フィットリュクスの外観は、通常のフィットとは一線を画す上質な仕上がりが特徴です。フロントグリルやドア下部、テールゲート下部にはプラチナ調のクロームメッキガーニッシュが配置され、高級感を演出しています。
特に注目すべきは、LUXE専用デザインの16インチアルミホイールです。エレガントなデザインが足元から華やかな印象をもたらし、コンパクトカーでありながら上級車のような存在感を放っています。
ボディサイズは全長3995-4095mm×全幅1695-1725mm×全高1515-1570mmと、今や貴重な5ナンバー枠の普通乗用車でもあります。このサイズ感は、都市部での取り回しの良さと立体駐車場への対応を両立しており、実用性も兼ね備えています。
フロントピラーは先代よりも薄くなっており、スタイリッシュな印象を与えるとともに、前方視界の改善にも貢献しています。新構造のダブルAピラーの採用により、安全性と美しさを両立した設計となっています。
フィットリュクスの内装は、コンパクトカーの常識を覆す豪華な仕上がりが最大の魅力です。本革シートを標準装備し、前席にはシートヒーターも備わっています。さらに、ステアリングヒーターも装備されており、クラスを超えた快適装備が採用されています。
特に話題となっているのが、オプションで選択可能な「ライトブラウン」のインテリアカラーです。通常のブラックに加えて用意されたこのカラーは、ベージュに近い明るい色調で、前後シートだけでなく、インパネやステアリング下部からセンターコンソール、フロントアームレストまでベージュ系統に統一されています。
シートの仕立ても特別で、ヘッドレスト周囲やシートの肩口部にはブラックパイピングがあしらわれています。背もたれと座面中央部にはキルティングとパーフォレーション(穴あけ)加工が施され、高級車さながらの質感を実現しています。
細部へのこだわりも徹底しており、シートベルトも前後シートでブラウンの専用品を装着。このような細かな配慮により、他のモデルとは一線を画す上質な空間に仕上がっています。
フィットリュクスの価格設定は、ガソリン車(FF)が230万5600円から、ハイブリッド車(4WD)が284万6800円となっています。この価格帯で本革シートや専用装備を備えた「小さな高級車」が手に入るのは、非常に魅力的な設定と言えるでしょう。
装備面では、本革シートに加えて以下のような豪華装備が標準で備わっています。
さらに、先進の安全運転支援システムとして、ブラインドスポットインフォメーションや後退出庫サポートなどもオプションで用意されています。Honda CONNECTにも対応しており、スマートフォンで家からエアコンをONにしたり、地図の自動更新なども可能です。
パワートレインは1.5リッターガソリンと1.5リッターハイブリッド(e:HEV)を用意し、駆動方式はFFと4WDを設定。2022年10月のマイナーチェンジでガソリンエンジンは1.3リッターから1.5リッターへと排気量がアップし、パワーの向上が図られています。
実際の販売現場では、フィットリュクスは特定のユーザー層から高い評価を得ています。首都圏のホンダ販売店によると、「今までアコードやシビックなど上のセダンなどに乗られていたお客様がダウンサイジングする候補として選んで頂いております」とのことです。
また、30代、40代のお客様からは「このクラスでこの質感が良かった」という声も多く寄せられており、質感の高さで選ばれるケースも増えています。これは、単なる価格の安さではなく、上質な仕上がりが評価されていることを示しています。
フィット全体としては若年層から年配層まで幅広い支持を得ていますが、リュクスは特にその上質なコンセプトから、より質の高いカーライフを求めるユーザーに支持されています。
競合車種との比較では、日産「ノートオーラ」やレクサス「LBX」と並んで「小さな高級車」カテゴリーの代表格として位置づけられています。この市場セグメントは近年注目を集めており、コンパクトカーでありながら上級車並みの質感を求めるユーザーのニーズに応えています。
フィットリュクスの隠れた魅力として、メンテナンス性の良さと長期保有における価値の高さが挙げられます。ガソリンエンジンモデルでは、ハイブリッドシステムがないため、エンジンルームがシンプルな構造となっています。
エンジンマウントやエアクリーナーなどの基本的な部品配置は、従来のフィットと大きく変わらないため、メンテナンスの際の作業性も良好です。これは長期保有を考えるユーザーにとって重要なポイントとなります。
また、本革シートなどの高級装備は、適切なメンテナンスを行うことで長期間にわたって美しい状態を保つことができます。特にライトブラウンの内装は、経年変化による味わいも楽しめる素材として、長期保有の魅力を高めています。
リセールバリューの面でも、フィットリュクスは他のグレードと比較して高い評価を維持する傾向があります。上質な装備と限定的な生産台数により、中古車市場でも一定の需要が見込まれています。
さらに、ホンダの5ナンバーコンパクトカーとしての実用性は、都市部での使い勝手の良さを長期間にわたって提供します。立体駐車場への対応や狭い道での取り回しの良さは、日常使いにおいて大きなメリットとなっています。
このように、フィットリュクスは単なる見た目の美しさだけでなく、実用性とメンテナンス性を兼ね備えた、長期保有に適した「小さな高級車」として、多くのユーザーから支持を集めています。