スバルのスポーツサルーンWRXは、単なるファミリーカーではなく、モータースポーツの世界で鍛え上げられた技術とスピリットを备えた存在です。2代目となるスポーツワゴンWRX STiは生産台数が限定的で、その希少性から現在でも中古市場で高い評価を受けています。ワゴンボディが廃止された理由は、市場のニーズ変化と製品戦略の見直しにありました。
スバルがワゴンボディのWRXを廃止した主な理由として、市場における売上減少と、SUVおよびミニバン市場への消費者の流出が挙げられます。特に2000年代中盤以降、国内市場ではボディサイズが限定的で、個性的なセダンよりも実用性重視のSUVやクロスオーバーへの関心が高まりました。一方、スバルは北米市場での収益拡大を重視する経営戦略へシフトし、セダンとしてのWRX S4に経営資源を集中させることを決定しました。
セダンボディとしてのWRX S4は、スポーツ性と日常使用の両立という独自のポジショニングを確立することに成功しました。2.4Lの直噴ターボエンジンとスバルパフォーマンストランスミッション(SPT)の組み合わせにより、約300馬力のパワーと実用的な4ドア構成を両立させました。結果として、ワゴン廃止後もセダンWRX S4は、スポーツ愛好家とバランス志向ユーザーの両層から支持を獲得し、中古車市場でも高い残価率を維持しています。
現行WRX S4は、新開発の2.4L DOHC直噴ターボ"DIT"エンジンを搭載しており、最高出力は277kW(377馬力)/5,200~5,600rpmを発揮します。これは前世代の2.0Lターボエンジン(308馬力)と異なる高性能チューニングの方針を反映したもので、より低回転域からのトルク特性を重視した設計となっています。トランスミッションはスバル最新のスバルパフォーマンストランスミッションを採用し、熟練ドライバーが操作するマニュアル車のような変速感覚を実現しました。
スバルのボクサーエンジン(水平対向4気筒)は、エンジンの重心を低く保つことで、低い車高と高い走行安定性を両立させます。さらに、全輪駆動システム(AWD)と組み合わせることで、悪天候下での優れたトラクション性能をもたらします。AI-Shift(自動段階変速機能)とSI-DRIVEによるドライブモード選択(I/S/S♯)により、日常走行からワインディング走行まで、ドライバーのニーズに応じたパフォーマンス調整が可能です。
現行WRX S4は、スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を基盤としながら、スポーツ向けのサスペンション設定を施しています。STI Sport R EX以上のグレードには、電子制御ダンパー(ZF製)が搭載され、走行状況に応じてリアルタイムで減衰力を調整します。このシステムにより、ハンドリングの応答性と乗り心地のバランスを高次元で両立させることが実現されました。
ドライブモードセレクトでは、「I(Intelligent)」「S(Sport)」「S♯(Sport Sharp)」の3モードから選択可能で、各モードはエンジンの制御、ステアリング特性、トランスミッション変速ロジック、そしてダンパー減衰力を統合的に最適化します。特に、S♯モード時は限界付近での走行性能を引き出すよう調整され、サーキット走行経験を持つユーザーからも高い評価を受けています。
WRX S4は、スポーツセダンの中でも特に高いリセールバリューを示します。4年落ちで平均残価率59%、6年落ちでも平均残価率46%、8年落ちでも平均残価率40%という数字は、同時代のSUVと比較しても遜色ないレベルです。2018年式の中古車買取価格は平均244万円、2016年式では平均183万円、2014年式でも平均152万円と、使用年数が経過してもなお高い評価が維持されています。
この高いリセールバリューの背景には、スポーツ性という付加価値の高さとユーザーベースの信頼があります。セダンボディながらスポーツ走行性能を求めるニッチマーケットにおいて、WRX S4は代替品の少ない希少な存在です。また、スバルのブランド信頼性とターボAWDシステムの優れた走行特性が、各年代を通じて中古車市場での需要を支えています。モデルチェンジ情報の変動に左右されることはありますが、スポーツ愛好家の間では長期保有による価値維持が期待できるモデルとして認識されています。
WRX S4がセダンボディに統一されたことで、スポーツ性と実用性の両立が一層強化されました。セダンの4ドア構成により、日常での乗降性や後部座席の快適性が向上し、ファミリー層にも訴求力が高まっています。一方で、スポーツセダンとしてのアイデンティティは失われることなく、走行性能ではワゴンを上回る設定となっています。
グレード構成では、エントリーグレードの「GT-H EX」から、スポーツチューニングを施した「STI Sport R EX」「STI Sport R-Black Limited」まで、多段階の選択肢が用意されています。特別仕様車「STI Sport R-Black Limited」は、RECARO®フロントシートを標準装備し、スポーツドライビングに最適化されたインテリア環境を提供します。ボディカラーは8色から選択でき、セラミックホワイト、ギャラクシーパープル・パール、WRブルー・パールなど、個性的なカラーバリエーションが用意されています。
ワゴンボディの廃止はセダンへの経営資源集中を意味しており、現在のWRX S4はスバルが投入したスポーツサルーンの最高峰となっています。愛車に個性とパフォーマンスを求めるユーザーにとって、WRX S4はスポーツセダン市場での最有力候補となり、その選択は単なる移動手段ではなく、スバルのモータースポーツ遺産を享受する特別な体験につながるのです。
スバル公式サイト
https://www.subaru.jp/wrx-s4/
スバル WRX S4の最新スペック、グレード、価格情報が掲載されており、試乗予約も可能です。
カーセンサー中古車検索
https://www.carsensor.net/usedcar/bSB/s053/index.html
WRX S4の中古車在庫数、価格相場、年式別の市場動向が詳細に掲載されています。

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