高速道路の路肩走行は「通行区分違反」として違反処罰の対象となります。特に二輪車(自動二輪車)の場合、反則金7,000円と違反点数2点が科されることになっており、この違反は交通安全に対する重要な警告です。高速道路の路肩は本来、緊急時に車両を停止させるためのスペースであり、故障車の一時停止や緊急車両の通行に限定されています。
違反となる行為には、渋滞時に二輪車が路肩を走行する「スリ抜け走行」も含まれます。お盆やゴールデンウイークなどの混雑期に、つい走行したくなる衝動に駆られるドライバーも多いのですが、どのような状況であっても法的には認められていません。原付バイクの場合は反則金が6,000円と若干低くなりますが、違反点数は同じ2点です。
さらに重要な点として、この違反で取り締まられると累積違反点数に加算され、一定点数に達すると免許停止や免許取消しの対象となる可能性があります。
路肩と路側帯は見た目は似ていますが、法的性質がまったく異なります。路肩は道路構造令に基づいて設置される、歩道の外側にある帯状スペースで、その外側には歩道があります。一方、路側帯は道路交通法に基づいて設置される、歩道のない道路の左端にある帯状スペースです。この区別は非常に重要で、一般道路における走行可否の判断を大きく左右します。
高速道路の場合、路肩走行は全面的に禁止されていますが、一般道路では状況が異なります。高速道路の路肩は緊急車両専用の走行スペースのみと定められ、どのような渋滞状況であっても二輪車の走行は許可されていません。路側帯についても基本的に走行は禁止ですが、法的解釈が若干異なる場合があります。
また、路肩と路側帯の違いは駐停車の可否にも影響します。路肩については車両故障時の一時停止が認められている一方で、路側帯での駐停車は基本的に禁止されており、この細かな区別が法的判断の基準となります。
高速道路の路肩走行による事故リスクは、想像以上に深刻です。渋滞時に二輪車が路肩を走行する際、突然停車している車両に衝突する危険性があります。高速道路上では後続車両が予期しない二輪車の存在に気づきにくく、追突事故が多発しています。特に視認性が低くなる夜間や悪天候時には、このリスクが顕著に高まります。
さらに緊急車両の通行を妨げるという問題も生じます。救急車やパトカーが人命救助や事件対応のため路肩を使用しようとしたとき、路肩上に二輪車が走行していると緊急活動に支障をきたします。実際にNEXCO(高速道路会社)からは「路肩走行は後続車両からの追突危険が極めて高い」という明確な警告が発出されており、これは統計的な事故データに基づいています。
また、路面の段差や突然の障害物に二輪車が遭遇するリスクも高まります。路肩には砂利や異物が堆積している場合があり、スリップの原因となり得ます。高速走行中の転倒は致命傷に至る可能性があり、この点からも路肩走行の危険性は強調されるべきです。
夏季の高速道路渋滞は、二輪車ライダーにとって特有の深刻な危険をもたらします。エアコンのない二輪車で、プロテクター付きジャケットやライディングパンツなどの安全装備を着用したまま、長時間渋滞に巻き込まれることで、体感温度が40℃を超える状況が生じます。これは熱中症の高いリスクを招き、実際に走行中の意識朦朧や脱水症状による事故例も報告されています。
路肩走行を選択しようとする心理の多くは、こうした過酷な環境から逃げたいという自然な欲求から生まれています。しかし、違法な路肩走行によって逮捕される危険、そして予期しない事故に遭う可能性は、一時的な不快感よりもはるかに重大な結果をもたらします。正規の走行レーン内での安全運転が、最終的には自身の命を守る唯一の手段であることを認識する必要があります。
対策としては、渋滞が予想される季節には十分な休息を計画すること、水分補給の準備、そして何より焦らず落ち着いた走行が重要です。
実は、スペインやイギリスなどのヨーロッパ諸国では、限定的に路肩走行を認めている国が存在します。スペインでは、渋滞時に限定して二輪車が時速40km以下で路肩を走行することが認められており、イギリスの一部高速道路でも同様の制度があります。このような制度が導入されている背景には、ライダーの安全を考慮した現実的な判断があります。
対して日本の国土交通省は、路肩走行を原則禁止とする方針を堅持しています。その理由は、緊急車両の通行妨害となる可能性と、安全性の確保が主張されています。しかし、オートバイ協同組合連合会などの業界団体は、渋滞時に限定した特定条件下での路肩走行許可を継続的に提案しており、この議論は政治的な争点にもなっています。
日本での認可の可能性としては、今後、自民党二輪車問題対策プロジェクトチームなどの活動を通じた法制度の改正があり得ますが、現段階では違反であることに変わりありません。ライダーは現行法を遵守し、諸外国の事例は参考情報として理解するに留める必要があります。
参考:スペインの路肩走行制度について、渋滞時の二輪車安全性を考慮した制度設計が行われています。日本での将来的な制度改正の可能性については、業界団体と政府機関の継続的な協議が進行中です。
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