本体の不具合であることが多く、経年劣化による内部部品の摩耗が主な要因です。
参考)空気圧アクチュエータのトラブルメンテナンス-知識-無錫新明自…
電動アクチュエーターの場合、電源が供給されているか、結線が端子台やコネクターに正しく接続されているか、配線に断線箇所がないかを確認する必要があります。空気圧アクチュエーターでは、供給元の圧力が得られているか、配管に詰まりや破損・凍結がないかを確認します。
参考)アクチュエータ作動不能
アクチュエーター選定で考慮すべき要素として、必要な動力や動作速度、環境条件(温度、湿度、振動)があります。動力には作動する荷重の大きさや動作方向、作動時間などに合わせた適切なものを選択することが重要です。高温や高湿度の環境では、アクチュエーターが十分なパフォーマンスを発揮しない可能性があるため、環境条件を考慮した選定が必要です。
参考)アクチュエーターの種類と仕組み:最適な選び方も解説
特定のドアだけ反応しない場合はアクチュエーター交換、すべてのドアロックが一斉に反応しなくなった場合はECU(電子制御ユニット)やBCM(ボディコントロールモジュール)の不具合が疑われます。故障する前には何かしらの前兆があるため、いつもと違うと感じたらできるだけ早く修理工場で見てもらうことが大切です。
参考)車のドアロック故障かも…どうすればいい?閉まらない原因と修理…