現行プリウスの乗車定員について、グレード別・駆動方式別の対比表を以下に示します。
| グレード | FF駆動 | E-Four駆動 | 乗車人数 |
|---|---|---|---|
| U | ○ | ○ | 5人乗り |
| G | ○ | ○ | 5人乗り |
| Z | ○ | ○ | 5人乗り |
全グレード共通して前席2名、後席3名の構成です。高級グレードとスタンダードグレードの間に乗車定員の差はなく、装備や走行性能などの違いが主な差別化要因となっています。
後席中央にも3点式シートベルトが備わっており、理論上は3名の乗車が可能な設計です。ただし実際の乗り心地については、後述の快適性の項目で詳しく解説します。
プリウスは定員上5人乗りですが、実際に後部座席に3名が座った場合の居住性は、一般的なコンパクトカー程度の広さに留まります。後部座席には中央にコンソールボックスが装備されており、ドリンクホルダーや小物入れとしては便利ですが、足元のスペースを限定しています。
後部座席の奥行きは約0.8メートルと、同クラスの乗用車比でやや短めです。前席のシートバックが厚いため、膝下のスペースも限定され、特に身長が高い乗客は膝を曲げる必要があります。
ヘッドクリアランス(頭上空間)についても、5代目プリウスは先代並みに工夫されていますが、175センチメートル以上の身長の乗客が直立して座ると、天井と髪の毛がほぼ接触するほどの余裕しかありません。ルーフラインが後方に向かって下がる設計となっているため、後部座席に向かうにつれて頭上空間が狭くなる傾向があります。
快適に座れるのは実質4名までという見方が一般的です。後部座席に3名フル乗車させる機会が多い場合は、よりゆったりした3列シート車を選択する方が賢明でしょう。
プリウスの乗車定員は、道路運送車両法に基づいて設定されています。この法律では、大人と子供の乗車人数を異なる基準で計算しており、最大乗車可能人数が決定されます。
法的には12歳以上を大人として扱い、12歳未満を子供として区別します。プリウスの場合、大人の乗車人数は5名までですが、子供を含める場合は計算式「(乗車定員-大人の数)×1.5」が適用されます。
例えば、大人3名とチャイルドシート装着の子供2名という組み合わせは法的に許容されます。ただし、チャイルドシートの設置スペースには制限があります。プリウスのセカンドシートは3席のベンチシート構成ですが、チャイルドシートの大きさを考慮すると、セカンドシートの左右に1台ずつ、合計2台の設置が基本となります。中央座席にも設置は技術的に可能ですが、シートベルトの位置やアクセスの利便性を考えると、実用的ではありません。
チャイルドシート以外の安全ベルト装備については、後席に3本の3点式シートベルトが装備されているため、安全装置の面では5人乗車に対応しています。
トヨタのプリウスファミリーには、通常の5人乗りプリウスだけではなく、3列シートを備えた7人乗りモデルが存在します。それが「プリウスα(アルファ)」です。ただし、プリウスαは2021年3月に生産が終了しており、現在入手するには中古車市場からの購入となります。
プリウスαは5人乗りと7人乗りの2つの仕様が用意されていました。7人乗りモデルは3列目シートを備えており、最大7人まで乗車可能でした。3列目シートは折りたたみ式で、使用しない時は荷室スペースとして活用できます。
5人乗りと7人乗りの主な違いは、バッテリーの搭載位置です。5人乗りモデルではニッケル水素バッテリーを2列目シートの後方に搭載していますが、7人乗りモデルではスペース確保のため、リチウムイオンバッテリーを前席間に配置しています。これはバッテリー交換時の費用にも影響し、一般的に7人乗りモデルの方が交換費用が高くなる傾向があります。
中古車市場の流通データから分析すると、プリウスαの購入者の多くは5人乗りモデルを選択しており、その比率は約8対2に達しています。これは、実際の日常使用においては3列目シートよりも、広い荷室スペースの方が価値があると考えるユーザーが大多数であることを示唆しています。
プリウスの乗車定員は過去の世代を通じて5人乗りで統一されていますが、実際の室内空間には世代ごとに差があります。
現行の5代目プリウス(2023年1月発売)と先代の4代目プリウス(2016年~2022年)の室内空間を比較すると、興味深い特性が見えてきます。5代目は全高が40ミリメートル低くなり、より低床・低重心化が進められました。それに伴い、ルーフラインは後方に向かってより顕著に下がる設計になりました。
室内幅については1,490ミリメートル(4代目)から1,500ミリメートル(5代目)へとわずかに拡張されています。一方、室内長は2,110ミリメートル(4代目)から1,840ミリメートル(5代目)へと270ミリメートル短縮されました。
この変化は、プリウスのコンセプト転換を反映しています。先代までは燃費重視のファミリーセダンでしたが、5代目からはスポーティーな走行性能を重視した特別性の高い車へと進化しました。そのため、外観のスタイリッシュ化と引き換えに、室内の広さはある程度の妥協が生じています。
にもかかわらず、プリウスの開発チームは後部座席のヘッドクリアランスを工夫により先代並みに確保する努力を払いました。シート位置を低くし、天井部分の内装を特殊な形状に変形させることで、室内長の短縮にもかかわらず頭上空間を維持しています。
ただし、175センチメートル以上の身長の乗客にとっては、後部座席での居住性は依然として窮屈です。新型の5代目でも先代同様、後部座席で直立して座ることは困難な設計となっています。
プリウスの購入を検討している際、「5人乗りで十分か、それとも7人乗りを選ぶべきか」という判断は、実際のライフスタイルに基づいて決める必要があります。
家族が4人以下で、大人同士の乗車がほぼ確実な場合は、現行プリウスの5人乗りで問題ありません。後部座席に3名が座る機会が月に数回程度という限定的な利用なら、多少の窮屈さは許容できるでしょう。
一方、小学生未満の小さな子供が複数いる家庭では、チャイルドシートの装着が必要になります。プリウスには2台のチャイルドシートが標準的に搭載可能ですが、3台目の装着は困難です。つまり、大人2名と小さな子供2名が常時乗車する場合が多ければ、プリウスの5人乗りで対応できます。
ただし、祖父母を含めた6人以上の家族で移動する機会が月に複数回ある場合は、旧型のプリウスαの7人乗りモデルを中古で探すことを強くお勧めします。7人乗りモデルは3列目シートが実用的に機能し、長時間の乗車でも比較的快適です。
走行距離が多く、長期保有を計画している場合は、バッテリー関連の修理費用も考慮すべきです。現行プリウスは5代目の信頼性の高い設計となっており、中長期的なコスト面で有利です。
<参考情報>
プリウスの乗車定員に関する詳細は、以下のトヨタ公式サイトで最新情報が確認できます。
トヨタ自動車公式FAQ「プリウスは何人乗りですか?」
こちらのページでは、グレード別の正確な乗車定員とシートベルトの位置についての詳細が記載されており、購入前の確認に最適です。
プリウスの世代別比較及び室内空間の詳細については、以下のサイトで網羅的に解説されています。
「プリウス何人乗り?全グレード・全世代の乗車定員を徹底比較」
プリウスの全世代における乗車定員の変遷、そして各世代のグレード別設定が一覧表で明示されており、世代を超えての比較検討に有用です。
後部座席の快適性に関する実際のユーザーの乗車体験については、以下のサイトで詳しく説明されています。
「プリウスは狭い!?|運転席&後部座席に座った正直な感想」
実際の身長に基づいた後部座席での居住感について、175センチメートル以上の乗客による具体的な感想が記載されており、購入前の参考になります。

プリウス 車内インテリアセット プリウス 80系 50系 40系 30系 20系 プリウスα nz511 zvw30系 車の部品 車内用品 車用小物 内装アクセサリー(ブラック/2枚)