スカイライン350GTのコア性能を担うのは、VQ35HR型V6 DOHCエンジンです。総排気量3498ccのこのエンジンは、プレミアムガソリン仕様で最高出力232kW(315PS)を6800回転/分で発生し、最大トルク358N・m(36.5kgf・m)を4800回転/分で実現しています。内径と行程の組み合わせは95.5×81.4mm、圧縮比は10.6という設計により、高い燃焼効率を実現しています。
燃料供給装置にはEGIシステムを採用し、80リットルのタンク容量を備えています。このエンジンの特徴は、ピストンシリンダーをV字型に配置することで、低振動と高レスポンスを両立させた点にあります。実績のあるこのパワープラントは、日産が長年培った技術の集大成となっています。
スカイライン350GTのガソリンモデルにおいて、このVQ35HRエンジンは安定した性能を維持しており、プレミアムガソリン仕様であることが高い圧縮比を実現する要因となっています。タンク容量が80リットルあることで、長距離走行時の利便性も確保されています。
スカイライン350GT ハイブリッド Type SPは、3.5リッターV6 DOHC 24バルブエンジンに交流同期電動機を組み合わせた次世代パワートレインです。エンジン単体では306PS(225kW)/6800rpmの出力を発生し、モーターが68PS(50kW)を補助することで、トータル364PS相当のパフォーマンスを実現しています。
ハイブリッドシステムのモーターは、290N・m(29.6kgf・m)の最大トルクを発生し、5000rpmでのエンジン最大トルク350N・m(35.7kgf・m)と組み合わせることで、低回転域から高回転域まで滑らかな加速を実現しています。最新技術を導入したリチウムイオンバッテリーは、薄型ラミネート構造のセルとマンガン系の電極材料を採用し、高い充放電効率を確保しています。
0-100km/h加速は公式値で4.9秒を実現し、スポーツセダンとしての実力を示しています。燃費はJC08モード17.8km/リッターを達成し、環境への配慮と走行性能を両立させています。7段ATトランスミッションはマニュアルモード機能を備えており、ドライバーが能動的に走りを操作することも可能です。
スカイライン350GT Type Pガソリン車に搭載される3.0L V6ツインターボエンジンは、冷却効果を常時安定化させる水冷式インタークーラーを装備しています。この水冷方式は、従来の空冷インタークーラーに比べて吸気温度を低く保つことで、より高い過給圧を安全に実現できるという利点があります。
吸気側に設置された電動VTCシステムは、可変タイミングコントロールにより、低回転域から高回転域まで最適な吸気バルブタイミングを自動調整します。このシステムにより、トルク特性の向上と燃費改善を同時に実現しています。水冷式インタークーラーは放熱効率が高く、サーキット走行など高負荷状態でも安定した吸気温度を維持するため、信頼性の高い走行を約束します。
特別仕様車の400Rモデルでは、この水冷インタークーラーを2基採用し、さらに高い冷却性能を確保しています。過給圧を9.5psiから14.7psiへ大幅に高め、タービンの回転センサーを用いて回転限界まで使い切ることで、405PSもの高出力を実現しています。強化ウォーターポンプの採用により、システムの冷却安定性がより向上しています。
スカイライン350GTは、路面の凹凸や轍の影響を自動で検知し、ハンドリングを自動調整する機能を搭載しています。このシステムは、路面状況に応じてコンピューターが自動的に舵取りを補正し、ドライバーの意図通りの走行ラインを維持する仕組みです。
多くの高性能スポーツカー、さらにはGT-Rなどの名車も路面の凹凸の影響を受けやすい傾向にあります。しかし、スカイライン350GTはこの課題を技術的に克服し、より落ち着いた運転体験を実現しています。長距離走行時も、ハンドルを強く握り続ける必要がなく、ドライバーの疲労軽減にも貢献しています。
さらに、車線逸脱傾向警告(LDW)システムとこの自動ハンドル調整機能を組み合わせることで、自動運転システムのような「オンザレール」の感覚を体感できます。これにより、高速道路での長距離運転時の快適性が大幅に向上し、プレミアムセダンとしての価値を高めています。
スカイライン350GTのボディサイズは、全長4800mm、全幅1820mm、全高1440mmという寸法です。ホイールベースは2850mmで、車重はハイブリッド車で1800kg前後、標準ガソリン車で同等程度の重量設定となっています。駆動方式はFRが標準で、最小回転半径は5.6mというコンパクトなハンドリング特性を実現しています。
室内の有効長は2m、幅1.48m、高さ1.18mという寸法で、セダンタイプとしてはスポーツ志向の若干タイトな設計になっています。後部座席のスペースは、日本人の平均的な体型であれば、座席から膝までのスペースが握りこぶし2つ以上確保されており、実用的な乗車スペースを備えています。
タイヤサイズは前後245/40RF19サイズが標準で、高性能ダンロップSP SPORT MAXX 050を採用することで、高速走行時の安定性とコーナリング性能を実現しています。サスペンション構成は前ダブルウィッシュボーン、後マルチリンク式で、スポーツセダンとしてのハンドリングを優先した設計となっています。
スカイライン350GT Type SPのエンジンスペック詳細 - VQ35HRエンジンの完全仕様情報が掲載されています
日産スカイライン3.5 350GT ハイブリッドの基本スペック - 現行型の詳細スペックデータが確認できます