Honda プロローグのエクステリアデザインは「Neo-Rugged(ネオラギッド)」をコンセプトにしており、シンプルで洗練されたデザインと野性的なアウトドアスタイルの融合が特徴です。ボディサイズは全長4876mm、全幅1988mm、全高1643mmで、低くワイドなフォルムは電気自動車専用車ならではの先進的な印象を演出しています。
全幅1988mmに達する横幅はアメリカ市場を想定した設計となっており、同じくGMのプラットフォームを共有するシボレー「ブレイザーEV」や「アキュラZDX」とも類似したプロポーションです。ホイールベースは3093mmと長く設計されているため、フロア下にバッテリーを搭載するスペースを最大限に活用し、室内の広さと航続距離の両立を実現しています。最上位グレード「エリート」には21インチの大型ホイールが標準装備され、SUVらしい力強さとスタイリッシュな見た目の両立を強調しています。
Honda プロローグは2025年モデルで航続距離が大幅に向上し、EPA基準で最大308マイル(約495km)を達成しました。これは2024年モデルから12マイル増加しており、クラス内でトップレベルの数値です。シングルモーター(前輪駆動)モデルの航続距離はEPA基準で最大476km以上に到達し、1回の充電での走行距離において優れた性能を実現しています。
バッテリー容量は85kWhの液冷式リチウムイオン「Ultiumバッテリー」で、DC急速充電では最大150kW以上の高出力充電に対応。約10分の充電で航続距離65マイル(約105km)に相当するバッテリー容量を補充できるため、外出先での充電も素早く行えます。Honda プロローグは11.5kWのオンボード交流充電器を備えており、自宅での普通充電にも対応しています。ホンダは2030年までに北米全体で約10万カ所のDC急速充電ステーションへのアクセスを計画しており、充電インフラの拡充により利便性はさらに向上する見通しです。
Honda プロローグには Google Builtinと呼ばれるGoogleの最新インフォテインメントシステムが搭載されており、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Playなどのサービスが車内で利用できます。11.3インチのセンタータッチスクリーンと11インチのデジタルメーターパネルにより、直感的なインターフェースを実現し、ドライバーは前方の道路から目を離さず音声操作で各種システムを制御することが可能です。
ソフトウェアはOTA(Over the Air)機能によってアップデートに対応し、常に最新化されたサービスを提供します。最上位グレード「エリート」には7×3インチのヘッドアップディスプレイが採用され、速度やナビゲーション情報が視線の先に表示されるため、安全で快適な運転体験を実現しています。Google Mapsはルート計画時に充電ポイントを自動的に考慮し、効率的な走行ルートの提案が可能です。
Honda プロローグは単一モーター(前輪駆動)とデュアルモーター(全輪駆動)の2つの仕様が用意されており、ユーザーのニーズに応じた選択が可能です。シングルモーター仕様では最高出力212hp(158kW)、最大トルク236lb-ft(320Nm)を発生し、2025年モデルでは前年比で8hpの出力向上を実現しました。
デュアルモーター仕様では最高出力288hp(215kW)、最大トルク333lb-ft(451Nm)の強力なパワーを引き出し、フロントに最適化されたマルチリンク式サスペンションとリア・インダクションモーターの組み合わせにより、スポーティーな走行性能を実現しています。2025年モデルではデュアルモーター仕様の出力が12hp、トルクが25lb-ftそれぞれ向上し、より力強い加速と意のままの操舵性が特徴です。ホンダが培ってきたダイナミクス技術により、電動パワートレインでありながら高い走行性能を両立させています。
Honda プロローグには先進安全運転支援システム「Honda Sensing」が標準装備されており、予防安全と衝突安全の両面で高い性能を実現しています。米国の安全性能評価試験において、米国道路安全保険協会(IIHS)の最高評価「トップセーフティピック+」と、米国高速道路交通安全局(NHTSA)の最高評価「5つ星」を目標に開発されました。
新型「盲点ステアリングアシスト」により、予期しない障害物出現時に自動的に反舵操舵を行い、不意の車線変更を防止します。さらに新型「リアクロストラフィックブレーキ」では後進時に側方から接近する車両を検出し、衝突リスク時には自動的にブレーキが作動。「リアペデストリアンアラート」はカメラで接近する歩行者を検出し、ドライバーに警告を発します。ただしHonda プロローグは北米市場専用モデルとされており、日本国内での販売は予定されていません。しかし、ホンダが2040年までにグローバルでEV比率100%を目指す中で、プロローグの技術や設計思想は日本向けEV開発の重要な参考になる可能性が高く、日本市場での新型EVモデル展開につながる可能性があります。
<参考リンク:Honda プロローグの総合スペック情報>
2026 Prologue Features & Specs - Honda
<参考リンク:最新情報と2025年モデルの改良内容について>
ホンダのEV『プロローグ』、2025年型で航続と出力が向上
<参考リンク:Honda プロローグの開発背景と技術詳細>
北米初のHonda量産EV「PROLOGUE」が人々のEVシフトへの序章