新型エルグランドは、現行モデルからの大幅な価格上昇が予想されています。現行の250ハイウェイスターS（2WD）が約408万円であるのに対し、新型はe-POWER搭載と充実した先進安全装備により、エントリーグレードでも約500万円からのスタートとなる見込みです。これは約100万円の値上げとなりますが、搭載される最新テクノロジーと高級感の向上を考慮すれば、納得できる価格設定と言えるでしょう。
予想される価格帯の全体像は、エントリーグレードで約500万円、売れ筋グレードの550万円～700万円帯、そして最上級VIPグレードで800万円～900万円を超える水準となると複数の自動車メディアが報道しています。これはライバルであるトヨタ アルファード（ハイブリッドX：510万円）、ホンダ オデッセイ（ハイブリッドe:HEV アブソリュート：480万円超）との価格競争を勘案した現実的な設定です。
グレード選びで最も迷いやすいのが「ハイウェイスター」と「ハイウェイスター プレミアム」の選択です。両グレードの違いは主に内装の質感と快適装備の充実に現れます。現行モデルを例に挙げると、価格差は約75万円ですが、その差を上回る装備充実度があります。
ハイウェイスターの基本装備は織物と合皮のシート、マニュアル調整式シートですが、プレミアムでは本革シート（ギャザー付き）、フロントパワーシート、クイックコンフォートシートヒーター、パーソナルドライビングポジションメモリーシステムが標準装備されます。さらにリモコン式オートバックドアも搭載され、日常の利便性が大幅に向上します。特に本革シートの採用は車内の高級感を一気に高め、長時間の乗車でも疲れにくい快適性を実現します。新型でもこの傾向は継続されると予想され、プレミアムグレードは実装される先進安全装備と相まって、最も満足度の高い選択肢となるでしょう。
エルグランドの最上位に位置するVIPグレードは、単なる装備の豪華さにとどまらず、後席に乗る要人（Very Important Person）をもてなすことを最優先に設計されたショーファードリブン仕様です。新型エルグランドでも引き続き設定される見込みで、800万円～900万円を超える価格帯にて提供されます。
VIPグレードの最大の特徴は、後席を2席のみとした4人乗り贅沢仕様が選択できる点です。広大な空間に独立した2つのエグゼクティブパワーシートを配置し、ギャザーと専用ステッチが施された最高品質の本革を採用。読書灯、後席用集中コントロールスイッチ、格納式テーブルなど、細部に至るまで要人のおもてなしを意識した設計になっています。新型では「VIP パワーシートパッケージ」といったさらに装備を充実させた仕様も設定される見込みであり、企業の役員送迎や賓客接待といったプロフェッショナルな需要に応える一台として確立されています。
新型エルグランドの大きな進化ポイントは、第3世代e-POWERの搭載と最新の先進安全装備の標準化です。発電専用の1.5リッター新開発VCターボエンジンとモーターを一体化した「5-in-1」構造により、現行の2.5L／3.5Lガソリンエンジンとは比較にならない静粛性と燃費性能の向上が期待されています。
WLTCモードの燃費は、現行の10.0km/Lから15.0km/L～18.0km/L程度への大幅改善が予想されており、経済的な負担が1.5倍以上軽減される可能性があります。上位グレードには電動駆動四輪制御技術「e-4ORCE」が設定され、前後のモーターを緻密に制御することで、雪道や悪路での安心感、コーナリング時の安定性が格段に向上します。
先進安全装備では、高速道路でのハンズオフ運転を可能にする「プロパイロット2.0」が全グレード標準装備される見込みで、渋滞走行時の疲労軽減と事故防止に大きく貢献します。これらの技術投資が新型の500万円からの価格を正当化する根拠となっています。
新型エルグランドの発売は**2026年度内（2026年4月～2027年3月）**が確定しており、正式発表は2025年秋から冬にかけて行われると予想されます。2025年10月のジャパンモビリティショーでワールドプレミアが有力視されており、その後の冬期に先行予約受付開始、2026年春から夏にかけての納車開始という流れが想定されています。
現行モデル（E52型）は2010年登場からすでに約15年が経過した熟成されたロングライフモデルです。新型発表前の今が現行モデルの購入を検討するラストチャンスとなる可能性があります。ただし、新型のe-POWER化による燃費改善と先進安全装備を重視する場合は、2026年度の新型待機が賢明な選択となるでしょう。一方、価格を最優先する場合は、現行モデルの購入も検討に値します。現行250ハイウェイスターSの約408万円という価格は、新型と比較すれば約100万円以上のコスト削減になるためです。
新型エルグランドは、日産がトヨタ アルファード・ヴェルファイアが支配するプレミアムミニバン市場に本格的に再挑戦する戦略の集大成です。e-POWER専用化による環境性能の向上、プロパイロット2.0といった最新の先進安全装備、そして全グレードにおける内外装の高級化により、次世代ミニバンの新しい基準を提示することになるでしょう。500万円のエントリーグレードから900万円超のVIPグレードまで、幅広い顧客層のニーズに応える価格帯が揃えられており、あなたのライフスタイルと予算に合わせた選択が可能になります。
