2025年5月の一部改良で新たに追加されたスノーエクストラモードは、トヨタ車で初めて採用された走行モードです。このモードの最大の特徴は、従来は発進時や旋回時、スリップ時のみ作動していたE-Four(電子制御式4WDシステム)をフルタイム化したことにあります。
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具体的には、ドライブモードセレクトで「SNOW EXTRA」を選択すると、外気温や路面状態から走行環境を寒冷地と判断した場合に、走行シーンに応じた駆動力を後輪に配分します。発進時のアクセルレスポンスを緩やかにし、タイヤの空転を抑えるよう制御することで、特に北海道内に多いゆるやかな上り坂や、除雪が不十分な交差点での発進時に真価を発揮します。
参考)COROLLA CROSS GR SPORT
雪上のあらゆる走行シーンで前後の駆動力を緻密に制御し、加減速、制動、コーナリング、車線変更といった場面でリアモーターによる駆動力でホイールの安定性を高めます。一部のユーザーからは「スバルのAWDに近づいたのかな」「雪道での走りが気になる」など、その実力に期待が寄せられています。
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カローラクロスに搭載されるE-Fourは、後輪駆動用に専用モーターを搭載する電動4WDシステムです。通常はFFで走行し、路面状況や車両の状況に応じて後輪用モーターを駆動する仕組みとなっています。
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発進時の前後輪トルク配分は80:20固定で、その後70キロまでは状況に応じて100:0~40:60まで連続可変します。2023年の一部改良時には後軸側のモーターが最高出力41PS・最大トルク84N・mと初出時より大幅に強化され、「ノーマル」モードでも頻繁に駆動を介入させ、「スポーツ」モードでは明確に後軸側の蹴り出し感が強くなりました。
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雪道での走行性能については、一般道の積雪路なら発進時やコーナリング時、登坂時など様々なシチュエーションで最低限必要な性能は持っています。最低地上高がカローラセダンやツーリングより30mm大きい160mmあるため、深雪路では有利です。ただし70キロを超えた時点でFF走行になってしまうため、雪道の高速道路は不得手という弱点もあります。
カローラクロスの寒冷地仕様には、冬季の快適性と安全性を高める充実した装備が含まれています。主な装備として、ウィンドシールドデアイサー(フロントガラス下部の凍結を防ぐヒーター)、フロントヒーター(ハイブリッドのみ・電気式補助ヒーター)、ヒーターリアダクト、リアフォグランプ、ヒーター付きドアミラーなどが設定されています。
参考)トヨタ お問い合わせ・よくあるご質問
特に電気式補助ヒーターは、エンジン始動直後からエンジンが暖まるまでの間、通常のヒーターに加えて暖房を補う装置で、エンジンの冷却水温が低いときの室内暖房に貢献します。これにより、寒冷地での朝の始動時でも早期に車内を暖めることが可能です。
参考)https://toyota.jp/pages/contents/faq/2.0/pdf/10489/10489_01.pdf
北海道地区には寒冷地仕様が全車標準装備となっており、その他の地域でもオプション設定が可能です。ディーラー営業からも「絶対装備した方がいい」と推奨されるほど、寒冷地での使用を考慮した重要な装備となっています。
参考)カローラクロスに絶対装備した方がいい寒冷地仕様【ディーラー営…
スノーエクストラモードを実際に使用した際の効果は、特に低ミュー環境で顕著に現れます。従来のE-Fourは後ろ脚が蹴っている様子がみてとれる程度の感触でしたが、スノーエクストラモードでは後軸モーターをスタンバイではなくフォワード化した電動フルタイム4WDとすることで、存在感が大きく増します。
状況に応じて最適な後輪トルク配分を行い、ACA制御(アクティブ・コーナリング・アシスト)と組み合わせることで、冬道でも安心感が違います。カーブ時にはトルクを適切に配分して安定した旋回性能を確保し、滑りやすい路面での安定性が向上します。
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このモードがフラッグシップモデルの『クラウン』などではなく、「カローラクロス」に投入されたことに意外だという声も上がっており、トヨタの本気度が伺えます。「ありそうでなかった、めちゃいい技術」という評価を受けるなど、その実力は高く評価されています。
カローラクロスのハイブリッド車のWLTCモード燃費は、2WDで26.4km/L、E-Fourで24.5km/Lとクラストップレベルの低燃費を実現しています。実燃費については、ハイブリッド2WDで平均20.15km/L、ハイブリッド4WDで平均19.74km/Lという良好な数値が報告されています。
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年間維持費は、ハイブリッド車で約19万円から24万円が目安となります。内訳は、自動車税36,000円、重量税(年換算)約6,150円(初年度免税)、任意保険約40,000円、車検・メンテナンス費(年換算)約30,000円、燃料費約63,500円となっています。
参考)カローラクロスとヤリスクロスの維持費を比較!税金から燃費まで…
2025年5月の一部改良により、カローラクロスはハイブリッド車のみのラインナップとなりました。これにより、購入者は必然的に維持費の安いハイブリッド車を選ぶことになり、長期的な経済性も優れています。エコカー減税の対象となるため税金面でも有利で、ガソリン車に比べて燃料費を年間で数万円節約できます。
四駆はリアをダブルウイッシュボーンとした四輪独立サスを採用していることもあり、乗り心地のよさも特筆すべき点です。刻々と変わる路面状況に対する追従性や連続した入力時のいなし感が高まっており、全般的には柔らかめのアタリながら、軸芯の精度がしっかり出ているため、バネ下のプルプルした横揺れ感が抑えられています。
トヨタ公式サイト - カローラクロスの走行性能詳細
カローラクロスのドライブモードセレクトやE-Fourの詳細な機能説明が掲載されています。
北海道eクルマ - カローラクロスの雪道性能解説
北海道の実際の冬道環境でのカローラクロスの性能評価と、SNOW EXTRAモードの具体的な効果について詳しく解説されています。
トヨタ公式PDF - 寒冷地仕様装備一覧
カローラクロスの寒冷地仕様に含まれる全装備の詳細が記載された公式資料です。