パトカー クラウン 新型 16代目の全実像

白黒パトカーの代名詞である新型クラウンが16代目でどのように進化を遂げたのか?セダンとスポーツ、そして燃料電池仕様まで、全国初のパトカー配備から採用基準、搭載技術まで、あらゆる角度から新型クラウンパトカーの実態に迫ります。

パトカー クラウン 新型について

16代目クラウン シリーズ概要
🚔
新型ラインアップ構成

16代目クラウンは従来のセダン中心から、大きく方針転換。クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの4種類をラインアップしました。

パワートレイン多様化

従来のガソリンエンジンから、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、さらには燃料電池車(FCEV)まで、多方面のエネルギー戦略に対応

📏
ボディサイズの拡大

セダンモデルは全長5030mm、全幅1890mmと、先代モデルと比較して格段に大型化。パトカー採用基準であるトランク容量450L以上を確実に満たします

パトカー クラウン新型が採用される理由

 

パトカーの採用基準は、警察庁が定める国費調達規格に基づいています。その基準は厳密で、4ドアセダン型、排気量2500cc級以上、乗車定員5名、トランクルーム容量450L以上といった条件が設定されています。特にトランク容量は、機動装備や書類、測定機器など、職務遂行に必要な装備を搭載するために不可欠とされています。

 

新型クラウン・セダンは、これらの基準をクリアするために設計段階から入念に検討されました。セダンボディを採用することで、乗降性と安定性を両立させながら、十分な室内スペースを確保。2000万円近い導入価格を払ってでも採用される理由は、高速走行時の安定性、旋回性能、そして何より乗員の安全性が求められる職務遂行環境だからです。警察庁の指定する「パトカー適格車」として、クラウンはその筆頭候補となり続けています。

 

参考リンク:パトカー採用基準についての詳細情報は、警察庁交通局の公式情報に基づいています
警察庁公式サイト

パトカー クラウン新型セダンの実仕様

2024年12月25日、福島県警察が全国初となる16代目クラウン・セダンFCEVをベースとしたパトカーを配備しました。このクラウンセダンFCEVパトカーは、極めて特殊な仕様です。導入価格は赤色灯などの追加装備を含めて約2000万円に上ります。通常の民間向けハイブリッド仕様と比較して、燃料電池システムの搭載により価格が大幅に上昇する結果となっています。

 

交通機動隊に配備されたこのパトカーは、福島県が推進する「脱炭素社会の実現に向けた水素利用推進事業」の一環として導入されました。水素社会への転換を見据えた戦略的な導入であり、環境配慮と公務遂行の両立を目指したものです。ただし配備台数は1台に限定されており、実験的性質が強いと言えます。従来の210系クラウンパトカーと比較すると、燃料補給インフラの課題など、実運用にはまだ改善の余地が存在します。

 

パトカー クラウン新型スポーツPHEV仕様

2025年3月、愛知県警がトヨタから寄贈された「クラウン・スポーツ(PHEV)」をベースとするパトカーを公開しました。これは16代目クラウンシリーズにおいて、セダンFCEVに続く2台目のパトカー導入事例となります。従来のセダンとは異なり、SUVテイストのボディデザインを採用したこのスポーツモデルは、視界の広さと乗り降りのしやすさで現場からの評価を集める可能性があります。

 

プラグインハイブリッド車(PHEV)という選択は、FCEV同様に環境配慮を基調としながらも、燃料補給インフラの課題を解決する実用的なアプローチです。クラウン・スポーツのPHEV仕様は、全長4720mm、全幅1880mm、全高1565〜1570mmと、セダンより小回りが利く設計。最小回転半径が5.4mと、セダンの5.7〜5.9mより優れており、狭い道路での機動力が向上する可能性があります。

 

参考リンク:最新のクラウンスポーツパトカー仕様について
トヨタ公式サイト

新型クラウンパトカーの動力性能と採用課題

新型16代目クラウンがパトカー化される際の課題として、先代210系との動力性能比較が指摘されています。交通取締現場の警察官からは、220系パトカーは210系と比べて加速性能や旋回時の安定性が劣るとの指摘もあります。これは新型クラウンのハイブリッドシステムが燃費性能を優先した設計になっているため、パトカーのような高負荷走行が続く環境では、従来型エンジンとの違いが露呈する傾向があります。

 

燃料電池仕様やPHEV仕様の導入は、こうした課題をクリアするための新たな試みです。FCEVは電気モーターにより即座の力強い加速が可能で、PHEVも電池残量があれば電気駆動で俊敏な応答性を確保できます。ただし、水素ステーションの配置が限定される地域では、FCEV仕様のパトカー運用は現実的ではありません。福島県がFCEVを導入した背景には、県内に複数の水素ステーション整備計画があることも関係しています。こうした地域別の最適化が、今後のパトカー導入の鍵となると予想されます。

 

新型クラウン 過去パトカー採用の歴史と教訓

クラウンがパトカーとして採用され始めたのは、高度経済成長期にまで遡ります。その後、セドリック(日産)やレガシィ(スバル)といった他メーカーのセダンも競争相手となってきました。しかし圧倒的多数派はクラウンであり、「白黒パトカー=クラウン」というイメージが定着してきたのはこの歴史があるからです。

 

興味深い事実として、先代の15代目クラウンは、実は開発段階でトランク容量の計測方式に関して問題が生じました。当初は450L要件を満たしていないとされたものの、後に計測基準が改正され、ようやく国費調達パトカーとして採用される運びとなりました。この教訓から、16代目開発時には、パトカー採用要件を最初から設計に組み込む戦略が取られたと言えます。実際に16代目セダンのカタログには「ラゲッジ容量450L」がハッキリと記載されており、パトカー適格性が前提設計されていることが明白です。

 

こうした歴史的背景を踏まえ、将来的には他のボディタイプ(クロスオーバーやエステート)のパトカー化も考えられます。セダン以外への幅広い採用拡大は、パトカー需要の多様化と、より実務的な現場ニーズへの対応を意味するでしょう。

 

 


タカラトミー(TAKARA TOMY) 『 トミカ ビッグに変形! デカパトロールカー 』 ミニカー 車 おもちゃ 男女子両用 3歳以上 玩具安全基準合格 STマーク認証 TOMICA