スズキ・ランディは2022年7月のフルモデルチェンジで、初代から3代目まで日産自動車から供給を受けていたセレナから、トヨタ自動車のノアへとOEM供給元を変更しました。この変更の背景には、スズキとトヨタが2019年に資本提携を結んだことが関係しています。ノアへの変更により、より安定した品質と最新のプラットフォーム技術を獲得することができました。従来のセレナベースから決別し、新たなステージへと進んだランディは、スズキ が国内で販売している最も高価な車種となっています。特筆すべきは、ランディが単なるエンブレム変更車ではなく、スズキ の厳しい仕様要件に基づき細部まで専用設定されている点です。
ノア へのモデルチェンジに伴い、ランディはスズキ の独自の「スズキ セーフティ サポート」ではなく、トヨタの「Safety Sense」を採用することになりました。これは一見すると異なるシステムに思えますが、実は非常に高度な先進安全技術を搭載しています。プリクラッシュセーフティは直進時だけでなく交差点での衝突回避もサポートし、昼間の自動二輪車、昼夜の歩行者、自転車運転者を検知できます。さらに、低速時加速抑制機能により、駐車場での踏み間違いによる急発進を防ぐなど、ファミリーカーとして重要な安全機能が完備されています。全グレード統一で同じ先進安全技術を搭載しているため、購入時の選択に迷わずに済むのもメリットです。
ランディ のハイブリッド モデルは1.8Lのストロングハイブリッド仕様で、WLTC燃費23.2km/L(2WD)を達成しています。この燃費性能はクラスでも優秀で、2030年度燃費基準達成車に認定されており、環境性能も高く評価されています。従来のセレナ搭載の2.0Lエンジンと比較すると、排気量を抑えながらも実用的な出力を確保し、燃費と走行性能のバランスに優れています。更に、ガソリン車でもWLTC燃費14.1km/L を実現しており、選択肢に応じた燃費最適化が可能です。4WD車の「E-Four」は電気式四輪駆動システムで、スズキ 車初となる電動四駆を備えており、雪道での走行安定性が向上しています。
ランディ は3列シートを装備した8人乗りミニバン(ハイブリッド は7人乗りキャプテンシート)として設計されており、多彩なシートアレンジが可能です。2列目シートの超ロングスライド機構に加え、3列目シートにもスライド機構を採用することで、広大な荷室スペースを確保できます。ハンズフリーデュアルパワースライドドアが全車標準装備されており、両手に荷物を抱えた状態でも安全に乗降でき、小さな子どもを連れた親にとって大きな利点です。フリーストップバックドアは任意の位置で停止可能で、駐車スペースが限られた環境での荷物の取り出しが簡単になります。センターピラー左右のアシストグリップも追加され、乗降性を大幅に向上させています。
同じノア をベースにしながら、ランディ とノア には無視できない違いがあります。最も大きな差は価格設定で、ランディ はノア の中級グレード相当に設定されており、初期購入コストで優位性があります。グレード構成もランディ は「G」と「HYBRID G」という実質2グレードに絞られているのに対し、ノア は標準・エアロを含めた複数グレードから選択可能です。また、ノア に搭載される「アドバンストパーク」などの高度な駐車支援機能はランディ には設定されておらず、シンプルで必要十分な仕様に統一されています。デザインも、ノア のエアロモデル専用色がランディ では未設定となり、落ち着いたスタンダード仕様に統一されています。
参考:スズキ ランディ ノア との詳細比較 ノア とランディ の違いを徹底解説【メリット、比較】
https://car-grandhall.com/noah-landy-difference/
参考:ランディ の安全装備について スズキ公式サイトのSafety Sense 搭載機能詳細
https://www.suzuki.co.jp/car/landy/safety/