全国交通安全運動2025夏の重点と期間・飲酒運転根絶

2025年夏の全国交通安全運動は、飲酒運転の根絶や高齢者・子どもの事故防止を重点に実施されます。夏の運転で注意すべき点や、安全な交通社会を実現するための具体的な取り組みとは何でしょうか。

全国交通安全運動2025夏の実施期間と重点事項

2025年夏の交通安全運動の概要
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実施期間

令和7年7月11日(金)~7月20日(日)の10日間

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運動の基本

子どもと高齢者の交通事故防止(歩行者ファースト意識の浸透)

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最重点項目

飲酒運転等の危険運転の根絶と安全運転意識の向上

全国交通安全運動の実施期間と目的

2025年の夏の交通安全運動は、全国各地で7月11日(金)から7月20日(日)までの10日間にわたり実施されています。この運動は、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けることを目的としています。内閣府・警察庁・国土交通省などの官公庁が主体となり、各自治体や企業、学校、地域団体と連携して全国展開される重要な啓発活動です。
参考)https://www.nagoya-expressway.or.jp/news/20250711/

全国交通安全運動は毎年春と秋に実施される運動が広く知られていますが、夏にも地域によって実施されており、特に夏休みシーズンに入ることから子どもや高齢者の事故防止に焦点が当てられています。春の全国交通安全運動は4月6日から15日、秋の全国交通安全運動は9月21日から30日に実施され、年間を通じて交通安全意識の向上が図られています。
参考)令和7年秋の全国交通安全運動推進要綱 - 内閣府

全国交通安全運動2025夏の重点事項

2025年夏の交通安全運動では、いくつかの重点項目が設定されています。第一に「歩行者の交通事故防止と交通ルールの遵守」が掲げられており、横断歩道における歩行者優先の徹底が求められています。第二に「運転者の安全運転意識の向上及び飲酒運転等の根絶」が最重要課題とされ、夏特有の解放感から飲酒の機会が増えることへの警戒が呼びかけられています。
参考)令和7年夏の交通安全県民運動の実施について/浜松市

第三の重点は「自転車・特定小型原動機付自転車利用時の交通ルールの遵守とヘルメット着用の徹底」です。2023年4月からすべての自転車利用者にヘルメット着用が努力義務化されており、特に夏休み期間中は子どもの自転車利用が増えることから重要性が高まっています。また、後部座席を含めた全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用の徹底も重点項目となっています。
参考)交通安全運動 - 岐阜県公式ホームページ(県民生活課)

全国交通安全運動における飲酒運転根絶の取り組み

飲酒運転の根絶は、2025年夏の交通安全運動において最も重視されている課題の一つです。夏本番を迎え、海や山でのレジャーシーズンが到来し、飲酒の機会が増えることから、飲酒運転による交通事故の発生が強く懸念されています。広島県警の森本県警本部長は「連日の厳しい暑さから、ドライバーの運転に対する注意力が低下しやすくなることや、夏の行楽シーズンにおける交通量の増加に伴い、交通事故の多発が懸念される」と述べ、危険性の高い交通違反の取り締まりを強化する方針を示しています。
参考)未来を担う児童が交通安全の大切さを学び、href="https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/hokkaido/2025/0703/00015067.html" target="_blank">https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/hokkaido/2025/0703/00015067.htmlquot;飲酒運転根絶href="https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/hokkaido/2025/0703/00015067.html" target="_blank">https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/hokkaido/2025/0703/00015067.htmlquot;を呼…
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北海道では「飲酒運転をしない、させない、許さない、そして見逃さない」というスローガンのもと、飲酒運転根絶に向けた強い取り組みが行われています。平成27年12月に「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」が施行され、2025年は施行から10年となる節目の年であることから、一層の意識向上が求められています。秋田県では8月1日から8月31日までを「秋田県飲酒運転追放県民運動」の強調期間とし、飲食店等における運転者への酒類提供禁止の徹底及びハンドルキーパー運動の促進を推進しています。
参考)https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/26627

全国交通安全運動期間中の高齢者と子どもの事故防止対策

高齢者と子どもの交通事故防止は、2025年夏の交通安全運動の基本テーマとなっています。夏休み期間中は、遊ぶ子どもたちや夕涼みで外出する高齢者が増えるため、交通事故発生の危険性が高まります。子どもは視野が狭く、注意力も発達途中であるため、車の接近に気づかなかったり、急に飛び出したりする傾向があります。一方、高齢者は視力や聴力、反応速度が低下しがちで、信号の変化や車両の速度を正しく判断できない場合があります。
参考)子どもと高齢者を守るための交通事故防止対策とは?地域・家庭・…

警察庁のデータによると、高齢者の交通死亡事故は全体の約半数を占めており、特に夕方以降に多く発生しています。運転者は子どもを見掛けたら減速して飛び出しに注意するなど安全確認を確実に行い、登下校時間帯は特に気を付ける必要があります。保護者は日頃から子どもに交通ルールを繰り返し教え、大人が率先してルールを守る姿を見せることが大切です。夕暮れ時や夜間は車から歩行者が見えにくくなるため、明るい服を着たり、夜光反射材やLEDライトを使用するなどの対策が推奨されています。
参考)広報ふじさわ「市政情報」

全国交通安全運動と夏の運転における独自の注意点

夏の運転には、他の季節とは異なる特有のリスクが存在します。暑さや紫外線による疲労蓄積、熱帯夜による睡眠不足、エアコンを原因とする体調不良、屋外と冷房が効いた屋内の寒暖差などが、気づかぬうちに集中力の低下を招きます。集中力が低下すると、普段なら注意しているはずの漫然運転によって事故を起こす危険も高まります。
参考)7月1日は国民安全の日!運転時は暑さによる心理状態の悪化に要…

研究によると、高温環境下ではドライバーの生理機能と反応時間が悪影響を受けることが明らかになっています。ドライバーは高温環境で不機嫌になるだけでなく、行動が攻撃的に変容していく傾向があり、普段であれば歩行者や対向車に道を譲っているような場面で、暑さによるイライラから自分本位な運転をしてしまうと、事故のリスクが上がります。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6675573/

夏場の運転では健康管理の徹底が不可欠です。食欲減退や睡眠不足を原因とする体調不良、エアコンのかかった室内との寒暖差による自律神経のバランスの乱れなどに注意が必要です。車の運転中は車内の乾燥や輻射熱などにより脱水症状になる危険性があり、重度の脱水症状では意識障害が生じる場合もあるため、常に飲み物を車内に用意し、定期的に水分補給をすることが推奨されています。時間には常に余裕を持ち、渋滞にはまりそうな道はできる限り避けるなど、運転に焦りが生じないスケジュールを心がけ、リラックスできる車内環境づくりを行うことが重要です。​

全国交通安全運動における横断歩道での歩行者優先の徹底

横断歩道における歩行者優先は、交通安全運動の重要なテーマとなっています。横断歩道は歩行者が優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務がありますが、横断歩道で歩行者が犠牲となる交通死亡事故が後を絶ちません。道路交通法では、車両等は横断歩道等に接近する場合、その横断歩道等の直前で停止できるような速度で進行しなければならないと定められています。
参考)鹿児島県警察/横断歩道は歩行者優先です!

さらに、進路の前方の横断歩道等を横断し、または横断しようとする歩行者等があるときは、その横断歩道等の前で一時停止し、かつ、その歩行者等の通行を妨げないようにしなければならないとされています。JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が実施した「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2023年調査結果)」では、歩行者が横断歩道を渡ろうとしている場面で一時停止した車の割合は年々増加していますが、依然として約6割の車が止まらない結果となりました。
参考)信号機のない横断歩道では「歩行者優先」!!|交通情報|交通事…

ドライバーは信号機のない横断歩道を横断中または横断しようとしている歩行者を認めたときは、必ず横断歩道の手前で一時停止し、歩行者に進路を譲る必要があります。一方、歩行者も自動車との交通事故を避けるため、横断歩道を渡るときも前後左右を確認し、本当に車が来ないか、本当に車が止まるかを確認してから渡ることが重要です。夏休み期間中は外出する・自転車に乗る機会が多くなるため、道路に飛び出さない、道路は横断歩道や信号のあるところを横断する、道路を横断する際は手をあげたり旗をあげたりして横断することを車に知らせるなどの基本的な交通ルールの遵守が求められています。
参考)教育委員会

全国交通安全運動における自転車ヘルメット着用の重要性

自転車乗車時のヘルメット着用は、2023年4月1日の改正道路交通法施行により、すべての自転車利用者に対して努力義務化されました。道路交通法第63条の11では、自転車の運転者は乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならないと定められており、他人を自転車に乗車させるときや、児童又は幼児が自転車を運転するときも、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならないとされています。
参考)自転車乗車用ヘルメットの着用 - 愛知県

ヘルメットは、事故に遭ったり転倒した場合などに、頭部への衝撃を軽減する大きな効果があります。警察庁のデータによると、自転車事故で亡くなった方の約6割が頭部に致命傷を負っており、ヘルメット着用により致死率を大幅に下げることができると報告されています。ヘルメットを着用していなくても罰則はありませんが、事故の際に命の危険が大きいことと損害賠償の請求で不利になりやすいことは理解しておく必要があります。
参考)道路交通法の改正による自転車のヘルメット着用努力義務化と罰則…

2025年夏の交通安全運動では、自転車・特定小型原動機付自転車利用時の交通ルールの遵守とヘルメット着用の徹底が重点項目の一つとして掲げられています。夏休み期間中は子どもの自転車利用が増えることから、保護者は子どもに自転車に乗る前にタイヤ・ブレーキなどの整備点検を必ず行わせ、自転車に乗るときはヘルメットをかぶるよう指導することが重要です。大切な命を守るため、自転車乗車時は大人もこどももヘルメットをかぶることが推奨されています。​
内閣府の全国交通安全運動推進要綱では、運動の目的や重点事項の詳細が掲載されています
愛知県の自転車乗車用ヘルメット着用に関するページでは、ヘルメット着用の重要性と道路交通法の詳細が解説されています
警察庁の頭部保護に関するページでは、自転車用ヘルメットの効果と選び方が詳しく紹介されています