アンダートレイを「単なるカバー」だと思っていると、燃費が気づかないうちに悪化しています。
「アンダートレイ」という言葉には、実は2つの異なる意味があります。知らないと話がかみ合わなくなるので、まず整理しておきましょう。
ひとつ目は、車体の床下に装着される樹脂製のカバー、いわゆる「アンダーカバー(エンジンアンダーカバー)」のことです。エンジンルームの底面や車体下面を覆い、走行中の飛び石・泥・水の侵入を防ぐとともに、空気の流れを整えて燃費や走行安定性を高める役割を担います。車のボディ下部に隠れているため、普段はほとんど目に入りません。
ふたつ目は、助手席シートの真下に設けられた引き出し式・格納式の「シートアンダートレイ」です。こちらは車内収納の一種で、車検証や緊急グッズ、靴などを収納できる実用的なパーツを指します。ワゴンRやタント、ヤリスクロス、ルークスなど、軽自動車やコンパクトカーを中心に純正オプション・標準装備として採用されています。
つまり同じ「アンダートレイ」でも、話題が「燃費・空力・車検」なら床下カバーのこと、「収納・車検証・引き出し」なら座席下トレイのことを指しているケースがほとんどです。これが基本です。
この2種類の違いを押さえたうえで、以降のセクションではそれぞれを詳しく掘り下げていきます。まず床下カバーとしての役割と影響、そのあとシート下収納トレイの活用法へと進みます。
【グーネット用語解説】シートアンダートレイとは何か|定義・役割を確認したい方はこちら
「床下カバーなんて見えないし、外れても走れるから大丈夫」という考え方は危険です。
エンジンアンダーカバーをはじめとする床下の各種アンダーカバーは、元々は「エンジンルームへの異物・水の侵入防止」が主目的でした。ところが近年の市販車では、それだけにとどまらない重要な役割を担うようになっています。
最大のポイントは空力性能への影響です。車体下面をフラットにカバーで覆うことで、走行中に車体の下を流れる空気がスムーズに後方へ抜けるようになります。モータリングライターの調査によれば、アンダーカバーの有無によってCd値(空気抵抗係数)にざっと0.05前後の差が生じると報告されています。これは、高速道路を走り続けた場合に燃費に数%規模の差が出る可能性を示します。一見「小さな数字」に見えますが、年間1万km走行するドライバーにとっては、ガソリン代に換算して数千円から1万円を超える差になることもあります。
| アンダーカバーの役割 | 具体的な効果 |
|---|---|
| 🛡️ 異物・水の侵入防止 | エンジン・ファンベルトの劣化を抑制 |
| 💨 空力性能の向上 | Cd値を約0.05改善、燃費・安定性アップ |
| 🔇 静粛性の確保 | 走行中のロードノイズ・風切り音を低減 |
| 🌡️ 放熱の最適化 | エンジン周辺の熱管理を補助 |
さらに見落とされがちなのが「ファンベルトの保護」です。アンダーカバーが外れた状態では、走行中の水しぶきや泥がエンジン下部に直接かかりやすくなり、ファンベルトの摩耗や劣化を早める原因になります。アンダーカバーは消耗品を守る「縁の下の力持ち」です。
また、床下のアンダーカバーには、現代の市販車では前後にわたって複数のパーツが組み合わさっている点も特徴です。フロントのエンジンアンダーカバー、センターフロアカバー、リヤのディフューザーと、ボディ下面全体を整流する設計になっています。一部でも外れると、その効果が損なわれます。
【WEB CARTOP】アンダーカバーがCd値・燃費・安定性に与える影響を詳しく解説した記事はこちら
アンダーカバーに異常があると気づいても、「どうせ見えない部品だし、走れればいいか」と放置する方は少なくありません。それが大きなミスです。
まず走行中のリスクについて。アンダーカバーが外れかかった状態で走り続けると、地面に引きずられながら摩耗・変形し、最終的に脱落します。脱落したカバーが後続車に飛散すれば、物損事故・人身事故に発展するリスクがあります。「外れたカバーをそのままにしておくと、カバーが引きずられ損傷の範囲を広げてしまったり、後続車に部品が飛散して事故を誘発したりする可能性があります」(旧車王・メンテナンスコラム)とも指摘されています。
次に車検への影響です。アンダーカバーには保安基準上「最低地上高5cm以上」という基準が定められています。カバーが変形・破損して地面に向かってはみ出した場合、この基準を下回ると車検不合格になります。
一方で「アンダーカバーがなくても車検に通るケースがある」のも事実です。カバーが最初から存在しない状態で、最低地上高の基準をクリアしていれば、検査員によっては合格と判断されることもあります。ただしこれは「法的にOKかどうか」の話であり、「車にとって良い状態か」は別問題です。なくても走れる、ではなく、あったほうが確実に車が長持ちします。
【コラム詳細】アンダーカバーと車検の合否基準・修理費用について詳しく解説されています
ここからは座席下の収納トレイ、シートアンダートレイの話です。
シートアンダートレイとは、助手席シートの下に格納された引き出し式のトレイまたはボックスのことを指します。通常は座面の下に完全に隠れているため、知らずに乗り続けているオーナーが実は多く存在します。スズキ・ワゴンRでは、なんと1993年の初代モデルから助手席シートアンダーボックスを標準装備しており、30年以上にわたって受け継がれてきた歴史ある装備です。10年乗ってはじめて存在に気づいたという声もSNSで多く見られます。
では、どんなものが収納できるのでしょうか?
なお、2023年1月以降に新たに発行された電子車検証はA6サイズ(文庫本と同程度)に小型化されました。従来のA4版では入りにくかったシートアンダートレイにも、電子車検証ならスムーズに収まるケースが増えています。これは使えそうです。
対応車種に純正設定がない場合は後付け製品を活用する方法もあります。Amazonや楽天市場では「シート下収納ボックス」として汎用品が複数販売されており、マジックテープや磁石でシートレール付近に固定するタイプのものが人気です。純正品と異なり取り付けに工夫が必要ですが、費用は2,000〜5,000円程度が相場です。DIYが好きな方は、100均グッズを組み合わせて自作するケースもあります。
純正品を取り付けたい場合は、ディーラーへの部品注文が確実です。たとえばダイハツ・タント(LA650S)用の純正シートアンダートレイはAmazonで5,000〜6,000円前後で取り寄せ可能です。工賃は別途3,000〜5,000円程度が目安ですが、シートの脱着作業が必要になる点は覚えておきましょう。
【みんカラ】車種別シートアンダートレイの取り付け実例・使い心地レビューが多数掲載されています
走行中に「ガリガリ」「ズズズ」といった金属が引きずられるような音が聞こえた経験はありませんか?これはアンダーカバーの脱落・垂れ下がりが原因であるケースが多いです。
具体的な状況としては、雪道の走行後に雪の塊がカバーの固定クリップに衝撃を与えて外れるケース、駐車場の車止めや段差に底部をこすりつけてしまうケース、長年の使用でクリップやビスが劣化して自然に緩むケースなどが挙げられます。対処の優先順位は以下の通りです。
応急処置として補修テープや結束バンドで仮固定する方法もありますが、あくまで緊急時の一時対応です。それを「修理完了」と考えて放置するのは避けましょう。固定が不十分なままでは、高速走行中にカバーが完全に脱落する危険があります。これは後続車への飛散事故につながる話であり、状況によっては自分の損害賠償リスクにもなります。
修理費用の目安を整理しておきます。クリップやビスのみの交換なら数百円〜数千円で済むことが多く、カー用品店で当日対応してもらえるケースも少なくありません。一方でカバー本体を交換する場合は、部品代と工賃合わせて5,000円〜3万円前後が相場の目安となります。修理の依頼先によって価格差が大きいため、ディーラー・整備工場・カー用品店それぞれで見積もりを取って比較することをおすすめします。
【堀越自動車】アンダーカバーの破損原因・修理時間・費用を詳しく解説した記事はこちら

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