中型8tに限る免許解除条件運転範囲費用比較徹底解説

旧普通世代に紛れ込む『中型8tに限る』免許。運転できる車両の条件から解除方法・費用・活用メリットまで網羅した完全ガイドで、最新法改正にも対応し安全とキャリアを両立する方法とは?

中型8tに限る免許徹底攻略

3分でわかる中型8tに限る
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条件・範囲

車両総重量8t未満・最大積載量5t未満・乗車定員10人以下の基本を整理

🛠️
解除ステップ

教習・一発試験・必要費用を比較して最短ルートを提示

💡
活用メリット

旧普通世代だけの既得権とキャリアアップの隠れた強みを深掘り

中型8tに限る条件と車両総重量

2007年6月2日の道路交通法改正で「普通免許」の上に中型区分が新設され、改正前に取得していた旧普通免許は自動的に「中型8t限定免許」へ読み替えられた[1][2]。
この限定が意味するのは、

  • 車両総重量8t未満
  • 最大積載量5t未満
  • 乗車定員10人以下

であれば、バン型トラックはもちろん、一般的な4tトラック(実質車両総重量8t弱)まで運転できるということだ[3][1]。
ただし、アームロールやミキサー車などの“建設車両”を運転できても、作業装置を操作するには別途資格が必要という落とし穴もある[4]。
表にまとめると以下のとおり。

 

区分 車両総重量 最大積載量 乗車定員
中型8t限定 8t未満 5t未満 10人以下
中型免許(解除後) 11t未満 6.5t未満 29人以下

「普通免許なのに4tトラックを正面から運転できる」—これが業界で“魔法の免許”と呼ばれる所以だ。実務では宅配用ウイング車・小型ユニック・10名乗りマイクロバスまで未経験で扱えるため、地域の消防団や自治体ボランティアでも重宝される。

 

中型8tに限る最大積載量と運転範囲

最大積載量5t未満という数字は「荷台に積んでもいい最大限度」、車両総重量8t未満は「車両+荷物+乗員+燃料込みでの上限」を示す。よくある誤解が「4tトラック=車両総重量4t」だが、実際の4t車は車両総重量約7.5t~8tで設計されており、ギリギリ中型8t限定の枠内に収まる[3]。
【代表的に運転できる車種】
・ウイングボディ4t車
・冷凍バン4t車(総重量7.7t前後)
・クレーン付きショートユニック3t車
・12席クラスのコミューターバス
一方、荷役上限5tの壁があるため、陸送業者が使うローダー積載車や重量物平ボディは中型8t限定では枠外になるケースが多い。貨物の種別・重心位置・架装重量まで細かく見極めると、実務での“可動域”は意外とシビアだ。

 

それでも「準中型(3.5~7.5t)」しか持たない世代と比べれば可搬領域は広い。ギャップを逆利用し、“準中型では対応不可の4t引越し案件”を引き受けて単価を上げる小規模運送店も現れている。

 

中型8tに限る免許解除と教習一発試験攻略

より重い荷を扱いたい、マイクロバスで法人送迎を担当したい――そこで登場するのが「中型8t限定解除」。手続きは大きく分けて指定教習所での審査コース運転免許試験場の一発試験の2種類。
【指定教習所ルート】

  1. 最短5時限の技能教習を受講[5]
  2. S字・クランク・縦列駐車・隘路通過など、実車課題をクリア[3]
  3. 校内検定(審査)合格後、試験場で書換え

コツは車両感覚の“拡大版”を身体に刷り込むこと。8t限定の教習車は4t超6tクラスの車体を使うため、左後輪の巻込みと後方間隔が激変する。
【一発試験ルート】

  1. 試験場へ直接申請
  2. 技能試験をクリア(合格率は1~2割と言われる)

費用は試験手数料+車両使用料で1万円強だが、複数回落ちると教習所より割高になりやすい。
解除すれば車両総重量11t・最大積載量6.5t・乗車定員29人まで一気に拡大。都市間路線バスや大型観光バスまでは届かないが、送迎用マイクロ・9m級中型観光バス・7tユニックなどビジネスの守備範囲が広がる。

中型8tに限る費用比較とコスパ実体験

指定教習所の料金例(AT車を除く)を拝島自動車教習所の公示価格で見ると、

  • 入所時合計:74,910円(税込)
  • 技能教習料:33,000円(税込)
  • 検定料・適性検査等込み総額:107,910円(税込)[5]

追加教習1時限ごとに5,500円、検定再受験5,500円がかかるため、一発合格なら10~11万円前後が相場。
一方、自動車運送事業の求人で見ると、
・4tドライバー月給:28万~35万円
・6tドライバー月給:30万~40万円
といった差が付き、年収ベースで数十万円の開きが出る。2~3か月働けば投資回収できる計算だ。
実体験として、筆者が物流スタートアップへ副業参加した際、4t冷凍車+横持ち便を回すには中型8t限定で十分だった。しかし休日に医療機器6tウイングの緊急輸送を頼まれ、限定解除費用11万円を即決。翌月から緊急輸送手当で月5万円増となり、3か月で元を取れた。

 

中型8tに限る旧普通世代の独自メリット

検索上位記事では“解除してこそ価値がある”と語られがちだが、実務ではむしろ解除しない方が採用に強い場面も存在する。
理由は2つ。

  • 4t車は国内小口配送の主力であり、ドライバー募集母数が圧倒的[6]
  • 中型免許向け7.5~11tクラスの車両は車種が少なく、運送会社側も大型免許保持者で賄う傾向[6]

つまり、「4t専門だが即戦力」を掲げるほうが、中型8t限定を保持したまま求人市場でマッチする可能性が高い。
さらに、“準中型”以降の世代は普通免許で2tバン止まりというケースが大半。旧普通世代がハンドルを握るだけで社内講師として新人教育のポストが用意されることも多い。資格手当+職位手当で月1万~2万円が上乗せされる計算だ。

 

【独自活用アイデア】
・地域の消防団で小型ポンプ車・救助工作車を操縦し地域貢献
・キャンピングカー購入時に7m級ベース車を選び“家族旅”コスト削減
・災害ボランティア向けの4t平ボディを自家用登録し物資輸送をサポート
自動車趣味と社会貢献の両面で“オトク”なポジションに立てるのが、中型8t限定免許最大の強みと言える。

 

参考:教習時限・費用の具体例が掲載
拝島自動車教習所 8t限定解除案内
参考:中型8t限定と解除後の積載量比較表
55TRUCK 中型8t限定解除の詳細