
NewYall フロント右助手席側アンチロックブレーキシステム ABSホイールスピードセンサー
運転免許の学科試験でよく出題される問題に「アンチロック・ブレーキシステムを備えた自動車で急ブレーキをかける場合は、システムを有効にするため、ゆっくり踏み込むことが必要である」という設問があります。これは完全な誤りです。正解は「一気に踏み込むことで作動する」となります。
参考)アンチロックブレーキシステムを備えた自動車で急ブレーキをかけ…
ABSを効果的に作動させるためには、できるだけ強くブレーキペダルを踏み続けることが必要です。国土交通省も公式に、ABSはブレーキペダルを力いっぱい踏み込むことで作動し、そのまま強く踏み続けることを推奨しています。中途半端な踏み方では、ABSが正常に機能しません。
参考)トヨタ トヨタの防災
この誤解は、多くのドライバーが急ブレーキの正しいかけ方を理解していないことに起因しています。実際の教習所でも、ABS体験で強いブレーキに驚いて涙を流す教習生もいるほど、急ブレーキの感覚は日常運転では経験しにくいものです。
参考)今日、教習所で泣いてしまいました。2段階のABS体験をしたん…
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、急ブレーキをかけた時などにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことにより、車両の進行方向の安定性を保ち、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置です。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/car_h20/safetydevice/abs.html
ABSは主に「車輪速センサー」「油圧ポンプ」「圧力を調整するバルブ」で構成されています。ブレーキペダルを強く踏み込むと、車輪速センサーがロックしそうなタイヤを検知し、減圧用のバルブが開いて余分な油圧をポンプで吸い上げ、ブレーキを弱めます。タイヤの回転が回復すると、再びブレーキを強めるという動作を1秒間に数十回繰り返します。
参考)ABSとは?どんなシーンで活躍する?仕組みを理解して安全運転…
ABSが作動すると、ブレーキペダルが細かく振動したり、「グググ」という音が出ることがありますが、これは故障ではなく正常な動作です。驚いてブレーキペダルから足を離してしまうと、ABSが正しく作動しなくなり危険です。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02safetydevice/abs.html
ABSは必ずしも制動距離を短くする装置ではありません。実際に路面状況によっては、ABS付き車両の方が制動距離が伸びる場合もあります。特に新雪路、砂利道、凸凹道、タイヤチェーン装着時などでは、タイヤをロックさせた方が制動距離が短くなるとされています。
参考)https://www.thr.mlit.go.jp/koriyama/inform/drive/16.html
プロのレーサーを使った実験では、時速約60km/hからの急ブレーキで、ABSありの状態では平均34.73メートルで停止したのに対し、ABSなしでは平均39.66メートルとなり、ABSの方が約5メートル短い制動距離を記録しました。これは、ABSが4つのタイヤを個別に制御し、それぞれのグリップ力を最大限引き出せるためです。
参考)ABSの有無で車の制動距離はどのように変化する? 海外You…
凍結路面(アイスバーン)では特に注意が必要です。氷上でブレーキペダルを強く踏んでしまうとABSが作動し、止まるまでに長い距離を必要とする可能性があります。雪道では「ABSがついているから早く止まれる」という認識は誤りで、十分な車間距離を取り、速度を控えめにする必要があります。
参考)https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-what-is-icy-roads/
かつて教習所で教えられていた「ポンピングブレーキ」は、ABS普及後は緊急回避の技術としては不要になりました。ポンピングブレーキとは、ブレーキペダルを踏んだり離したりして複数回踏み分けることですが、ABS搭載車では人間がペダル操作でブレーキロックに対処するより、ABS任せの方が何倍も高精度で安全かつ最短距離で減速できます。
参考)この教えは無意味? 自動車教習所で習うも実戦ではほとんど役に…
ABS作動中にポンピングブレーキを使ってしまうと、ブレーキを緩めたことになり、ABSが正しく稼働しない可能性があります。現在のポンピングブレーキの意義は、後続車にブレーキランプを点滅させて減速を知らせる「予備制動」としての役割が主となっています。
参考)自動車のABSとはどんなもの?作動する仕組みや条件、注意点を…
教習所では運転に慣れていない段階で、ブレーキペダルの踏み加減を把握させるために「ポンピングブレーキ」という言葉を使って指導します。教習回数を重ねると、10~15回程度でポンピングブレーキをしなくてもスムーズにブレーキをかけられるようになります。
参考)イマドキの車では「ポンピングブレーキ」不要?元教習官が伝える…
ABSを確実に作動させるためには、ブレーキペダルをしっかりと踏み続けられる正しい運転姿勢が重要です。ブレーキをしっかり踏み込むためには、ペダルを踏んだ際にひざが伸びきらない位置にシートを合わせ、背もたれを起こし深く腰掛けるようにします。
靴選びも大切な要素です。ハイヒールやスリッパではなく、しっかり踏み込める靴で運転するようにしましょう。運転席には深く腰掛け、ブレーキを踏み込みやすい姿勢を保つことが、緊急時に高い踏力を出すための基本となります。
参考)ABSって何?基礎知識から注意点まで解説!
最も重要なのは、最初の踏力です。アクセルペダルからブレーキペダルへの踏み替えを素早く行い、最初にドンと強く、思いっきり踏みつけることで空走距離を短くでき、大きなストッピングパワーを得ることができます。車は速度が高いときに強い制動力を掛けたほうが減速しやすいため、初期の踏力が肝心なのです。
参考)【動画】全ては“止まれる自信”から!「止まる」「曲げる」ブレ…
参考リンク:国土交通省によるABSの公式説明とブレーキの正しいかけ方について
ABS | 自動車総合安全情報 - 国土交通省
参考リンク:トヨタによるABSの注意点と正しい操作方法の解説
ABSの注意点 | トヨタ自動車WEBサイト

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