日産セレニティ スライドドア ピラーレス ストレスフリー

2003年に発表された日産セレニティは、セダンのラグジュアリー性とミニバンの居住性を融合した6人乗りMPV。斬新なスライドドアとピラーレス構造による超大開口、独創的なストレスフリーシート、未来的なインテリアデザインが特徴のコンセプトカーですが、その革新的なアイデアは現在の市販車にどのように継承されているのでしょうか?

日産セレニティ 次世代MPVの構想

日産セレニティ 3つの革新ポイント
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セダンとミニバン融合

セレニティは、セダンのスポーティ性・ラグジュアリー性とミニバンの広い居住性を兼ね備えた次世代マルチパーパスビークル(MPV)として設計されました

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日本文化DNA表現

日本のDNAをテーマに、歌舞伎、扇子、水墨画、桜、波模様など日本文化の要素を取り込んだ洗練されたデザイン

快適性と先進性

ストレスフリーシートと最新テクノロジーの融合で、快適で未来的な車内空間を実現

日産セレニティ 日本のDNAを表現するデザイン

 

日産セレニティは、2003年に開催された第37回東京モーターショーで発表されたコンセプトカーであり、その最大のテーマが「日本文化特有の洗練された静けさの表現」にありました。単なる機能的なではなく、日本の美学を次元的に表現する試みとして位置づけられていたのです。
参考)日産の「6人乗りセダンhref="https://kuruma-news.jp/photo/869836" target="_blank">https://kuruma-news.jp/photo/869836quot;ミニバンhref="https://kuruma-news.jp/photo/869836" target="_blank">https://kuruma-news.jp/photo/869836quot;」がスゴイ! スライドドア…

フロント部分は、歌舞伎の化粧をイメージしたマスクデザインで、日本の伝統芸能から着想を得た個性的な顔立ちを実現。サイド部分には、扇子を思い起こさせる特徴的なサイドウインドウが配置され、日本の古典的な美意識が随所に表現されています。インテリアには水墨画や桜、波模様といった日本の伝統美術からインスピレーションを受けたデザインが採用され、乗員を包み込むような空間構成となっていました。
参考)日産の「6人乗りセダンhref="https://kuruma-news.jp/post/880765" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/880765quot;ミニバンhref="https://kuruma-news.jp/post/880765" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/880765quot;」に反響多数! スライドド…

この日本文化の融合による設計は、単なる装飾的な要素ではなく、エクステリアの流線型シルエットと彫刻的なラインで空力性能を最大化する緻密な工学設計と共存しており、美しさと機能性の調和を実現していたのです。フロント部分のフルLEDスリムヘッドライトは、ボンネット前端から後端まで続く統一的なデザインで未来感を強調し、伝統と革新の融合を象徴していました。
参考)https://news.livedoor.com/article/detail/28062004

日産セレニティ ストレスフリーシートが実現する究極の快適性

日産セレニティの内装における最大の工夫が「ストレスフリーシート」の採用です。このシートは、NASA の無重力宇宙環境に関する研究をベースに開発された「中立姿勢」の概念に基づいており、人間にとって最もリラックスできるポジションを実現しています。
参考)【東京ショー2003出品車】日産『セレニティ』---豪華な次…

シート背もたれが中折れする独特の構造により、荷重が適切に分散され、腰に負担がかからないように設計されています。無重力下や水中での姿勢に近い角度設定となることで、ロングツーリング時の疲労を最小限に抑えることが可能です。さらに、ロングスライド機構とシート連動センターアームレストの採用により、乗員の快適な姿勢を多角的にサポートしていました。​
注目すべきは、デザイン部門がドライビングプレジャーも同時に実現する配慮をしていた点です。単純なリラックス性だけでは、運転の楽しさや意欲が損なわれるため、中立姿勢の概念を保ちながらもドライビングエンジョイメントを兼ね備えたポジションが設定されました。この革新的なシート設計は、市販車開発における「ゼログラビティシート」への直接的な継承と言えます。
参考)【東京ショー2003出品車】河の流れのよぉ〜にぃ〜日産『セレ…

日産セレニティ ピラーレス&スライドドアが生む超大開口の利便性

セレニティの乗り降りの快適性を実現する最大の工夫が、ドアデザインとボディ構造の革新にありました。フロント部分は従来のヒンジドア、リア部分はスライドドアで構成され、その間に構造上のBピラー(中央支柱)を配置していないピラーレス構造を採用しています。​
この設計により、フロントドアを外側に、スライドドアを横にスライドさせると、ボディ側面全体が大きく開放される「超大開口」状態になります。これは車内への出入りを大幅に容易にしており、現代の課題である高齢者や身体障害者の乗り降りの問題を先制的に解決する提案となっていたのです。​
ボディ高さもミニバンにしては低めに設定されており、車いすユーザーを含む様々なユーザー層にアクセスしやすいデザインが実現されていました。このような設計思想は、単なる技術的な革新ではなく、社会的包括性を念頭に置いたユニバーサルデザイン的なアプローチであり、2003年の時点でこのような配慮が組み込まれていたことは、日産の先見の明を示すものです。​

日産セレニティ 未来的インテリアテクノロジーの融合

セレニティのインテリアには、人間工学に基づいた快適性だけでなく、最新テクノロジーの統合が図られていました。ホリゾンタルメーター(高さ70mm×幅1200mm)と呼ばれる水平方向に広がるメーター部は、液晶モニターと透明ELディスプレイを埋め込んだ革新的な表示装置で、スピードメーター、ナビゲーション情報、アラウンドビューカメラの映像などを統合表示します。​
さらに、「マジック4コンセプト」という長方形に近い独特のハンドルデザインを採用し、内外部に4つのスイッチを配置することで、ドライバーが直感的に各種機能をコントロールできるようにしていました。このコンパクトで洗練されたシフトノブ設計は、現代のテレスコピック式ステアリングコラムの原型となる概念を先取りしていました。​
インストルメントパネルとシフトノブには上質なウッド素材が使用され、有機的でなめらかなラインの造形との組み合わせで、テクノロジーによる冷たさを人間的な温もりで包み込む設計思想が示されています。シティブラウズ機能と呼ばれるテレマティクス連動機能は、走行ルート周辺の店舗情報を、実際のランドマークを追従する形でメーター上に表示する先進的なナビゲーション概念を提案していました。​

日産セレニティ スピリットが現在の市販車に継承される理由

セレニティの発表から約22年が経過した現在も市販化はされていませんが、このコンセプトカーの核となる思想は、現代の日産市販車に間接的な形で継承されています。最も顕著な例が、現行セレナに採用されている「ゼログラビティシート」です。​
ゼログラビティシートはストレスフリーシートと同じ発想に基づいており、座面が適切に荷重を受けることで前滑りを低減させ、シートクッションが体圧を分散するように設計されています。柔らかい座り心地を持ちながらも深く沈み込まない絶妙なバランスで、ロングドライブ時の疲労軽減と安定感を両立させています。
参考)腰痛持ちのおじさんにありがたい! 日産こだわりの長時間乗って…

セレニティは市販化されなかった理由は、当時の技術的課題や市場ニーズの不確実性にありましたが、その革新的なコンセプトは決して忘れ去られていません。パワートレイン面でも、3.5リッターV型6気筒「VQ35型」エンジンと最新のエクストロニック式CVT(無段変速機)の組み合わせで、スムーズで静粛な走行体験を目指していました。このような動力性能面での先進性も、現代の日産車開発における指針となっています。​
セレニティが示したコンセプトと理想形は、現在でも多くの自動車メーカーにとって参考になるほどの完成度を備えており、その意味では完全には商品化されなかったものの、自動車文化に対する貢献度は計り知れないといえるでしょう。​

 


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