ホンダ新型クーペ プレリュード復活秘話

24年ぶりに復活するホンダ新型プレリュードの魅力を徹底解説。革新的なHonda S+Shiftやデザインの進化、歴代モデルとの比較まで詳しく紹介。果たして現代のデートカーとして再び君臨できるのでしょうか?

ホンダ新型クーペ プレリュード復活

新型プレリュード 復活のポイント
🚗
24年ぶりの復活

2025年秋発売予定で、往年のデートカーが現代技術で蘇る

Honda S+Shift搭載

ハイブリッドながらダイレクト感のある変速を実現する革新技術

特別感のあるデザイン

流麗なクーペスタイルと職人技を感じさせる内装の作り込み

ホンダ新型クーペ プレリュード 2025年秋発売決定

2025年秋、ホンダが誇るスペシャリティクーペ「プレリュード」が24年ぶりに復活します。2001年に5代目の生産が終了して以来、長らく待ち望まれていた6代目プレリュードがついに現実のものとなります。

 

復活の背景には、ホンダの電動化戦略と共に、スポーツカー市場への再参入という強い意志があります。2022年に発表されたプレリュード コンセプトから約3年の開発期間を経て、市販モデルとして完成度を高めてきました。

 

新型プレリュードは、歴代モデルと同様に美しい2ドアクーペスタイルを採用しており、左右のヘッドライトを繋ぐ細いグリルや横一文字のテールライトが印象的なデザインとなっています。現代のホンダデザイン言語を取り入れながらも、プレリュードらしいエレガントさを保持している点が特徴的です。

 

ホンダ新型クーペ Honda S+Shift技術革新

新型プレリュードの最大の技術的トピックスは、「Honda S+Shift(ホンダ・エスプラスシフト)」の初搭載です。この革新的なシフト制御システムは、従来の「リニアシフトコントロール」を大幅に進化させたものです。

 

Honda S+Shiftは、エンジンとモーターを緻密に制御することで、ハイブリッドシステム「e:HEV」でありながらダイレクト感のある変速を実現します。加減速時にエンジン回転数を精密にコントロールし、鋭い変速とレスポンスの良さを両立させています。

 

開発責任者の山上智行氏は「MT車の運転が好きな私でも、ここまでクルマが上手にシフトチェンジしてくれるなら、クルマ任せでいいと思えるほどの仕上がり」と自信を見せています。この技術により、従来のハイブリッド車では味わえなかった、エンジンの存在感とスポーティな走りを体感できるようになっています。

 

パワートレインには、シビックと同じ高効率化が盛り込まれた2リッター直列4気筒エンジンが搭載され、走行用と発電用の2モーターを備える「e:HEV」システムと組み合わされます。

 

ホンダ新型クーペ デザイン進化と特別感

新型プレリュードのエクステリアデザインは、歴代モデルと比較して大きな進化を遂げています。従来の比較的スクエアなボディラインから一転し、流麗な弧を描くルーフラインが目を引く現代的なスタイリングとなっています。

 

ボディの面構成もグラマラスで豊かな表情を持ち、これはデザインの進歩だけでなく、プレス技術の進化も大きく貢献しています。一方で、低く構えたワイド&ショートデッキのシルエットやキャビンをより小さく見せる手法は、従来モデルから引き継がれているプレリュードらしい特徴です。

 

インテリアでは、特別感のある作り込みが随所に施されています。センターコンソールのコントロール部分はホンダの「H」を思わせるデザインとなっており、表面はレザー仕上げで切り返し部分にはダブルステッチが施されています。このダブルステッチは2色使いで、「特別なひとと一緒に走る」という車両コンセプトを色で表現しているという細やかな配慮が見られます。

 

シート設計にも工夫が凝らされており、ドライバーズシートはサポート性を重視した硬めの設定に対し、助手席は同じデザインながら乗り降りしやすさを考慮した仕様となっています。助手席前には刺繍で仕上げられた「Prelude」ロゴが配置され、量販車では見ることのない特別感を演出しています。

 

ホンダ新型クーペ シビックベース プラットフォーム詳細

新型プレリュードは、現行シビックをベースとしたプラットフォームを採用しています。これにより、最新の安全技術や走行性能を確保しながら、開発コストの効率化も図られています。

 

足回りの基本的な部品はシビック タイプRと共通で、デュアルアクシス・ストラット・サスペンションと電子制御ダンパーの組み合わせが採用されています。ただし、セッティングはプレリュード専用で、街中から高速道路、ワインディングまで幅広いシーンで快適かつ爽快な走りを実現するよう調整されています。

 

電子制御の減衰力可変ダンパーシステムが搭載され、スポーティモデルらしいハンドリングと乗り心地の良さを両立します。さらに、パワートレインの制御も統合的にコントロールすることで、「モードを切り替えると違うグレードのクルマに乗っているようなキャラクターチェンジが楽しめる」という特徴的な走行性能を実現しています。

 

小さいながらも後席が用意されており、いざという時には4人乗りも可能です。後席の背もたれを倒すと荷室はほぼフラットになり、ゴルフバッグなどの長尺物も搭載できる実用性も確保されています。

 

ホンダ新型クーペ 歴代プレリュード継承と革新

新型プレリュードは、1978年に登場した初代から続く歴史と伝統を受け継ぎながら、現代の技術で大きく進化を遂げています。特に1980年代の2代目、3代目プレリュードは「デートカー」という流行語を生み出すほど若者から支持を集め、女性ユーザーからも高い評価を得ていました。

 

歴代プレリュードの特徴であったスペシャリティクーペとしての位置づけは新型でも継承されており、スポーティなフォルムに快適性や高級感を持たせるというコンセプトは変わっていません。しかし、現代のカーボンニュートラル時代に対応するため、ハイブリッドシステムを採用しながらもスポーツカーらしい走りを追求している点が大きな革新です。

 

2025年4月に開催された「オートモビル カウンシル2025」では、初代から5代目までの歴代モデルと新型のプロトタイプが一堂に展示され、それぞれの時代で革新的なデザインや技術を投入してきた歴史が紹介されました。新型プレリュードは、この長い歴史の集大成として位置づけられています。

 

往年のファンにとっては懐かしさを感じさせながら、新しい世代には現代的な魅力を提供するバランスの取れた設計となっており、幅広い層からの注目を集めています。ホンダが「2020年代半ばの市販化に向けて開発中」と発表してから約5年の歳月を経て、ついに実現する復活劇は、自動車業界でも大きな話題となっています。