新型CHR日本発売予測と欧州デザイン最新情報

2023年6月に欧州でワールドプレミアされた新型CHRは、トルコのトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・トルコ（TMMT）で生産されています。欧州市場では1.8Lハイブリッド、2.0Lハイブリッド、2.0Lプラグインハイブリッドの3種類がラインナップされ、さらに2025年3月には完全電動モデル「C-HR+」が正式発表されました。初代CHRは2016年デビュー後、日本で最も販売されたSUVの地位を獲得しましたが、2023年7月に国内生産を終了。新型が日本市場に導入されない可能性も指摘されていた中、テスト走行目撃情報が相次ぎ、国内導入への期待が再燃しています。

新型CHRはトヨタ欧州デザイン拠点ED²（ニース）によってデザインされ、トヨタの最新デザイン言語「ハンマーヘッドフェイス」を採用しています。このフロント意匠は横一文字のLED配置と知的で鋭いラインで構成され、初代の挑戦的フォルムを継承しつつ、より未来志向の彫刻的シルエットを実現しました。特筆すべきはポップアップ式ドアハンドルの市販化です。従来のコンセプトモデルでのみ見られた機構が、市販型で初めて採用されました。リア部分も一文字型テールランプが採用され、テールゲート中央の「C-HR」ロゴがLED点灯する新機構により、ナイトシーンでの存在感を大幅に強調。このデザインアプローチはプリウスやクラウンクロスオーバーの現行世代にも共通し、トヨタが進めるブランドの次世代イメージを象徴するものとなっています。

新型CHRの最大の特徴は、ハイブリッド・プラグインハイブリッド・完全電動という三つのパワートレインラインナップです。1.8Lおよび2.0Lハイブリッド車は第5世代システムを搭載し、新開発のリチウムイオンバッテリーにより従来比15％の軽量化と20％の高出力化を実現。2.0Lプラグインハイブリッドは13.6kWhのバッテリーを搭載し、EV走行距離は約66～80km（WLTP）に達し、総合燃費は約30km/L相当を達成しています。最も注目されるのは完全電動モデル「C-HR+」で、トヨタ初の都市型電動クーペSUVとして位置付けられています。C-HR+はe-TNGA専用プラットフォームを採用し、77kWhのリチウムイオンバッテリーにより約500kmの航続距離を確保。最大出力252kW（約343PS）の高性能により、0-100km/h加速が5.2秒という加速性能はBEVながら非常に優秀です。

新型CHRに搭載される最新のToyota Safety Sense（T-Mate）は、単なる自動ブレーキシステムではなく、AI搭載の予測的安全制御「プロアクティブ・ドライビング・アシスト（PDA）」を採用しています。このシステムは歩行者・自転車・車両を多角的に検知し、衝突リスクをAIが事前に予測して自動ブレーキで対応。従来比で誤検知を約40％削減しています。さらにクラウド連携により、地域特性に応じた支援パターンが随時アップデートされ、個人の運転パターンを学習する「学習型安全支援」を実現。ドライバー異常検知システム（EDSS）は意識喪失を自動検知して自動で減速・停止し、緊急通報「eCall」と連携するなど、予防医学的アプローチを車に適用しています。OTA（無線）アップデート機能により、納車後も安全装備が継続的に進化する点は従来型にない優位性です。

2024年春から2025年夏にかけて、東京都渋谷で新型CHRのテストカーが複数目撃されています。これらの車両は右ハンドル仕様であり、通常の豊田ナンバープレートを装着していることから、国内導入テストの可能性が高いと指摘されています。現段階ではトヨタから公式な日本発売予告は出ていませんが、新型C-HRのデザイン意匠は既に日本国特許庁に登録されており、法的な準備が進んでいます。業界分析では、国内ではカローラクロスを優先する方針は変わらないと見られていますが、C-HRはより上級で個性的なセグメントを狙うため、ラインナップの空白を埋める戦略的意義があります。2026年春～夏のハイブリッド・プラグインハイブリッド版先行導入、その後2027～2028年にかけてC-HR+（完全電動版）が追加される時間差展開が最有力シナリオです。2026年秋開催予定の「Japan Mobility Show」での国内仕様初披露と同時発表が有力視されています。