フェラーリは1947年、イタリアのマラネッロにおいて創業者エンツォ・フェラーリによって設立されました。エンツォは1929年に「スクーデリア・フェラーリ」というレーシングチームを立ち上げ、アルファロメオの車両でレース活動を展開していました。レースドライバーとしても活躍した彼は、モータースポーツへの情熱を胸に独自ブランドの創業を決意します。
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第二次世界大戦後の1947年、エンツォはフェラーリ初のオリジナルカー「125S」を完成させました。この車は1気筒あたり排気量125ccから名付けられ、12気筒エンジンを搭載した高性能マシンでした。125Sはイタリア国内レースで6回の優勝を飾り、フェラーリの名を世界に知らしめる第一歩となったのです。
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その後フェラーリは1948年のミッレ・ミリアと1949年のル・マン24時間レースで優勝を果たし、世界的なレーシングブランドとしての地位を確立していきました。エンツォ・フェラーリの「レース参戦資金を捻出するためにロードカーを作っていた」という逸話は有名で、創業から1960年代まで生産したモデルのほぼすべてがレースに出場していました。
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現在では株式市場にも上場し、年間生産台数は2020年に初めて10,000台を超えるまでに成長しています。伝統を維持しながら先進的な機械を導入し、手作業と最新技術を融合させた洗練された生産体制を構築しているのがフェラーリの特徴です。
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フェラーリのシンボルマークである「跳ね馬」は、イタリア語で「カヴァリーノ・ランパンテ」と呼ばれています。この由来は第一次世界大戦におけるイタリア空軍のエースパイロット、フランチェスコ・バラッカ伯爵が自身の戦闘機につけていたパーソナルマークに遡ります。
参考)Ferrari(フェラーリ)のエンブレム『跳ね馬』由来
1923年、ラヴェンナで行われたレース「チルキット・デル・サヴィオ」でドライバーとして優勝したエンツォ・フェラーリは、観戦していたバラッカ伯爵の母パオリーナ夫人から声をかけられました。夫人はエンツォの勇姿に息子の面影を見て、「ぜひ息子が愛用していた跳ね馬のシンボルを使ってほしい」と申し出たのです。エンツォはこの申し出を受け入れ、以降フェラーリのエンブレムとして採用しました。
参考)フェラーリのエンブレム(馬)の由来。「イタリア空軍の撃墜王か…
バラッカが戦闘機に付けていた跳ね馬は、実は撃墜したドイツ軍機から持ち帰ったマークでした。当時の文化として、敵軍機を撃墜した証として戦利品のマークを自分の機体に貼り付ける習慣があったのです。
参考)フェラーリの跳ね馬の由来ご存知ですか?
エンブレムの黄色い背景はフェラーリ発祥の地であるイタリア・モデナ市の色を表し、上部にはイタリア国旗の緑・白・赤があしらわれています。こうして跳ね馬のエンブレムは、戦争の歴史とイタリアの誇りを象徴するシンボルとなったのです。
フェラーリは1947年の創業以来、数々の伝説的モデルを生み出してきました。現在のラインアップは主にV12エンジン、V8エンジン、ハイブリッドエンジンの3カテゴリーに分かれています。
参考)フェラーリの車種一覧 - Wikipedia
V12エンジン搭載モデルの最新作は2024年5月に発表された「12チリンドリ」です。排気量6,496ccのV型12気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力830馬力を発揮するフラグシップモデルとなっています。先代の812スーパーファストから30馬力向上し、四輪操舵システムも装備されています。
2022年には革新的な「プロサングエ」が登場しました。これはフェラーリ初の4ドア4シーター高級SUVで、価格は4,760万円からと設定されています。流線型のフォルムにV12エンジンを搭載し、センターオープン式のドアを採用するなど、SUVでありながらフェラーリらしさを貫いた挑戦的なモデルです。
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ハイブリッドモデルの代表格は「SF90ストラダーレ」で、フェラーリ初のプラグインハイブリッドカーとして誕生しました。3,990ccのV型8気筒ツインターボエンジンに3個のモーターを組み合わせ、四輪駆動を実現しています。また「296GTB」はV型6気筒エンジンを搭載したプラグインハイブリッドで、後輪駆動方式を採用しています。
歴史的な名車としては、1950年代から60年代の「250GT」「250GTO」、1980年代の「テスタロッサ」「F40」、2000年代の「エンツォ」、そして2013年の「ラ・フェラーリ」などが挙げられます。これらのモデルは今なおコレクターや愛好家の憧れの的となっています。
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現在、全車種が日本に正規輸入されており、右ハンドル仕様車も用意されています。新車購入時には3年間のメーカー保証と7年間の純正メンテナンスプログラムが無償で付帯し、最長15年まで保証期間を有償延長できる「ニューパワー15」というサービスも提供されています。
フェラーリは1950年のF1グランプリ創設時から現在まで、毎シーズン参戦し続けている唯一のレーシングチームです。この継続参戦記録は他のどのチームも成し遂げていない偉業であり、フェラーリの揺るぎない情熱を物語っています。
その実績も圧倒的です。ワールドコンストラクターズタイトルは通算16回獲得、レースでの勝利数は247勝を数えます。これに続くマクラーレンが8回のタイトルと188勝、ウィリアムズが9回のタイトルと114勝であることを考えると、フェラーリの強さは群を抜いています。
参考)https://f1-data.jp/script/db/score/constructor.php?ID=16
F1で培われた技術は市販車にも惜しみなく投入されています。特にV12エンジンの開発においては、F1の経験が色濃く反映されています。最新の「12チリンドリ」に搭載されるF140HDエンジンは最高回転数9,500rpmを実現し、チタン製コンロッドの採用で回転質量を40%削減、スライディング・フィンガーフォロワー式のバルブトレインなど、F1技術が随所に活かされています。
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エンジンの咆哮にもこだわりがあります。排気ダクトは各バンク6-in-1の等長マニホールドとし、中央部に革新的設計を取り入れることで、フェラーリならではのV12サウンドを生み出しています。このように、フェラーリはレースで得た知見を市販車に還元し、「走る芸術」と呼ばれる唯一無二のブランド力を保ち続けているのです。
フェラーリの価格は最低でも2,682万円から始まり、最上級モデルでは5,000万円を超える設定となっています。現行モデルで最も手頃な「ローマ」が2,682万円、V8ターボエンジン搭載の「296GTB」が3,678万円、プラグインハイブリッドの「SF90ストラダーレ」が5,340万円、そしてSUVの「プロサングエ」が4,760万円という価格帯です。
参考)フェラーリ車種一覧 カタログ・燃費
メンテナンスに関しては、フェラーリ独自の「7年間メンテナンスプログラム」が用意されています。新車購入から7年間、すべての定期的なメンテナンスを保証するプログラムで、エンジンオイルとフィルターの交換、ブレーキフルードの交換、その他純正部品の交換が含まれます。このプログラムは車両に紐づいており、転売された場合でも新しいオーナーに引き継がれるため、リセールバリューの向上にも寄与します。
参考)フェラーリのメンテナンスは「ディーラー」「整備工場」どちらが…
具体的な費用としては、ディーラーでのメンテナンスプランはフェラーリF8トリブートの場合、3年プランで約100万円、5年プランで約150万円と高額です。しかし、フェラーリのトレーニングを受けた専門スタッフによる高品質なサービスが受けられるため、長期的に見て費用対効果が高いと評価されています。
さらに「Ferrari Premium」というメンテナンスプログラムも提供されており、経年劣化が発生するコンポーネントの交換が可能で、フェラーリ純正コンポーネントのみを使用します。メンテナンスオプションは20,000kmごと、または年1回から選択でき、さまざまな運転要件に合わせて調整できる柔軟性があります。
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こうした手厚いサポート体制により、フェラーリオーナーは長期間にわたり安心して車両を利用できます。定期的なメンテナンスを通じて車両の市場価値も保たれるため、高額な初期投資も資産価値として評価されているのです。
フェラーリの購入を検討する際、価格やスペックだけでなく、オーナーとしてのライフスタイルや維持管理の現実も理解しておく必要があります。
まず注目すべきは、フェラーリが「誰もが手にできる車ではない」という明確なポジショニングを貫いている点です。2016年に株式市場に上場し、過去5年で着実に株価を上昇させていますが、年間生産台数は10,000台程度に抑えられています。この希少性こそがブランド価値の源泉となっているのです。
旧車に入る1980年代から90年代のフェラーリも根強い人気があります。308、328、348、テスタロッサといったモデルはメンテナンス代はかかるものの、リセールバリューが高く維持されています。フェラーリは「走る芸術」とも言われる唯一無二のデザインと走行性能で、「憧れ」の存在としてブランド力を保ち続けているため、中古車市場でも高値で取引されているのです。
日本市場はフェラーリにとって世界6大市場の1つであり、環境対策への関心が高いことから、限定モデルやサーキット専用モデルを除く全てのモデルに「HELE」システムが世界で唯一標準装備されています。これは日本の環境基準に配慮した特別仕様で、他国では見られない独自の装備です。
また、新車を正規販売代理店で注文したオーナーには、注文後2年間「フェラーリ・マガジン」が無料で送付され、自分が注文した車両と同じ内外装の精巧な模型の送付、生産中の車両の画像などがセットになった「コンタクトプラン」が無料で提供されます。こうしたオーナー体験の充実も、フェラーリが単なる移動手段ではなく、ライフスタイルそのものであることを示しています。
フェラーリを所有するということは、高額な初期投資とメンテナンス費用を負担するだけでなく、エンツォ・フェラーリから受け継がれる情熱と歴史、そしてイタリアの誇りを体現することでもあります。そのため、購入を検討する際は単なるスペック比較ではなく、このブランドが持つ物語とコミュニティに共感できるかどうかが重要な判断基準となるでしょう。
参考リンク:フェラーリ公式サイトでは現行全モデルのスペックと装備詳細を確認できます
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/car-range
参考リンク:フェラーリの生産工場の様子や手作業と機械の融合について詳しく解説されています
フェラーリってどんなメーカー?歴史と各モデルの特徴と魅力!
参考リンク:フェラーリのメンテナンスプログラムの詳細と費用について専門的に解説されています
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