ロールケージ車検通らない原因と対策を完全解説

ロールケージを付けたのに車検に通らない…その理由、実はパッドだけじゃないって知っていましたか?保安基準の落とし穴から2018年改正の影響まで、知らないと損するポイントを徹底解説します。

ロールケージが車検に通らない理由と正しい対策

「安全のために付けたロールケージが、車検に通るとむしろ罰金30万円のリスクを生む。」


この記事の3つのポイント
⚠️
パッドなしは即アウト

ロールバーパッドを巻いていないと保安基準違反となり、車検は通りません。点数によって必要なパッドの長さ(4点式で約5〜6m)が異なります。

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2018年11月以降の新車は要注意

ダッシュ逃げタイプのロールバーは、2018年11月1日以降の継続生産車への装着では車検非対応となる法改正が実施されました。

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乗車定員変更は構造変更が必須

5人乗りの車に後部座席を潰してロールケージを組んだ場合、構造変更(乗車定員変更)の手続きなしでは車検を通すことができません。


ロールケージが車検に通らない基本的な理由:保安基準第18条とは


ロールケージは、横転事故時に車体の潰れを防いで乗員を守るパーツです。サーキット走行だけでなく、一般公道でも装着したまま走ることは法律上可能です。しかし「付ければOK」というわけではありません。


車検を通過するための根拠となる法律が、道路運送車両の保安基準 第18条(車枠及び車体)です。この条文には「自動車の前面が衝突等による衝撃を受けた場合において、乗車人員に過度の傷害を与えるおそれの少ないもの」であることが求められています。


つまり条件は一つです。


ロールケージの金属パイプがむき出しのままだと、万が一の事故時に乗員がパイプに激突してしまい、かえって重大な傷害を与えるリスクが生じます。これが保安基準違反となる主な理由です。


「安全のために付けたのに、付け方次第で安全基準違反になる」というのは、多くの人にとって意外に感じられるポイントでしょう。


対策はシンプルです。ロールバーパッド(クッション性のある緩衝材)を、乗員が接触するおそれのある箇所すべてに巻き付けることが基本条件となります。


パッドは「どこかに少し巻いておけばいい」というものではありません。ロールケージの点数(バーの本数・構造の複雑さ)に応じて必要な総長さが異なります。


| ケージの種類 | 必要なパッドの長さの目安 |
|---|---|
| 4点式 | 約5〜6メートル |
| 5点式 | 約6〜7メートル |
| 6点式 | 約10〜11メートル |
| 7点式 | 約11〜12メートル |
| 8点式 | 約12〜13メートル |
| フロント4点式 | 約8メートル |


6点式で10〜11メートルというのは、家の廊下を往復してもまだ余るほどの長さです。「少し巻いた」だけでは全然足りない、という認識が必要です。


パッドはホームセンターや自動車用品店でも購入できますが、車検対応品を選ぶことが条件です。なお、各陸運支局によって担当者の判断基準に差が出ることもあるため、事前に確認しておくと安心です。


参考:ロールバーパッドの装着基準について詳しく記載されています。


OKUYAMA(奥山)ロールバーに関するよくある質問(FAQ)


ロールケージ車検で見落とされがちなポイント:前方視界の保安基準

パッドさえ巻けば車検に通ると思っている人は多いです。それだけでは不十分なことがあります。


2018年11月1日以降に新車登録(または継続生産)された車両には、前方視界規制(協定規則第125号)が適用されています。これは「運転者席から前方2mにある高さ1m・直径0.3mの円柱(6歳児を模したもの)を、鏡などを使わず直接確認できること」という基準です。


問題になるのが、Aピラー周辺を通るロールバーの配置です。特に6点式以上の複雑なロールケージでは、バーがAピラー付近を走るように設計されているものがあります。こうした製品を2018年11月以降の車両に装着すると、前方視界を妨げると判断されて「違法改造」となる可能性があります。


2020年1月にはJAFから公示が出ており、前方視界を妨げるロールケージを装着したラリー車両は、運輸局での基準緩和認定を受けなければならなくなりました。


この手続きは4段階あります。


- ロールケージ製作先から公認書または準ずる書面を発行してもらう
- JAFにて基準緩和申請に伴う証明書を発行してもらう
- 運輸局にて基準緩和認定書を発行してもらう
- 所轄の陸運支局にて、車検証の記載変更を行う


運輸局での審査期間だけで30日かかるため、全体で約2カ月の時間が必要です。車検の直前に気づいても間に合いません。


「サーキット専用車に使っていた中古のロールケージを新しい車に流用した」というケースが特に危険です。以前の車では問題なかったとしても、年式が新しい車では前方視界規制に引っかかる可能性があります。流用を検討する際は、必ず製造年月日を確認してから進めることが必要です。


参考:前方視界基準とロールケージの関係について解説されています。


Auto Messe Web:安全装備のロールケージが車検に通らない?役割と注意すべき点とは


ロールケージ車検のNG事例:ダッシュ逃げタイプが2018年以降は使えない理由

「ダッシュ逃げ」という言葉をご存じでしょうか。ロールケージのフロント側バーをダッシュボードの上を迂回させながら通すタイプの構造のことです。これはフロントまでバーを通す際に、ダッシュボードの形状に合わせて設計されたものです。


2018年以前は多くの競技車両に採用されており、公道車でも広く使われていました。しかし2018年11月1日の保安基準改正を境に状況が大きく変わりました。


継続生産車(2018年11月1日以降も販売が続いている車種)へのダッシュ逃げタイプ(ダッシュ貫通タイプは除く)の装着は、車検非対応となったのです。


なお、楽天市場などで販売されているサイトウロールケージの商品説明には明確にこう書かれています。「2016年11月1日以降の新型車、2018年11月1日以降の継続生産車は車検非対応となります」。


これを知らずに購入してしまうと、装着しても車検が通らない状態になります。


ポイントを整理するとこうなります。


| 車両の登録時期 | ダッシュ逃げ対応状況 |
|---|---|
| 2016年10月31日以前の新型車 | 車検対応(パッド装着などの条件あり) |
| 2016年11月1日以降の新型車 | 車検非対応 |
| 2018年10月31日以前の継続生産車 | 車検対応(条件あり) |
| 2018年11月1日以降の継続生産車 | 車検非対応 |


「古い車を長く乗っている」という人でも、モデルチェンジ後の継続生産車かどうかを確認する必要があります。型式が同じでも、製造ロットや年式によって判定が変わるケースがあるため、購入前に販売店や陸運支局へ必ず確認することをおすすめします。


参考:ダッシュ逃げタイプと保安基準改正について記載されています。


Dr.輸入車ドットコム:ロールバーを装着したままだと車検に通らない?基準について解説!


ロールケージで乗車定員が変わると車検が通らなくなる:構造変更の手続きとは

ロールケージを装着したとき、後部座席が潰れて乗れなくなるケースがあります。よくある話です。


ここで多くの人が見落とすのが、乗車定員の変更手続きです。5人乗りの車にロールケージを付けてリアシートが使えなくなった場合、車検証に記載されている「乗車定員5名」のままでは車検に通りません。


なぜかというと、車検証に記載されている定員と実際の車両状態が一致していないと、保安基準違反となるからです。乗車定員の変更は「構造変更等変更検査」という手続きが必要で、陸運局(または軽自動車検査協会)で申請します。


法定手数料は車種によって異なりますが、おおよそ以下の金額です。


- 軽自動車:2,300円
- 小型自動車:2,500円
- 普通自動車:2,600円


手続き自体はそれほど高額ではありませんが、手間と時間がかかります。


一方で、もともと2人乗りの車(マツダ ロードスタートヨタ MR2など)にロールケージを装着する場合は、乗車定員の変更が発生しないため、この手続きは不要です。これが条件です。


また、構造変更のタイミングは車検と同時に行うことも可能です。バラバラに手続きするよりも、車検と同時に済ませるほうが時間の節約になります。手続き忘れに気づいたときは、次の車検前までに陸運局に相談しておきましょう。


なお、ロールケージ装着によってリアゲートの開口寸法が変わるケースも報告されています(サイトウロールケージの注意事項より)。開口が保安基準の基準値を下回ると、これも車検不合格の原因になるため、装着前に車種ごとの確認が欠かせません。


参考:乗車定員変更と構造変更の手続きについて詳しく説明されています。


アッシュ(Ash):乗車定員数の変更について


ロールケージ装着のまま公道を走ると最大30万円の罰金:不正改造車のリスク

車検に通らない状態のロールケージを付けたまま公道を走ることは、単に「車検が切れている」という話ではありません。


不正改造に該当する場合、道路運送車両法第99条の2・第108条により、6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科せられます。不正改造を実施した者(整備工場やショップを含む)だけでなく、その車を使用した本人も対象です。


さらに、整備命令(保安基準への適合を命じる命令)に従わなかった場合は、使用者に対して50万円以下の罰金が追加で科される可能性もあります。


「借りた車だから知らなかった」という言い訳は通用しません。2026年1月に報道された内容でも、不正改造車の使用者への罰則は運転者本人に適用されることが明示されています。


具体的に注意が必要なのは、以下のような状況です。


- 車検証と現車の乗車定員が一致していない状態で公道を走る
- パッドなしのロールバーで公道を走る
- 2018年11月以降の継続生産車にダッシュ逃げタイプを付けたまま走る
- 前方視界を妨げるロールケージで基準緩和認定を受けずに走る


これらはいずれも「知らなかった」では済まされない法的リスクです。痛いですね。


ロールケージを装着している車で次の車検を受ける前には、現状の装着内容が保安基準に適合しているかどうかを、陸運支局または信頼できる整備工場に事前確認することを強くおすすめします。費用はかかりますが、30万円の罰金や前科のリスクに比べれば、相談にかける数千円は安い出費です。


参考:不正改造の罰則・種類について国土交通省の資料が参照できます。


国土交通省:不正改造は犯罪です(PDF)




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